03年10月13日
仙台→松島→仙台→東京
天気は雨時々曇り。今日はこのまま帰ってしまうか、どこかに寄ってから帰るかを決めなければならない。今日の予定は決めていなかったのだ。昨夜の飲みのおかげで、皆気持ちよく寝坊し、起き出して着替えて朝食を食べて、とやっているうちに11時を回ってしまった。この時刻から遠出をしては帰りが大変なので、無難に松島にする。
松島までは深夜ドライヴでも何度か来ているし、前回仙台に来た時も寄っているので道は分かっている。が、なにしろ眠い。車内も沈黙気味であった。それでも松島は近いのがありがたい。12時過ぎには着いて、駐車場に入れることができた。雨は本降りで、寒い。
まずは五大堂に行く。景色は雨に煙っておりはっきりとは見えないがこれも風情があっていい。水墨画のような風景だ。遊覧船に乗るかどうかで多少意見が分かれた。8人いるとどうしてもこういうことはある。調子が悪い人(かつ、乗り物酔いする)がいたので、ここはムリして遊覧船でもなかろうということで、瑞巌寺を見学することにした。以下はしばらく雨の松島の写真。
瑞巌寺は828年だから平安時代初期に開かれている。いま見学できる各建築物は、伊達政宗が人材・資材を集めて建造したものであり、本堂は1609年完成だそうだ。
左:入口から杉並木の参道
なかなかの風情。雨が落ちてくるのも構わず撮ってみた。
右:「今月の言葉」、だそうで、「このマルは月かダンゴか桶の輪か カドのとれたる人の心で」とある。その文字通りの意味に、さらに「オケ」とあっては撮らずにはいられなかった。来週の本番、上手く行くとよいが。
右下:瑞巌寺本堂(方丈)
国宝に指定されている。ここに「松に孔雀図」という障壁画があって、これが上に写真を挙げておいた観光船の孔雀丸の由来のようだ。失礼ながら、似ても似つかないが..
本堂、宝物館は撮影禁止なので全く撮っていない。止むを得ないとは思うが、正直に言えば、惜しい。パンフレットによると、障壁画の修復には10年を要したというからその労力はたいへんなものであり、それを気軽にフラッシュをバシバシで撮るのも確かに問題だろう。
宝物館には平安時代の発掘物なども含む3万点の品物が収められている。展示されているのは代表的なもののようだ。平成7年開館とのことだから新しい建物である。私が仙台にいる頃には無かった建物だ。伊達政宗の甲冑像などは有名だから、写真で見た方も多いだろう。ここも写真撮影はできない。展示は地下で、個人的には器物よりは絵や書の方が好みだ。しかし、書の類は達筆すぎて読めない箇所も多い。中で、「忍」とある書をSTさんに読ませたところ「あく」(悪)、CKさんに読ませたら「ねぎ」(葱)とお読みになった。確かに、そう読めなくもない。ユニークな読み方に感心した。
境内も宝物館はそれほど広くは無いが、一通り回ってみると皆疲れた様子。疲れたというより、前日の疲れであろう。雨というのも気分としては沈みがちになる要因だ。しかし雨とはいえ団体の見学者も多く、ガイドさんがついて熱心に説明している。我々も、その説明を便乗して聞いてしまった。ちょっと独特の節回しで、リズムをつけてしゃべっている。おもしろい。寺と称しながら城砦的な機能も持っていたとか、そう言われればそうなのかあ、とつい納得してしまう。
しばらく土産屋を見て、昼食にする。HA君お勧めの店はいささか予算が必要とのことで、変更。でもせっかくだからカキは食べて帰ろうということに。「独まん」という店に上がる。昔、学生時代に松島のカキは松島で不足して外から買ったりしているなどという話を聞いたことがあるが、松島産か他なのか区別出来る知識はない。今はどうなっているのか..ともあれ、最初に人数分の生ガキを頼んで、一人一個食べる。小ぶりだけど美味しくいただいた。プリプリしていて生臭さがない。私は小学校のころまでカキは苦手だったのだが、倉敷のあるホテルでカキフライを食べてから苦手意識がなくなった。その倉敷のカキが広島産のカキだったかどうかは記憶に無いが、「本場に近い=美味しい」という単純な図式で苦手意識
が消えたのだから全く、いいかげんなものだ。もっとも、そのホテルが駅から遠くて大変な距離を歩いて、腹ぺこだったという要因も大きかったのではないかと今にして思う。ともあれ、ここでもカキフライを頼んでみた。他の方々は牛タンもついたセットにしていた。そうだ、今回は牛タンを食べていないのだった。次回は牛タンも食べる設定にしたい。それでカキフライだが、衣がちと厚くくどさがないでもないが、パリパリで食感は良好、カキは軟らかく風味が濃厚で楽しめた。タルタルソースもいいが、しょうゆ数滴でもなかなかのものだ。皆、少々疲れたのかあまり口数は多くなかった。
後は帰るのみである。私は荷物は積んでしまっているが、他の方々はHA君宅に置いているのでとにかく一旦戻る必要がある。昨夜通った45号線を再び走るが、昨日以上に眠い行程であった。HA君宅に着いて、マンション前に駐車し、皆が荷物を持ってくるのを待っていた。HA君はこれから東北大に行って業務の続きだそうで、忙しい中我々にお付き合いいただいて恐縮だ。彼としても気分転換にはなっただろうと思う。さて、帰りの同行者はCK・KK夫妻、MY君になる。ここから400km程度、連休最終日なので混むことは確実だ。東北自動車道に乗って、しばらく走っているうちに、渋滞情報を入手しておきたい。MY君がなんとノートパソコンを持っていて、PHSでインターネットに接続してみることにする。これが案外繋がるもので、車を90km/h以下で走らせると安定してブラウズすることが出来た。それにしてもMY君は準備が良い。常磐自動車道の方が空いているので、常磐回りとする。80km以上遠回りだが、渋滞するよりはマシだ。先を行っているSTさんの車もそちら回りになるようだ。結局、常磐自動車道で9kmくらい遅い区間があったがその後は順調で、途中1回休憩のみで首都高も順調そのもの、戸越まで直行してフォルクスに入って夕食とした。スープバーとサラダバーを2回お代わりして、料理もきっちり食べて、満足だ。CK・KK夫妻は近くに住んでいるので、2人を送り、MY君を鶴見に送って、帰ってきた。荷物が多くて、駐車場から自室に向かうのが一番きつかった。でも、楽しい3日間であった。
終わり
★カメラ関係の話
10/10に新しく発売になったオリンパスのデジタル一眼レフ、E-1を持参した。レンズはズイコーデジタル14-54mmF2.8-3.5(35mmフィルムのフルサイズ換算で28-108mm)。天候が良くなく、このカメラの防滴性能をいきなり試すことになるのではないかと懸念したが、幸い登山中は濡れなかった。松島ではいくらか濡れたが、問題はなかった。カメラは外観が立派で、いささか大きいのだがホールドは安定しシャッターが静かなので使っていて気分が良かった。山で持ち歩いても何とかなる重さである。厳密な解像感はないが、色が良くて気に入っている。銀塩はフォクトレンダーのペルケオEだが、これは初日に雨が降りそうだったので登山には使わず、翌日の松島も使わないままになってしまった。蛇腹カメラを濡らすのは特に怖いのだ。また、フジのFinepix
F700も持っていったが、これは宴会中に動画撮影をしただけでスティル撮影はしていないから、今回の旅行記には全く関係ない。
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