E-M1mk3

 このカメラは、E-M1Xで実現された機能の一部を追加した、E-M1系統の完成版と言って良いのではないだろうか。レスポンスがよく、手持ちハイレゾショットが実装され、撮影範囲がより広がったと思う。
 外観はmk2とほぼ同じだが、ほんの少し大きくなっているらしく、mk2用の社外L型プレートを装着
すると横方向で干渉することがあるとのこと。私はそういうプレートは使わないので気付かなかった。底面は同じでバッテリーグリップはmk2と共用でき、こういう継続性はありがたい。
 新たに追加されたマルチセレクター(ジョイスティック的なもの)は少し固めで慣れが必要である。私は元々あまりフォーカスポイントを移動させないのでこれはほぼ使っていない。
 新たな機能のうち、手持ちハイレゾショットは完全に実用になる。風景写真がより楽しくなった。星空AFも、きっちりピントが合っていて素晴らしい機能だと思った。
 今後いろいろ試していきたい。

●単焦点レンズ

M.ZD 8mmF1.8 fisheye

 mk2から継続して、歪曲収差を補正して通常の超広角レンズ的な画像を保存するモードがあり、5.5mm(対角123度)、7mm(対角114度)、9mm(対角100度)相当の画像が得られる。しかも画質劣化はほとんど感じられず実用になる。このカメラでも活躍するだろう。
 
M.ZD 12mmF2
 小型にまとまった広角の大口径レンズ。
 
Summilux 15mmF1.7
 パナソニック側でラインナップされているライカのシリーズの広角レンズ。絞りリングは無効なのでどの位置にあっても良い。安定して良い画質であり、小型で使いやすい。
 
M.ZD 17mmF1.8
 使いやすい画角の大口径広角レンズ。
 
M.ZD 17mmF2.8
 初期からあるパンケーキ型広角レンズ。
 
M.ZD 20mmF1.4 PRO
 小型軽量のPROシリーズ、というものが公式にあるのかは分からないが、12-45mmF4に続いて、単焦点の大口径ながらF1.2シリーズより大幅に小さくなったレンズの第1弾として世に出た。最初のOM SYSTEM銘のレンズでもある。目論見通り大変小型で取り回しの良いサイズになっている。フードは12-45mmF4と同じものだが、レンズが小型なのでこれはもう少し短いバージョンも設定して欲しい。というのも、花形フードは長さがあるので、せっかくの小型感がそがれ、カメラバッグ内での収まりも悪くなるので。
 描写は素晴らしい。解像のよさとボケの素直さが両立していて、普段使いに最適だ。これと8-25mmF4を組合せれば自分の撮影対象はほとんどカバーできる。今までは25mmF1.2と12-100mmF4の組合せが多かったが、今後悩むことになりそうだ。
 
G 20mmF1.7 II
 パナソニック側で初期からあるレンズの改良版。フォーカスは遅いが、画質は良く、気に入っている。
 
M.ZD 25mmF1.2 PRO
 夜間撮影用の標準画角として導入。これと12-100mmF4があれば他は要らないように思ってしまうほど便利。レンズの明るさとボディ側の強力な手振れ補正があるので、撮影可能な領域が大変広い。
 
M.ZD 25mmF1.8
 小型にまとまった標準レンズで、画質もたいへんシャープである。
 
M.ZD 30mmF3.5 macro
 中庸画角のマクロ。シャープで良く写る。防塵防滴でないのが惜しい。深度合成の写真もここにアップする。
 
M.ZD 45mmF1.8
 小型の中望遠レンズ。少し最短撮影距離が遠いのが気になるが、画質は良い。
 
M.ZD 60mmF2.8 macro
 望遠マクロ。ワーキングディスタンスが確保できるので、被写体に影がかかったり、逃げられたりするのを防止できる。
 
M.ZD 75mmF1.8
 きわめてシャープで写りの良い望遠レンズ。従来の35mm判一眼レフの単焦点レンズの画角ではなじみのない系統だが、使ってみると面白い。ペンタックスがかつて150mmF3.5をラインナップしていて、自分も持っていたからイメージは掴みやすかった。
         
Reflex 300mm F6.3 MF macro
 トキナーの反射望遠。コントラストは低く、どんよりした感じもあるが、後処理でのかすみ除去やコントラスト調整で相応に処理できる。
 
