中判のSLRには興味がなかった。大きく、ゴロッとしていて持ちにくそうだし、作動音がうるさく、ミラーショックが大きいからだ。しかし、フォールディングカメラで撮っているうちに、興味が湧いてきてしまったのだ。元々カメラが好きなのだから、これは当然の成り行きであろう。その中でもマミヤのMFを選ぶというのは、このデジタル・オートフォーカス全盛時代にあっては時代遅れもいいところだろうが、一応自分なりの考えもある。第一には、パーツ脱着式で、自由度があり小さくもなること。ペンタックス645は一体型だから常に電動巻き上げで、フィルムは撮り切るまでは替えられない。その点、マミヤは手巻きでもいいし、フィルム部が分離するから場面でフィルムは切替えられる。ファインダーもいろいろ選べるので、AEが必須でなければ軽量なセットもできる。次いで、レンズが中古市場に豊富にあり、安価であること。MF系は今後縮小の方向であるのは間違いなく、それを感じ取っての市場状況であろう。でも、市場の在庫も多いし、まだまだ使えるはずだ。最後に、フランジバックが短いこと。他社製のレンズがアダプタ経由で楽しめるのだ。とはいえ、これはペンタックス645でも大差はない。
...とまあ、どうせ後付けの理由なんだが、カメラ好きにも一応、背景説明は必要なのである。今後の拡充については、そもそも中判のレンズシステムというのが35mm判ほど種類は多くはないので、そんなに買い揃えることはないだろう。ボディは645Proで、現行モデルのProTLの一つ前だ。このモデル間の大きな差はフラッシュのTTL調光の有無だから、基本的に風景用として考えている私にはTLなしモデルで問題ない。ファインダーはAEプリズムファインダーであるが、そのうち散歩用にウェイストレヴェルも欲しいところ。
さて、カメラの使用感などだが、6×6判のSLRに比べれば多少小さいものの、中判SLRらしく、大きく重い。操作性はなかなか練られている。取扱説明書がなくとも、だいたいのところは理解できる。フィルム前の引き蓋などはフールプルーフが効いており、蓋を抜かないとシャッターは切れないし、蓋を入れないとフィルムバックは外せない、等の機構連動がなされている。ファインダーは標準的かと思う。視野率が94%というのは少々小さめか。35mm判に比べると画角のわりに焦点距離が大きいから、フォーカスは合わせ易い。シャッター自体はそれほどうるさくもないが、ミラーの作動音はやはり大きい。クワッシャン、という感じの音がする。ワインダーを付けると肥大化し、気軽に持ち出せない姿になるし、作動音もさらに大きくなるが、カメラの保持は安定する。
外観はプラスチックを使った曲面の多いデザインで、最近のカメラっぽい感じはある。表面の仕上げがつるつるになりやすく、触ると手の脂が目立つのはマイナス点といえよう。ま、こういうカメラは、磨いて飾ったりするカメラではあるまい。
ボディが故障したのを機に、機材一式を整理し既に手元にはない。
★マミヤ純正レンズ
35mm判より一回り大きいレンズだが、中望遠くらいまでは取り回しもよく、使いやすいレンズが多い。
マミヤセコールC 35mmF3.5N (35mm判で22mm相当)
このシリーズでは、魚眼を除き最も広い画角のレンズだ。ボケ方がなだらかなせいか、マット面でのピント合わせは難しいのだが、撮影結果は歩留まりもよく、気に入っている。 |
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マミヤセコールC 55mmF2.8N (35mm判で34mm相当)
コンパクトな広角レンズ。使いやすい画角で、口径比もF2.8と明るいからピント合わせもしやすい。ここらへんの画角が私にとって一番性に合っているようで、よく使った。 |
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マミヤセコールC 80mmF1.9N (35mm判で50mm相当)
現在はラインナップから落ちてしまっている大口径レンズ。開放付近では少し軟らかい画調で、ボケも良好だ。口径の割には小さくまとまっていて使いやすいレンズだと思う。最短撮影距離は70cmで、遠い感じがする。なお、コンパクトなF2.8レンズは最後までラインナップされていた。 |
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マミヤセコールC 80mmF2.8N (35mm判で50mm相当)
まったく使用跡のない新品同様の状態で、9千円だった。最近、中判SLR用レンズの価格下落が激しい。写りは上々だ。コンパクトで使いやすく、ボケもきれいだ。 |
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マミヤセコールC 110mmF2.8N (35mm判で68mm相当)
あるとき、飲みに行ったついでにカメラ屋に寄ってみたらあったのでさくっと買ってしまった。中望遠にしては少し短めで、実際、カタログでは標準レンズのグループに分類されている。中途半端であったためか、すぐにラインナップから落ちたようで、市場にはあまり出回っていない。とはいえそれで価格が上がるわけでもなく、1万円台という安い値札がついていた。 |
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マミヤセコールC 150mmF3.5N (35mm判で93mm相当)
小型にまとまった中望遠レンズだ。同じ焦点距離でF2.8もあり、そちらの方が評判は良いようだが、こちらの小型さも捨てがたいと思う。人気がないのか、わずか9千円で手に入れた。写りは十分にシャープであるが、最短撮影距離が1.5mと、中望遠にしては遠い。組み込みのフードは短いが、レンズ性能は十分あって問題ないと思う。 |
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マミヤA 200mmF2.8 APO (35mm判で125mm相当)
最近、マミヤ645のレンズは非常に安い。希望小売価格で17万円以上するこのレンズ、ほとんど未使用状態の中古で5万円だった。あまりに安いのも、ちょっと寂しいものである。写りはすばらしい。 |
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★ペンタコン6マウント
マウントアダプターを使用する際は、絞りが連動しないので、絞り値連動ピンをMamiyaの一つ目の"a"の位置にしておく必要がある。このピンは、使用しているときやカメラバッグの中に入れているときに不用意に動いたりはしないから安心だ。あとは、実絞りでAE撮影ができる。
ビオメターBiometar 120mmF2.8 (カール・ツァイス・イエナ ペンタコン6用 35mm判で75mm相当)
大柄なレンズだ。一番有名なのは80mmだろうが、まずはこれを買ってみた。厳密に見ると、絞り開放では周辺にコマ収差が目立つ。一段絞るとすっきりする。中央部は開放からシャープで良い。 |
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