会社を午後半休して行ってきた。土日は予定で一杯だったからだが、それにしても会社の方を押しのけるとは我ながら実にアレだ。

★06年3月23日
E-systemの新作、E-410/510を触ってくることが一番の目的である。他に大物としてはEOSの1桁があるが、全くカテゴリーが違うし、一生使わないことが確実なのでパス。あとはシグマのDP-1についてどんなものかを聞いておきたい。ゆりかもめ東京ビッグサイト
会社を昼に出て、新橋からゆりかもめで会場へ。3月18日より、ICカードが共通化されており、非常に便利になった。阪急電鉄で自動改札が始まってから40年、これほど大きな変化は過去なかったのではなかろうか。良いことだと思う。
さて、少し風があるが、暖かい日だ。コートどころか、屋内ではセーターでも暑いほどだ。会場の入口では入場券の販売と登録の2回並ばなくてはならず、少々面倒だ。私はPIEのHPで事前登録をしていたのだが、それでも2回並ぶのである。入場券のところに事前登録専用の窓口でも設置し、1回で済ませて欲しいものだ。オリンパスのコーナーE-410のカットモデル
会場内は平日なのにけっこう混んでいる。PIE、つまりフォトイメージングエキスポという名前の通り、カメラを持った人が多く、皆さん立派な機材でモデルさんたちを連写しまくっている。私はそういうのには興味がないので、まずはオリンパスのブースに。入口からすぐで、コーポレイトカラーの青が目立つ。コンパクトカメラのコーナーも一通りあるが、やはり大きく場所を取っているのはD-SLRのE-410/510の体験コーナーだ。外側にはそれらと、E-1後継機や新作予定レンズのモックアップなどが展示されている。E-410は既に発表されている通り、世界最小・最軽量・最薄のD-SLRで、写真で見るよりずっと小さい印象だ。E-510はそのE-410/510比較ボディの右側グリップが大きくなり、手ぶれ補正の分厚さが増し、重くなったモデルだが、これも十分に小さい。カットモデルをOMレンズと見ると、各パーツがぎっしりと詰め込まれており、なるほどこれは開発が大変だと思う。E-510の手ぶれ補正システムのフレームは、三脚穴のごく近くまでを占めており、本当にギチギチだ。手ぶれ補正のための可動部分は4/3ゆえに小さくて済むのはメリットだと思う。
体験コーナーだが、入って正面がE-410/510を触りながら社員と話せるスペース。E-410とE-510を触ってみたが、E-410は手の中にすっぽりという感じ。かといって持ちにくいということもない。E-510はグリップが秀逸。しっくり来る。特に、右手親指周りが実に良い感じで、これは練られていると感じた。E-510も入門機のクラスに相当するだろうが、このクラスでは右手親指のスペースまで上手く処理されたカメラは現在のところ、存在していないと思う。このクラス最新のニコンD40・D40Xは持ちにくいし、キヤノンのkissDXはグリップ自体が今ひとつ。ペンタックスはグリップは良いがやはり親指の置き場所が頼りない。まあこれはオリンパスのE-500も同じで、私はそこに滑り止めを貼っている。
左後ろには花をライヴヴューで体験するコーナーと、モデルを上から撮ってみようというコーナーがある。ごていねいに、人の写真をパネルにしたものが置いてあり、その向こうにモデルさんがいるのだ。体験者は、そのパネルの上からカメラを差し出して撮るわけだ。正面右には水中撮各社エントリークラスD-SLR比較影の紹介コーナーと、さらに右にはE-410でのモデル撮影結果をプリントしてくれるというコーナーがある。そして、会場の外側に2箇所、ステージがあって片方は写真家たちのレクチャー(ちょうど織作木製ボディの展示も峰子さんのトークショーをやっていた)などの発表会場で、もう一つはモデルさんを使ったカメラのPRコーナー。と、けっこう盛りだくさんになっている。以前は、2階部分を作って、申し込んだ人がモデル撮影をする場所などがあったように記憶しているが、どうもアレは閉鎖的な感じがしていけない。それはやめたのだろう。
あとは、空いた壁にE-410で撮影した写真を大きくプリントしたものが飾られている。1000万画素モデルとあってさすがに解像は良好だ。何よりプロの写真はきれいだから「ひょっとしたら」と勘違いして私のような者はつい買ってE-1後継はモックアップ展示のみしまうわけだが。
各社エントリーモデルD-SLRの大きさ比較はなかなか面白い。写真じゃなくて実機が貼り付けてあるのが良い。より差がつくように、望遠ズームを着けたものが比較されている。E-systemの40-150mmF4-5.6はこの手のレンズでは格段に小さいから、これは効果的である。重さや長さが数字で一旦退散併記されているけど、これはもう、見るだけで小さいのが分かるし、これは積極的にアピールすべきところだろう。
木製デジカメだが、これは意外にサマになっているように思われた。デジタルフォト誌で製品化の要望を募集していて、私もそれに意見を出したのだが、この個性は強烈だし、模様や色合いが1台1台で異なるというのがまた良い。是非実現して欲しい。
