Voigtländer Bessa II | |||||
中判をやってみようと思っていきなりこれを買うというのはなかなかとんでもないことかもしれない。黒部に観光に行くとき、カラーヘリア付きベッサIIを買ったのだ。F8くらいに絞って撮る分には、風景もばっちりのレンズであるが、残念ながら開放付近はかなりもやもやの描写であった。 ベッサシリーズはフィルム圧板がゆるいので、フィルムに巻き癖が強いと平面性が悪くなるようだ(そもそも裏紙がある時点で平面性は厳しいのであるが)。特に、蓋を開け蛇腹を開く際の負圧でフィルムが浮く可能性があるので、ゆっくりと蓋を開け、撮る直前に巻き上げるようにしている。さらに、二重露光防止の機構がないので、フィルムを送らずともシャッターはいくらでも切れてしまう。よって、自分の場合は巻き上げの後に、露出を決めてシャッターのチャージをという手順を決めているが、初期の頃には何枚も無駄にした。フィルム1本で8枚しか撮れないので、失敗時のダメージが大きい。メモ帳を持ち、撮る度に撮影条件を記録する、ということを徹底するのも二重露光防止にはある程度役立つだろう。必ず記録する、というのも忘れたら防止手段にはならないが、とにかく8枚しか撮れないから慌てても仕方なく、ゆっくりやるしかないと思う。 他に使っていてやりにくいと思ったことは、三脚への装着である。三脚穴がボディの端っこにあるので、三脚に固定した時にぐらぐらするのだ。古いカメラの三脚穴はそういう位置にあることは多いが、このカメラは横方向に長い上に三脚穴周辺の平らな部分が少なく、ぶれがちである。そこで、カメラを2台載せるためのバーを使って左右2箇所の三脚穴で固定し、三脚への固定はバーの中央のねじ穴を使うというやり方で対策している。 後年、ヘリア付きは手放し、代わりにアポランター付きを購入した。清水の舞台から、という言葉を意識したのはこれが初めてであった。そのアポランター付きも既に手元を離れ、今はカラースコパー付きを使っている。大画面が得られる一方で大きく重いボディを持ち歩くのはなかなか大変だし、8枚撮りゆえフィルム本数が多くなるから旅行に持って行くかどうかはいつも悩みがちで、年齢を重ねてくるとまあペルケオでもいいか、と妥協することが多くなってしまい、近年出番が減っている。フォーマットが違うからその妥協はおかしいのであるが.. 6×9に限らないが昔の中判用のレンズは、今の35mm判用(や、マミヤ7シリーズなどの新しい中判)ほどキリキリしたピントは来ない。フィルムをルーペで見ている限り、それほど解像感がないと思うのだが、これが半切まで伸ばしても全然変わらないのが不思議だ。やはりフィルム面積による情報量の差は大きい。 |
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アポランター Apo-Lanthar 105mmF4.5 * シリーズ最高級モデルである。97年に入手し99年のノルウェー・チェコ旅行にも持って行ったりしていたが、09年4-5月のヨーロッパ旅行(24日間)の資金として手放してしまった。22年現在、海外では100万円どころか、ものによっては200万円を超える価格で売られており、驚くばかりである。 アポクロマート仕様で、色がきれいに出てシャープさもあり、風景写真によく使っていた。既に手元にないので新たな作例追加は過去のフィルムで良さそうなものを見つけたら、ということになる。 |
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カラーヘリア Color-Heliar 105mmF3.5 * 最初に手に入れたモデルだ。3群5枚構成のヘリアが搭載されている。上に書いた通り、黒部へ行くときにほぼ衝動的に入手した。その後、96年のハワイ旅行などでも使っている。早期に手放してしまったのであまり本数は撮っていない。当時のフィルム見つかったので、スキャンしてアップする。 ほとんどが遠景を絞って撮っているため絞り開放付近や近景の作例がない。絞り開放付近ではもやっとした描写で、F8以上に絞って遠景を撮ることが多かった。色はきれいに出る。ベルクハイルで戦前のヘリアも使っているが、やはり色再現は戦後のカラーヘリアの方が良い。 |
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カラースコパー Color-Skopar 105mmF3.5 シリーズでは一番廉価である。遠くの風景を撮るならこのII型でなくI型でも十分ではないかとは思う(I型にもカラースコパー付きがある)。II型は距離計つきのファインダーではあるが、倍率が低く105mmレンズで1m近辺のピント合わせをするには厳しい。自然と、遠くを絞って撮ることが多い。 3群4枚のレンズで、ピントはシャープだし色も良い。 |
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