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07年3月3日 (日帰り)
鶴見→横浜町田IC→浜松→川崎IC→鶴見

浜松はほぼ4年ぶり、2度目である。前は、ベストブラスに行くついでに楽器博物館に寄ったのだが、今回は純粋に楽器博物館が目当てだ。配偶者Sがここには行ったことがないというので、ちょうど良いから行こうか、ということになったのだ。生後5ヶ月半の息子Sがいるから移動手段は車のほうがよさそうだが新幹線も考えてみる。最近は新幹線にもベビーベッドがついていたりするし、こだま号はたいてい空いているから幼児連れでも問題なさそうだが、調べてみるとけっこう高価である。一人当たり概ね片道8000円、つまり2人では往復するだけで32000円もかかってしまうとなると、いかに鉄道好きの私であっても、ちと躊躇してしまう。しかもこれだけ払って、こだま号の所要時間は新横浜から浜松まで1時間40分、平均して約137km/hでけっこう遅い。たしか、昭和42年のスピードアップ時に東京−新大阪間のこだまは5時間から4時間になったのだが、この4時間になったときの平均時速とほぼ同じだ。こだま号も最高速度は270km/hに上げられているので、つまり通過待ちが多いということだ。のぞみ号ばかり増えて各駅の利便性は悪くなっているのではないか、と思いつつ「ぷらっとこだま」の割引料金を見るがこれは前日までの申し込みで、列車は一切変更できず切符は事前に発送(駅では受け取れない)という使いにくさだ。で、結局車にした。
車だと所要の予想はドアtoドアで3時間半である。しかし車の中では息子がいくら泣き叫ぼうとウンコしようと周りには迷惑をかけないから気楽富士川SAにてだ。朝、宅急便の受け取りを待って、10時に家を出た。こんな時刻に出発したら東名高速でひどい目に遭いそうだが、行ってみたらほとんど渋滞はなかった。すいすいと進み、富士川SAで休憩。風が強いが、暖かい。富士川SAは高台の上にあって、周囲の景色がよく見える。高速の橋の向こうには富士山が見えるが、薄曇りであまりくっきりしていないのは残念だ。昨日手に入れたオリンパスのSP-550UZでいろいろ撮ってみる。35mmフィルム判に換算すると28-504mm相当の高倍率ズーム富士川SAにてレンズが付いたデジカメで、非常に便利だ。息子Sは調子よく、未だ飽きている様子はないので一安心。道中、ニールセンの交響曲全集のCDを聴きながら、快適に運転していた。富士山を望遠で
3時間半ほどで、浜松ICを降りた。博物館は駅前にあり、ここから20分程度かかる。前に来たときも私が運転していて何となく方向を覚えているので、ナヴィゲーションの指示とは違う道を行ったりして、無事に駅前に着いた。駅前には周囲と全く異なる雰囲気の高層ビルがあるので、遠くからでもよく分かるのは有難い。確か、市営駐車場に入れるのが安いと記憶していたが自信がないので、周囲をぐるぐる回った挙句、楽器博物館の窓口の人に駐車場の所在を聞いてしまった。結果は記憶通りで、市営駐車場を勧められた。楽器博物館の入口
駅前は土曜の昼間だというのに、人通りは少ない。ベビーカーを出して、息子を乗せて博物館に向かう。この博物館は撮影可能で、ベビーカーも持ち込める(貸し出しもある)。親切だと思う。東京の美術館などではベビーカーなんぞ以ての外なのである。もっとも東京近辺の企画展の混み方は通勤ラッシュ時の駅と変わらないほどだから、子供を連れて行こうとも思えないのだが。
さて、ここは昨年に改装して展示品の種類が増えたという。特にアジア、アフリカなどの民族楽器が大幅に増えている。入ってすぐ左がガムランを始め、アジア系の大展示場になっていて壮観だ。原理は同じでも、地域の個性が形や色彩、素材に表れていて実に面白い。館内は薄暗いが、手振れ補正が付いたSP-550UZでは気軽に写真が撮れる。
アジア系楽器んーカラフル羽もついてます