とりあえず一旦ここを出て、次は隣のフジフイルム。なんと、Velvia50(Velvia IIと仮称されていたもの)が4月15日に発売になるという。Velviaは正直言うと、マゼンタかぶりがあるし、硬調なのであまり使っていないのだが、新しく出るというなら使ってみたい。まずはブローニと4×5からだそうだ。私は古いカメラもよく使うから、レンズシャッター機のように1/300秒までしかシャッター速度がない、となるとISO50のフィルムは貴重なのだ。コダックはEPRがISO64(存続が危ぶまれているろいう噂も)だし、KR・PKRは日本にはもうほとんどないし、アグファ、コニカはつぶれてしまったし、ホント、新製品出してくれるだけでクラッセW,S嬉しいっすよ。
隣には高級コンパクトカメラのクラッセW(28mm)と、4月下旬発売予定とあるクラッセS(38mm)が置いてある。クラッセはこの手のカメラでは少しばかり大柄でデザインも垢抜けない感じがするが、写りは一級だから気になっていた。驚いたのは、フラッシュ設定を電源オフでも記憶できるようになっていたこと。クラッセWという9万5千円もするカメラで、電源をオフでリセットされオートフラッシュに移行していたので、今回の対応は嬉しい。しかし初期のWを買った人はどうするんだろう。デジカメと異なり、ユーザがファームアップをするわけには行かないから、メーカに出すのかね。まさかSが店頭に並ぶときは、リセット仕様になったりはしないだろうな。一応店に出たら確認してみたいところ。リセットしない仕様なら、Sを買ってもいいと思っている。
フジのD-SLRやコンパクトにはあまり興味がないのでスルーして、シグマへ。シグマは最近、レンズのラインナップはどんどん大きくなるし、Foveon搭載のコンパクト、DP-1を発表するしで、とにかく元気がある。今後が実大砲ですな、まさにに楽しみだ。
まずは参考出品の200-500mmF2.8だ。単体の500mmでもF2.8なんて無いのに、さらにズームである。左の写真で分かるとおり、向こう側で見ている人の横DP-1、スケルトン幅と比べて、その巨大さが分かろうというものだ。カメラ側から見ると、レンズの情報表示を液晶パネルで出すというのもユニーク。とにかく、こんな超弩級のものを企画し試作してみようというのは普通できない。企画だけならだれでも出来るが、それを設計して形にしてしまう、ここにシグマの勢いを感じる。
DP-1は稼働モデルがなく、まだ内容は煮詰まっていないところがあるとのこと。カメラの形はたぶんここまでくるとこれで出すのではないかと思われたが、最短撮影距離が30cmではDP-1、フル装備、いかにAPS-C相当の撮像素子といえど遠いと思うからマクロ域はもう少し頑張って欲しい。また、距離ダイアルが付いているのもこのカメラの特徴だが、そのダイアルがスカスカで、∞を超えてしまうのは製品版では改善しなければなるまい。このダイアルにクリックがあると街角写真家にはいいかも知れないが、賛否は分かれそうだ。マミヤのコーナー
次はマミヤ。キヤノンやソニーは端からスルーしている。そういえばソニーは、新しい撮像素子を次期αに積むそうだが、それがフルサイズだという予想が多い。ありうるとも思うし、手ぶれ補正との整合がどうなるかが気になる。広角なら撮像素子シフトは小さいが、望遠になると補正量が大きくなるから、ミラーボックス内で蹴られるとか、その点ハッセル用レンズも使えますが心配。
さて、マミヤだが、ここは既にマミヤ・オーピーから分離してマミヤ・デジタル・イメージングになっている。新たにシュナイダーの代理店になったりしていて、その関連か、ALPAの中判カメラなども展示している。中にはZDデジタルバックを装着できるものもあるようだが、中判デジタルバックを着けるボディは原始アンバランス的な暗箱だし、シャッターチャージレヴァーがあって真鍮製のレリースが付いていたり、外観と機能のギャップが激しいのが何ともほほえましい。買う人いるのかな..あと、マミヤZDにハッセルブラッドのレンズを付けるアダプタなどが展示されていた。
一応、現行機種は全部展示されていたが、気になるのはマミヤ7IIだ。一説には、一部の交換レンズは既に市場在庫のみとなっているらしい。カメラ雑誌には割引セールが広告されていたが、予定の3月31日を待たずして在庫が切れているというのだ。これが予想以上に売れまくって、ならいいが、なにぶん元々需要が多くない(少なくともアマでは)6×7判だから先行きが少し不安だ。ところで、6×7は縦横比がだらしないから、というのをよく聞くが、実寸法は54×69.5mmで、アスペクト比は実際は4:5に近いのだ。だから、印画紙にノートリミングで焼くには丁度良い。6・7という数字に囚われがちだが。オリンパスのモデルさんに群がる人たち
最後にオリンパスのコーナーにもう一度寄って帰ることにする。途中でコダックのV705の写真プリントを見たら、予想以上にきれいで驚いた。超広角レンズがついていて、吹き抜けロビイにてそれで合成パノラマが撮影できる。それをプリントしたもので、超広角レンズは固定焦点(ピント合わせをしない)だからあまり鮮明には写るまいと思っていたのだ。これは見直した。
外に出て、トイレに寄ったら、トイレットペーパーに「東京ビッグサイト」の文字が。なるほど、公衆トイレから備品を持っていく人がいるんですな。なんだかバカらしい話だが。こんなことに手こんなことをしなければならないのか..をかけなければならないとは。
ヴィーナスフォートまで散歩し、18時過ぎには帰宅した。


おわり






PIE2007 かんたんレポート