●ズームレンズ

M.ZD 8-25mmF4 PRO
 まだ入手していないが、9-18mmを使っていて防塵防滴をメーカーに要望し続けていたので、それが実現された上に撮影レンジも広がったこのレンズは手に入れようと決めていた。発売の翌週に注文したら3週間ほど入荷待ちとなった。21年7月下旬の状況では1ヶ月半待ちという店もあるようだ。
 描写は極めてシャープで、見栄えの良いコントラストがあり、色がきれいに出る。また、予想通り対角107-47度という激しく画角の変わるズームレンジは広角側メインのユーザーに取っては非常に便利である。最短撮影距離が全焦点距離において一定で23cmというのも素晴らしい。8mm時にもっともレンズが長くなり、その時撮像面からフード先端まで17cm弱なので、ワーキングディスタンスは6cmほどということになる(実際にはもう少し近寄れるようだ)。
 9-18mmにPLフィルターをよく使っていてフィルター交換が煩わしいことから、ケンコーのバヨネット交換式のフィルターを導入したところ、PLフィルターでは四隅がわずかにケられているようである。手振れ補正が大きく効いたときには特定の角が明確に黒くなるので要注意だ。
         
M.ZD 9-18mmF4-5.6
 現行品では外観デザインが唯一初期型(というのか?)のものである。画質は非常に良い。防塵防滴化のモデルを出してくれると嬉しいが、このモデルのリニューアルではなく超広角領域のF4のPROグレードでも良いかなあ、なんて妄想している(21年6月に8-25mmF4 PROでそれが実現した)。このモデルは常に旅行には持って行っていて、PLフィルターと組み合わせて使うことが多い。
         
         
M.ZD 12-40mmF2.8 PRO
 このレンズはマイクロ4/3ならではの特徴を持っていると思う。F2.8のズームでこれほど小さく、画角範囲の広いレンズは他にはない。しかも安い。E-M5系統やPen系統には少し大柄であるが、E-M1系統ならベストバランスだ。画質も良い。
 
M.ZD 12-45mmF4 PRO
 小型軽量を売りにしているシステムの中で、ひときわ小型軽量を実現したPROグレードレンズ。写りがよく、最短撮影距離が短くてハンドリングが良い。E-M1mk2では12-100mmとの組み合わせが多かったが、mk3ではもっぱらこの12-45mmがセットになってしまった。
 
M.ZD 12-50mmF3.5-6.3 EZ
 E-M5が出るころに発売されたレンズで、ズームリングが通常のマニュアルモード、電動ズームモード、マクロモード(43mmに固定される)の3種類に切り替えられる。望遠端の開放F値が暗いのはマイナスだが、動画を撮るならこの滑らかな電動ズームは助けになるだろう。また、電動ズームは寒冷地で厚い手袋しているときの操作にも適している。マクロモードは中望遠相当でなかなか使いやすい。その後出た単焦点(30、60mm)マクロの中間でもあり、存在意義はまだある。防塵防滴。
 
M.ZD 12-100mmF4 PRO
 PROグレードの高倍率ズーム。これもマイクロ4/3の特徴を活かしたレンズだと思う。抜群の解像度と画角レンジの広さが素晴らしい。マイナス点としては、レンズの長さが長く、フィルター部や窓ガラスについた汚れやホコリにピントが合ってしまうことがあること。最短撮影距離は撮像面からの距離なので、レンズが長いとワーキングディスタンスが近いのにピントが合ってしまう現象が起こる。
 
M.ZD 14-150mmF4-5.6 II
 高倍率ズームをコーティングの改良と防塵防滴化でリニューアルしたもので、良く写り、コンパクトである。12-100mmF4が出てからは出番が減っていることは否めないが、たまに使うとその良さを再認識できる。
         
M.ZD 40-150mmF2.8 PRO
 きわめてシャープな望遠ズーム。画角とF値を考えればたいへんコンパクトに出来ていて操作性も良い。テレコン1.4、2.0それぞれを装着した作例もこの中に含める。また一部はデジタルテレコンも使用している。
 
その他のレンズ

 PenF用やライカマウントレンズなどを掲載する予定。ただ、E-M1mk2以降、あまりアダプターを使って撮らなくなったので、アップデートは少ない見込み。

G.Zuiko 25mmF2.8 (PenFマウント)
 PenFマウントの広角レンズで、コントラストが良く見栄えの良い画像が得られる。m4/3では標準レンズになるが、小柄なレンズであり取り回しが良く、よく持ち出している。
 
G.Zuiko 55mmF1.2 (OMマウント)
 OMシステム初期の大口径標準レンズであり、絞り開放付近では少しソフトな描写だ。1段も絞ると急激に画質が締まってくる。
         
E.Zuiko 150mmF4 (PenFマウント)
 コンパクトで細身な望遠レンズ。絞り開放からよく写り、超望遠領域ではあるが取り回しは良い。
 
E.Zuiko 250mmF5 (PenFマウント)
 PenFでは自動絞りが使えずプリセット絞りが少々不便なのであるが、m4/3であれば先に絞っていてもファインダー像は暗くならず比較的使いやすい。もっとも、画角的には超望遠の域なので、構図の維持やピント合わせにはそれなりに苦労する。