Ricoh GRシリーズ

 フィルム時代のGR1から連綿と続くコンパクトながら高品質、というシリーズだ。GR digitalでは他社比較で少し大きい1/1.8型撮像素子が使われていたものの、圧倒的に高画質というわけではなかった。新しいGRシリーズは撮像素子を一気にAPS-Cに大型化し、それでいて外形の大型化はなるべく抑制した形で世に問われ、一定の支持を得ていると思う。同じような立ち位置で他社から出たニコンのクールピクスAやフジフイルムのX70はとうにラインナップから消えて久しく、シグマのdpシリーズも今や半減し0と1が残るのみだが、このシリーズはIIIおよびIIIx(準広角レンズ版)を現行品として販売している。


 固定されている18.3mmF2.8レンズはAPS-C型撮像素子で対角75度の広角レンズ(35mm判で28mm相当)である。GR IIまでは1600万画素で、IIIは2400万画素に変わったが同時にレンズも刷新されてさらに画質が向上した。IIIではカラーモードの「雅」などのモードはなくなり、通常の呼び方のみになってそれぞれの中で彩度などをカスタマイズして下さいというスタンスに変わった。


 操作性はGR digital時代からよく練られていて使いやすい。外観についてもフィルムのGRからの伝統で薄く持ちやすいグリップは健在だが、IIIになって横方向が少し短くなり、外観のバランスはけっこう変わったように感じる。
ファインダーはなく、背面表示か光学式の外付けファインダーを使う必要がある。ここは残念なところで、GR digital時代からずっと熱望しているがおそらく配置させるスペースが無いのだろう、一向にここは実現できていない。EVF内蔵となるとフジフイルムのX100シリーズ並みの高さになるだろうし、そうなったらGRの系統からは外れてしまう、ということなのかも知れない。

 機種ごとに作例ページを分けるのもなんなので、IIとIIIを統合して下記にアップしていく。カメラ内トリミング機能による35mm、47mm相当の画角の作例も含める。



●GR II
GR LENS 18.3mmF2.8 *
 雅や鮮やかモードをブラケティングして撮り、各モードの違いを比べていたりした。カメラは小さくて持ちやすく使いやすい操作性であり、これは良い伝統を受け継いでいると思う。GR III導入時に手放しており、手元には無い。なお、昨年PCを更新した際にリコーペンタックスのソフトであるDigital Camera Utility 5を新しいPCにインストール出来ない状況
(カメラとソフトCDを既に手放していた。リコーのwebからはアップデータのみのDLであり、元ファイルがないと有効にならない)であったため、今となってはエフェクト(雅などの仕上げモード)が読み取れない。よって、基本的にはエフェクトなしか、モノクロを中心にアップする。
 
●GR III GR LENS 18.3mmF2.8
 画素数アップとレンズ刷新により、画質向上が著しい。また、起動時のレンズの動作が機敏になり、よりシャッターチャンスに強いカメラになった。撮像素子シフト方式の手振れ補正が入り、この機構を用いて鏡胴内に入り撮像素子上に乗ったダストも除くという機能が入ったが、リコーは(フィルム時代から)鏡胴周りの出来が今一つで、ホコリ侵入以外でも何度も修理に出しているので、根本的に鏡胴が改善されているとありがたいが。
 カラーモード(エフェクト)は固有のモードがなくなり、ブラケティングして選ぶというような楽しみは減退した。また、このモデルからメーカー純正のRAW現像ソフトは提供されなくなり、汎用のソフトを使うしかなくなった。カメラにはいろいろこだわりを持って開発しているとは思うのだが、ここらへんは温度差を感じる。自分の場合はほとんどRAWを使わないから良いが。
 21年10月、26.1mmレンズを搭載した35mm判で40mm相当の準広角版のIIIxが発売となった。現時点、これには手を出していない。
         
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