SIGMA fp・ライカ系、その他のレンズ


 ライカのスクリューマウント、Mマウントに準拠したレンズと、フォクトレンダーのプロミネントの50mmレンズをマウントアダプターでライカマウントに変換したもの、他のカメラのレンズをライカマウントに換装したものをここにアップする。
 種類が多いので、まずは実用になりそうなものを優先し更新して行く。


Canon 25mmF3.5 (ライカスクリューマウント)
 トポゴン型のレンズのフィルム側に、収差補正用の平面ガラスが置かれているという変わった設計のレンズ。レンズのガラス部分が小さく、撮像面への光の角度が寝てしまうので周辺画質はあまり期待できないと思っていたら、意外に良さそうである。作例1-4では、買ったときついていたワルツ製フィルターの枠でケられているため四隅が暗い。
 
GR 28mmF2.8 (ライカスクリューマウント)
 総評のページに書いた通り、周辺の色付きや解像の悪さが目立ってしまう。対象型広角レンズの撮像素子への入射角ではこれはどうしようもない。周辺光量落ちはF4で少し改善するが、それ以降絞ってもあまり変わらない。とりあえず掲載するが、やはりフィルムで使うべきレンズだと思う。
         
ズマロン Summaron 28mmF5.6 (ライカスクリューマウント)
 GR28mmと同じく、周辺の色付きが目立つ。こちらは1段ごとに光量落ちは改善していくが、通常使用に耐えられるものではないと思う、と書いたが、割り切って考えれば案外使えると思い直し、最近また持ち出している。近接ヘリコイドつきアダプターによって、本来このレンズが使われていなかった領域の撮影も可能になっているし、暗いF値でも感度オートに助けられて撮影は案外、楽なのである。
 
キヤノン Canon 35mmF1.5 (ライカスクリューマウント)
 国産ライカスクリューマウントにおける広角大口径レンズといえばこれだろう。大口径、広角、とオールドレンズをデジタルカメラで使うにはハードルが高そうな条件だが、その実、写りは予想以上に良い。コントラストの低さや点光源の写りは時代なりであるが、実用になりそうである。
 ライカスクリューマウントゆえに距離計連動制約から1mまでしか繰り出せないのが惜しい。ヘリコイド付きアダプターを入手したので、今後はそちらを使う。
 
ノクトン Nokton 35mmF1.5 (コシナフォクトレンダーVMマウント)
 22年11月に出た新しいレンズである。絞り開放から像のコントラストがすっきりしていてシャープだ。周辺の着色は少し目立ち、絞ってもあまり改善しない。
         
ズミクロン Summicron 35mmF2 (ライカMマウント)
 小型でまとまった外形、無限遠ストッパーの作りなど非常に人気の高いレンズである。ライカのMボディとの相性が良いが、fpのマウント口径からすると少々不格好な感じになるのは仕方がない。写りは安定していて、実用になる。
 
キヤノン Canon 35mmF2.8 (ライカスクリューマウント)
 キヤノンのライカスクリューマウントでは定番のレンズ。周辺の解像はあまり良くなく、少し緑色の着色があるが、少し絞れば改善しF5.6以降は概ね均質で良い画質になる。小型なので、マウントアダプターの中央部にちょこんと乗るような感じで、カメラから見ると少々不格好ではあるが、実用になる組み合わせである。
         
コムラー W-Komura 35mmF2.8 (ライカスクリューマウント)
 三協光機のライカスクリューマウントレンズ。私の持っている個体はおそらく片ボケがあり左右均質な画質は絞り込まないと得られないので、その点は本来の状態でないことを書いておく。絞り開放での周辺光量落ちが目立つが、F8くらいまで絞れば十分使える画質である。小型のレンズであり、持ち出しやすい。
 