音を拡大?チベット、モンゴルの楽器ここまで来ると工芸品だな










しばらくすると、ピアノのコーナーでプレイエル社のピアノの実演が工芸品の風格あるというので地下に降りてピアノコーナーに行く。ピアノは170年前のものとは思えないほどしっかりした豊かな音がしている。博物館の空間も天井が適度に高くてこういう演奏がよく聞こえるのだろう。ただ、奏者がえらくミスタッチをするのでときどき首を傾げたくなってしまった。観客が少なくて張り合いがなさそうだが、まあそれとこれとは別ってことで..ところで、プレイエル社はショパンに使われたピアノを製造した会社である。東芝フィルが01年に欧州公演をしたとき、パリで演奏したホールがサリュ・プレイエル(英語ではプレイエル・ホールに相当)だった。これもプレイエル美しい..社の創設によるもので、まああまり事情は知らないものの、プレイエルと言うと個人的には懐かしい感じがする。反響板からの戻りが少なくて奏者自身には演奏がガタガタに聞こえるのだが、客席で聴いている分にはよく音が混ざってポータブルピアノ!いて良い音がするという不思議な空間だった。その響きに慣れないオケのメンバー同士が口論したり、なんてのも今となっては微笑ましい思い出だ。早口の楽屋口の管理人さんは元気だろうか。
展示に戻ろう。当然、これらの演奏可能な楽器も含めて、一般の入場者は展示品に触ることはできないのだが、各所に楽器機構のレプリカが展示されていてその鍵盤を叩いたりすることはできる。打楽器、特にアフリカ・アジアの民族楽器などは一部が体験コーナーにおいてあって自由に触ることが出来る。管楽器もあればいいのに、と思うが衛生上ムリか。打楽器の体験には息子Sも大喜びであった。
ここらで楽器の写真など並べておこう。
オフィクレイドたちセルパンスライド・トランペット








こういうのも楽しいトロンボーンの仲間たちこりゃ短い!











サンザ大型の太鼓体験コーナーにて











スティールパン一応和楽器も美しい










後半、私は空腹感が高まり、だるくなってきた。朝昼兼用でおにぎりとパンを食べただけで、浜松では未だ何も食べていない。着いた時刻が14時ごろで鰻屋に行くにも半端な時刻だったから先に博物館を回ったわけだが、展示に見入ってしまい2時間以上ここで過ごしていたのだ。入り口の係りの人と立ち話して、お礼を言って辞うな竹去する。
鰻屋については予備知識がない。前もって調べていないし、前回ベストブラスの濱永さんに連れて行ってもらっまー、まずはおしぼりでもどうぞた鰻屋は覚えていない。なので、行きに見かけた看板を目印に、「うな竹」という店に行くことにした。高速の方に戻る途中だから都合がいい、と思って行ったらけっこう遠かった。17時ごろ店に到着。客は我々の他には誰もいない。座敷に通されて早速メニューを見る。空腹だからどれも良さそうに思える。配偶者Sも私も鰻には目がないからとにかく迷いに迷って、鰻重の特並(うーん、どれにしようかな(ウソ)なんだか矛盾したネーミング)を注文した。来た鰻重は、タレがまんべんなくかかっていて、それでいてくどくなく、鰻は脂肪が適度に乗ったもので香ばしくて肉厚、脂肪でドロドロだったりゴムのような感触の安い鰻とは大違いだった。満足満足。美味かった..
客がいないことに乗じて息子のオムツまで替えて、店を出た。帰りは少し疲れたので途中、配偶者に運転してもらったが息子が激しく泣き出し、20kmくらいで再び交代。まあこれは仕方ない。帰りは3時間半弱で速かったが、それでも21時半近く、乳児にはちと厳しい遠出だったかと反省しきりであった。



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07年3月3日 浜松市楽器博物館