07年7月中旬
マレーシア出張(1)
第1日 第2・3日
第2・3日 07年7月19日-20日

予定時刻に起床したはずだがまた寝てしまう。7時半に起き、慌てて21階のエグゼクティヴクラブへ。宿泊料金(約1万円相当)に含まれる朝食はここで食べるのだが、行ってみてびっくり、「クラブ」の名のとおり、ソファが並んでいる部屋だった。これと、低い位置にあるテーブルでの朝食は非常に食べにくい。食事はビュッフェスタイルだ。しかし時間がないから目に付いたクロワッサンとスモークサーモン、オレンジジュースになぜかチャーハンを取って席に着く。残念ながらあまり美味しくなかった。次に来るときは有料でもいいからレストランにしよう。
早々に切り上げ、8時を少し回ったところで出発。今日は会議の日だ。昨夜と同じ、現法のエスティマに乗り込む。これから向かうTEMは郊外にあるので、道路は割りと空いているだろうとのこと。それでも数十kmあるから1時間近くはかかる。市内を少し走った後、高速道路に入る。マレーシアの高速道路は有料で、料金所が頻繁に出現する。料金の支払いは、現金と無線式があり、その無線式が2種類(Smart TAGとTouch'n GO)に分かれている。Smart TAGは日本で言うETCで、カードには予め一定額をチャージする必要がある。Touch'n GOはその名の通り、料金所にある装置にカードをかざす方式だ。これは一応停車しなくてはならないし、窓を開ける必要があるから中途半端な感じがあるが、このゲートがけっこうあって利用者も多い。Smart TAGの車載器は邦貨にして3000円程度だそうだから現地の人にとって法外に高いということはなさそうだが。
(後日調べたところ、Smart TAGはTouch'n GOのカードを車載器に差し込むそうだ。地方の高速道でSmart TAGレーンがない場合は、カードを外してTouch'n GOレーンでタッチすれば良いそうだ。これはこれでよく考えられたシステムだと思う)
車はマレーシアの国産車、プロトンが多い。初期は三菱自動車と提携していたようで、元はミラージュと思われる角ばった車もいくつか見られた。しかし今は丸い形の車が多い。以前、タンザニアに行ったときはバブル期に日本で流行ったマークIIあたりが多数走っていたのだが、ここにはそういった日本の中古車はあまりなさそうだ。プロトンやプロドゥアの二大国産メーカのを手厚く保護しているというから、中古を買う必要があまりないのかも知れない。もちろん、ボロボロの車を大事に(?)乗っている人もたくさんいる様子。バイク道
マレーシアの高速道でおもしろいと思ったのは、バイク道があること。側道のような細い道がバイク用の道路だ。さらに他の幹線道路が立体交差するところでは、バイク用の一時停車スペースがある。雨宿りや休憩用のようだ。このバイク道、インターチェンジでは車道と一緒になるので、インターチェンジ直前で強引に合流させられてしまうのがいささか怖いのだが、現地の人はそんなことは気にしていないようだ。ところで、バイクの人はウィンドブレイカーを後ろ前に着ていることが多い。これは突然の雨のとき、体の前にジッパーがあると水がしみこむからわざと後ろ前に着るらしい。でも、昨日の夕立の様子を見るに、この後ろ前作戦も大差はなさそうで、ジッパー以前にすぐにずぶぬれになってしまっているようにも見えたが。高速道で対向車が..
途中、渋滞が発生した。通勤時間帯を逆方向に進んでいるのにおかしいな、と思ったら、前方に対向車の列が。ここ、中央分離帯がある高速道なのである。つまり、都心に向かう車のために、下り(とは言わないだろうが)方面の1車線を規制し、パイロンを立ててそこを「臨時の上り車線」にしているというわけだ。そのために、中央分離帯には切れ目があり、そこに警察の人が立って上り車線の車を下り車線側に誘導していた。それでも都心方面の渋滞は緩和されているようには見えなかった。会社到着
TEMには9時前に到着した。TEMは従業員約1500名の大きな工場だ。すぐ向かい側にはNECの現法があり、つまりここは工業団地なのである。門を入ってすぐ、管理棟がある。社長室で少し懇談。その後本番の打ち合わせに入った。現地の幹部社員はほぼ日本語がOKと聞いていたから、資料の半分は日本語だ。ところが、今日の会議はそれら幹部の部下たちもいるので英語で説明してと言われ、この日本語のパワーポイントを逐次英語にするのはどうすりゃいいんだ、とかなり舞い上がってしまった。別の資料は英語で書いていたので、それはわりとスムーズだったが。次回からの課題だな..
午前の予定会議はかなり延びてしまった。それだけ現法の方々は熱心だったのだ。ありがたいことだと思う。昼食は会社の食堂で食べる。ビュッフェスタイルで自由におかずを取るコーナー(精算は各おかずの1掬いいくら、の単価で計算される)、麺や揚げ物を屋台形式で調理してもらうコーナーがあった。私はビュッフェの方に行く。料理は現地のもので、中にはタコ焼きのようなものもある。どれも美味しそうなのだが、どうやら辛いようだ。香りが既に、辛い。適当に取って、レジに並んだらフォーク・スプーンセットは0.1RMとあった。現地の人は、マレー系、インド系の人は右手で直接食べるからスプーンは有料なのだという。なるほど、食堂を見回すと、確かに右手だけで食べている人は多い。おかずにかかっている汁も食べるために、かなり猫背になって、皿に覆いかぶさるようにして食べている。もちろん左手は不浄だからひざの上にピシっと置いている。そこまで郷に従えないので、私はスプーンをもらった。
食事は予想通り、辛かった。美味しそうだな、とたくさん掬ったのがタイカレーで、これはもう唇はもちろん、食べているときから胃が熱くなるような錯覚がした。でも美味しい。配偶者に鍛えられたのか、こちらの料理も十分食べられそうだ。汗が吹き出てきて、見かねた現法のTさんがマンゴージュースをごちそうしてくれた。感謝。熱帯らしい木々
午後は午前の続き、工程の見学、まとめの会議をして17時すぎに終了した。有意義な会議だったと思う。川崎の事務所に電話したりして国内の仕事をちょっと進めて、18時退出した。また例のエスティマに乗って、会社近くの中華料理屋に行く。川沿いのテラスになっていて、水辺から涼しい風が通ってきて気持ちが良い。聞実は海辺、のレストランくとビールが美味い、これは川ではなく海、とのこと。対岸は島なのだった。