ノクトン Nokton 40mmF1.2 (コシナフォクトレンダーVMマウント)
 最新の設計であり、フィルムでもデジタルでも写りが良いレンズである。周辺光量低下はあるが、少し絞れば風景にも良い。コシナがライカLマウントアライアンスに参加してくれたらマウントアダプターを経由せず撮影に専念できるのだが。
 
ノクトン Nokton 50mmF1.1 (コシナフォクトレンダーVMマウント)
 既に生産中止になっている。最近、50mmF1.2が発売になり、設計世代的にもそちらの方が良いのだろう。このF1.1も、絞り開放でのパープルフリンジやコントラストの低さはあるが、実用にはなる。
 
キヤノン Canon 50mmF1.2 (ライカスクリューマウント)
 キヤノンのライカスクリューマウントでは最大の口径である(F0.95は外爪バヨネット)。絞り開放では全体にコントラストは低くボケも少し癖があるが、ピント面はシャープである。予想していたよりはずっとよく写っていて感心した。難点を言うなら大きいことだが、これは物理的に仕方がない。
 
キヤノン Canon 50mmF1.4 (ライカスクリューマウント)
 大口径と外形のバランスではこのレンズが一番良いのではなかろうか。絞り開放でのコントラストや周辺光量など気になる項目はあるが、使ってみるとけっこう実用になる。
 
ノクトン Nokton 50mmF1.5 (フォクトレンダー プロミネント用)
 フィルムでの特性と同じく、開放付近ではコントラストが低くボケも特徴的、周辺光量落ちも目立つ。
 
ズマリット Summarit 50mmF1.5 (ライカスクリューマウント)
 絞り開放ではピントの合ったところの周りに少しもやっとしたものがまとわりつくが、1段も絞ると急激に締まって来る。F2.8にもなれば普通にきっちりした像になる。曇っている個体が多いので、人によって評価は別れるだろう。
 
C ゾナー Sonnar 50mmF1.5 (コシナツァイスZMマウント)
 フィルムでもものすごくシャープなレンズ、というわけではなく周辺に甘さもあるが、デジタルでも同様だ。色合いはニュートラルで新しいレンズという感じはある。周辺の色付きは絞っても残る。
 
ジュピター Jupiter 50mmF1.5 (ライカスクリューマウント)
 67年製のソ連時代のレンズである。全体に均質にするにはF2.8程度に絞る方が良いが、開放でも中心部はシャープでかなり実用になる。周辺の色付きは気にならず、設計世代を考えれば凄く優秀だと思う。
         
キヤノン Canon 50mmF1.5 (ライカスクリューマウント)
 絞り開放〜F2まではもやっとしたものがまとわりつく。F2.8くらいで急激に締まってくる。周辺光量落ちはあるが、色付きはあまりなく、小柄で短い鏡胴も相俟って使いやすいレンズである。
         
ヘキサノン Hexanon 50mmF1.9 (ライカスクリューマウント)
 周辺の色付きはほとんど感じられない。絞り開放からシャープで、ボケも良好で優秀なレンズだ。
         
ズマ―ル Summar 50mmF2 (ライカスクリューマウント)
 所謂「山崎磨き」を経ていて、コーティングもついていることもあって、像のコントラストはあり、実用的。ボケ像はもちろんぐるぐるになるので、その個性を楽しみたい。
 
ズミター Summitar 50mmF2 (ライカスクリューマウント)
 六角形の絞り、コーティングありの戦後のモデル。絞り開放では周辺画質が怪しいが少し絞ると均質になる。ボケはあまりきれいではない。F5.6以上では現代のレンズと比べても遜色なくシャープできれいな像が得られる。
         
Light Lens Lab V2LC 50mmF2 (ライカスMマウント)
 米軍用のライカ、KE-7AとセットになったELCAN 50mmF2を復刻したレンズで、ラボ設立者の名前から"周ELCAN"と通称されている。4群4枚で開放F2ということもあってか、絞り開放からF4までは周辺にもやっとしたものが残り、時代を感じる(中心部はシャープに写る)。フィルムではそこまでひどくはないので、撮像素子との相性ということだろう。
         
