Super Baldax

 蛇腹折り畳み式の6×6判カメラは既にフォクトレンダーのペルケオを持っているが、このカメラは連動距離計、巻き止め機構、二重露光防止機構を備えた上で、たいへん小型にまとまっているのが特徴だ(シャッターのチャージだけは連動しない)。小型のボディではあるが、レンズが80mmF2.8やF2.9という口径のものを収めるためレンズシャッターユニットも大型であり、そうした相反する内容を上手くまとめているのが興味深い。レンズは複数のバリエーションがあり、エンナのエンニットが4枚構成のF2.8で、他の種類はF2.9の3枚玉(シュナイダーのラディオナーやバルダの自ブランドのバルターなど)である。3枚玉の方をよく見かけると思う。自分が持っているのはバルターつきで、やはり3枚玉とあって周辺画質は良くなく、シーンを選んで撮るようにしている。
 巻き止め機構はフルオートマットでもスタートマーク式でもなく、最初の1コマ目までは赤窓を見て進める必要がある。1枚目を撮った後の巻き上げは、巻き上げの反対方向に止まるまで回し、そこから巻き上げると自動でコマ間が決まる。この巻き上げは少し送りが少なくコマ間が狭くなるので、巻き止めが効いた後で小刻み巻き上げ(フィルムカウンターなどには影響しない)を行って微調整することも可能だ。慣れないうちは、(本来の巻き止めの意味はないが)赤窓を見ながら微調整の「角度」を体感すれば、次回以降は赤窓を開けずに微調整が可能になると思う。
 シャッターは、私の持っている機種では倍数系列のプロンターで、LV式の絞りとシャッター速度を連動させるやり方と、絞りとシャッター速度をそれぞれ独立して自由に変えられるような切り替えのレバーがついていて使いやすい。シャッター音は少し大きいが、これは本来の状態であるかどうかが分からないので評価は保留にしておく。

 他の機種も揃えようとしているわけではない(一応...)が、もし増えることがあればレンズごとに分類して行く。

バルター Baltar 80mmF2.9付き

 バルダ社自身のブランド。コーティングが薄く、逆光に弱そうだが案外大丈夫なところもあって不思議なレンズだ。絞り開放では周辺は流れて結像しない部分があるが、中央部はシャープである。F11以降はほぼ全面でシャープに写る。