料理の前にまずビール。ピーナツをかじりながらぐいっと飲んでしまった。気分がいい。料理は盛りだくさんで、まずは前菜の盛り合わせ(フォーシーズンズと言っていた)、タロイモのコロッケ、鳥のから揚げ、カニサラダ、エビと野菜の炒め物。タロイモのコロッケは初めて食べた。サトイモのような食感があるが、香りは違っていてなかなか美味しかった。次にソフトシェルクラブのから揚げ。その名の通り柔らかい殻のカニで、身も柔らかくてけっこうなお味。次いでマンゴーフィッシュ。これはそういう魚の名前ではなく、マンゴーの若い実を細く刻んだものが魚のから揚げの上にかけてあるものだ。マンゴーは固めだけど甘い香りが魚とよく合う。そして、青梗菜のにんにく炒め、チャーハンと続いた。
フォーシーズンズ辛〜い薬味ソフトシェルクラブ








マンゴーフィッシュ青梗菜のにんにく炒めチャーハン







最後の締めはもちろんフルーツ。果実の王様、森のチーズと言われるドリアンが登場。いやー、初めてですよ、これはちょっと怖いですよ(根拠なし)。でも、昼食のときも思ったけど、配偶者に鍛えられたのか洗脳されたのか、自分でも意外なのだが東南アジア系の食事にあまり抵抗感がないことに今回気づいた。というわけで、ドリアンも美味しくいただいた。臭いとか、言われるようだが今日のドリアンは高級な品種らしくて、たしかにチーズのようなヌメっとした食感、一瞬乳製品のような香りがするものの、やはり果実らしい芳香もあってこれが良かったのだ。ただ、駐在員によると、これは実際には博打のようなもので、ホントに臭くてどうしようもない、というものに当たってしまうこともあるらしい。今回の料理屋の紹介は「日本語ができるマレー系添乗員」と間違えられたというエピソードの持ち主、TEMのT氏によるもので、当たりのドリアンまで用意できるほど顔が利くということなのだろうか。
ドリアン!普通のフルーツも冗談です..