スーパーロッコール Super Rokkor 50mmF2 (ライカスクリューマウント)
 絞り開放では周辺光量落ちが目立つが、少し絞れば均一になる。ボケ味はうるさい感じだ。
         
ジュピター Jupiter 50mmF2 (ライカスクリューマウント)
 56年製の古いレンズである。中心部付近は絞り開放から実用になる解像であり、なかなか優秀だ。周辺の色付きもさほど目立たない。
         
フジノン Fujinon 50mmF2 (ライカスクリューマウント)
 絞り開放から実用になる。フィルムで使っていて良いレンズであることは分かっていたが、デジタルでも良いレンズだ。
 
オーナー Honor 50mmF2 (ライカスクリューマウント)
 少量しか作られず、来歴もはっきりと分かっていないレンズである。小柄に出来ていて、写りは良い。逆光ではゴーストが出るが、これはデジタルカメラなら手をかざすなりで対応できるのでレンジファインダー機よりも使い勝手は良い。
         
ニッコール Nikkor-H・C 50mmF2 (ライカスクリューマウント)
 約45cmまで近接できるレンズで、距離計連動機だと1mまでしかピントが合わせられないが、ミラーレス時代になり撮像面でピントが確認できるとなると、結果的に使いやすいレンズになったわけだ。絞り開放では少しもわっとしているのと、周辺のボケ像が乱れるのが独特で、点光源のボケ像はクラゲのような形になる。
         
フジノン Fujinon 50mmF2.8 (ライカスクリューマウント)
 わずかに周辺の色付きがあるが実用になる。絞ればきりっとしたピントが得られ、色も良い。近接ヘリコイド内蔵アダプターを使って最短撮影距離1mよりも近接しても、像の悪化は少なくシャープだ。
 
ヘリア Heliar 75mmF1.8 (コシナフォクトレンダーVMマウント)
 ボケ像の好ましいレンズで、デジタルでも実用になる。
 
クルミナー Culminar 85mmF2.8 (ライカスクリューマウント)
 全般に白っぽく、甘目の画像になる。少し曇りがあるのかも。
 
トラベナー Travenar 85mmF2.8 (ライカスクリューマウント)
 絞り開放からシャープな解像で、周辺色付きもなく優秀だ。ボケ像もきれいだ。他社に比べると後発メーカーではあるが、良いレンズである。小型で使い勝手も良い。
         
アポランター Apo-Lanthar 90mmF3.5 (コシナフォクトレンダースクリューマウント)
 このレンズはあまり入射角の問題はなさそうで、しっかりとした画像になる。
 
エルマー Elmar 90mmF4 (ライカスクリューマウント)
 第3世代のさらに後期、トリプレット型が出る直前と思われ、コーティングはアンバー系、レンズの銘板も文字が大きいバージョンになっている。絞り開放からくっきりとして画面全体が均一な画質である。
         
キヤノン Canon 100mmF3.5 (ライカスクリューマウント)
 くっきりとした画像が得られる。まだあまり試していないので、今後増やしていく。
 
コムラー Komura 105mmF2 (ライカスクリューマウント)
 大口径中望遠レンズであり、レンジファインダー機では近接でのピントを外しやすいが、ミラーレスデジタルカメラで撮るならピントは正確で、歩留が良い。
         
コムラー Komura- 105mmF3.5 (ライカスクリューマウント)
 開放F値を抑えて小柄にまとまったレンズだ。3枚構成ということでバブルボケを期待する人もいるようだが、あまりバブルボケ傾向はない。ピントはシャープで、最短撮影距離も短いので使い勝手が良い。
         
クルミナー Culminar 135mmF4.5 (ライカスクリューマウント)
 テレタイプ設計ではないのでレンズ全長が長く、いかにも昔風のいでたち。fpが横方向に小さいので、カメラに装着してのバランスは少々良くないが、予想よりは実用になっている気がする。