ところで、昼の食事が辛かったので、胃腸がゴロゴロ言っているようだ..配偶者に感化されても、やっぱり私の胃腸。そこはあまり変わっていないようだ。レストランのトイレに行ったら、一応トイレットペーパーはあるが(ないところもあるらしい。つまり左手で、ってこと)、水は完全手動水洗、つまり大きな桶からすくって流すというやり方。自分の出したものがあふれてきそうでヒヤヒヤした。いや、食べ物の直後にこんな話で恐縮..
楽しく飲み食いして、レストランの前で記念撮影して、空港に向かう。20時を回っていて、空港への道路は空いている。クアラ・ルンプール市内を通らないからということもあるだろう。途中、暗い街中に派手なヒンズー寺院をいくつも見た。マレーシアの人口構成は6割がマレー系、3割がインド系、1割が華僑というから、ヒンズー寺KLIAの出発ターミナル院を見ることは珍しくないのだろう。
帰りの車はさすがに皆疲れていてほとんど寝ていた。空港には21時前に着いた。ビジネスクラスです帰りは2220時のJAL便。成田着は0655時。これは個人のアップグレードチケットを使ってビジネスクラスを予約してある。いくらなんでもエコノミーで夜行便というのはつらい。チェックインのときにラウンジの利用券を渡された。エコノミーに乗る上司にもくれたから、誰でももらえるようだ。出国審査では航空券にもハンコを押された。よく分からないが、記念写真を撮っておく。
出国したら、まずは土産。鞄のストラップが切れているので、どうも手がふさがっているのが気に食わない。複数の店を渡り歩こうという気にならず、お菓子などの店で済ませることにする。ドライマンゴー(帰国後食べたら非常に美味しかった!)、ココナツクッキー、ドリアンチョコ(これは不味かった)、ボー・ティ(マレーシアの高地で栽培される紅茶、これはなかなか良かった)などを買い込む。幸い、鞄のスペースに全て納まった。
ラウンジは、キャセイパシフィックのラウンジを共用しているようだ。入ってみて、その狭さに驚く。しかも、けっこう蒸し暑い。狭いラウンジに、ところどころ大きな荷物が転がっているので非常に歩きにくい。ともあれ暑かったのでスプライトのような炭酸飲料をもらって飲んでいた。空港に居ると知った配偶者からメイルがぽんぽん飛んでくる。受信料・送信料がどうなっているか来月の請求がちと怖い。
しばらくのんびりしていると、ラウンジの係りの人が呼びに来た。来るとき使ったC4スポットから搭乗する。飛行機はB767で、古いようだ。ビジネスクラスは足元が広いのだが、シートは最近宣伝しているフルフラットになるタイプではない。前席の背もたれのポケットに雑誌などが入るタイプだから、大きく倒すとポケットが使えなくなってしまうから、このまま倒れられても困るわけだが。あと気になるのは、肘掛け上面に埋め込まれているオーディオなどのコントロール部。これ、肘がゴリゴリ当たって痛いんですが..こういうのに、設計していて気づかないのだろうか。ちょっとこれは印象悪かった。
ところで、搭乗するとおしぼりとキンキンに冷えたミネラルウォータをくれた。これは非常に嬉しい。これから夜行便だし、顔を拭いて水を飲んでサッパリとした気分になれる。搭乗して飛ぶまでの時間に飲めるのが良い夜食
さて、2人ほど遅れている人を待って、飛び立った。水平になると、夜食が配られる。私の右側の人はアメリカ人らしいのだが、早々に眠っている。この人は結局、ずっと寝ていた。アメリカン航空とのコードシェアだそうだから、さらにアメリカまで飛んだのかも知れない。それで夜食だが、簡単なオードヴルとカップ麺だ。麺はラーメン、うどん、そばの3種。あまり欲しくもないと思っていたが、機内が寒いのでもらうことにした。お酒はボンベイ・サファイアにトニックウォーターをもらう。ボンベイ・サファイアはいつ飲んでも美味しい。体が温まった。
帰りは音楽を聴くよりは寝ているほうがいい。あまり倒れない椅子だがそれでもよく眠った。ビジネスクラスの朝食
朝、日本時間で5時半くらいに食事の準備が始まった。マレーシア時間で言えば4時半だからかなり眠い。盛りだくさんのトレーを寝ぼけ眼で見ていたら、どうも何か足りない。そうだ、パンがない。写真を撮ってからそれに気付き、もらうことにした。食事はまあまあで、特に味付けが日本人向座席、あまりよくなかった..けなのか、塩味が濃い気がする。私は1泊して帰国というスケジュールだから別段ありがたくもないが、久しぶりに帰国する人はなるほどと思うのかも知れない。
あまり記憶がないが、たぶん定刻に成田に着く。ビジネスクラスは先に出られるのが嬉しい。入国審査場が半分しか開いていなくて、ずいぶん遠回りをして入国した。この時間帯に帰国したことがないので静まり返った空港が新鮮だ。
JALが空港のシャワーの無料キャンペーンをしているので、そこに行ってサファイア会員カードを提示して順番待ちをする。繁盛していて、30分ほど待たされた。このシャワー室は30分500円で、ゆっくりできる。なぜか、二十数年前に乗った青函連絡船の7分300円シャワーを思い出した。あれでもありがたく使っていたのだから、30分ってのは贅沢な気がする。
シャワー室を出て、ちょうど来た成田エクスプレスに乗って川崎へ。そのまま、出社した。

終わり

★カメラ関係の話
さすがに出張なので、小型のデジカメがメイン。GR digitalである。専用のワイドコンヴァータはあまり使わなかった。しかしデジカメは離着陸のときに使えない。だからやっぱり銀塩も、ということでライカCLにノクトン40mmF1.4、フィルムはフジのPROVIA400Xで、これは夜行便で飛び立つときも撮ろうと思っていたのだが、残念ながら帰りは通路側だった。もっとも、窓側だとしても空港の近くはパームやしの林だから撮ら(れ)なかっただろう。CLは結局、KLIA到着時にしか使わなかった。



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