会社の都合で、平日の何日か、私だけ休暇になってしまった。そこで、急遽息子を連れて北海道に行こうと思い立った。前の旅行からは既に13年が経っているから新鮮な旅行になりそうだ。目的の一つは流氷、さらに「SL冬の湿原号」と「北斗星号」だ。2歳5ヶ月の息子はすっかり鉄道好きに教育してあるから楽しんでもらえるに違いない。
 当初は、上野から北斗星号に乗って釧路→網走と回るつもりだった。しかしこのルートは誰でも考えるようで、残席が全くなかった。そこで逆ルートを手配してみたら、あっさり確保できた。ついでに、北海道への入口を旭川にして、旭山動物園にも寄ることにした。

(拡大する写真には枠が付いています。また、文中にも写真等へのリンクがあります)


第1日 09年2月11日
自宅→羽田→旭川→網走

 全てを手配し、直前まで楽しみに各地の情報を見ていたが、暖冬のため、流氷は全く期待できないことが確実になってしまった羽田空港駅にて。これは実に残念だ。なんとなれば、今回のような私だけが休暇というチャンスは滅多に無いからだ。配偶者Sは寒いところが苦手で、流氷だの冬の景色だの、そういうことには全く興味がない。とはいえ、こればかりはどうしようもないので、他に楽しむことがあるわけだし、旅行は予定通りに行うこととした。
 最初の行程は旭川までの飛行機である。羽田空港駅まで配偶者が見送ってくれた。いかにも心配そうである。無理も無い。幼児連れの男がまともに旅行できるか、きちんと子供の世話ができるのか、それは心配だろう。かく言う私も心配なのだから。でも、最初は誰でも初心者である。気にしていると何もできない。意を決していかねばならない..というほどの日程ではないけど..

 チェックインをする。一人だとe-チケットでそのままセキュリティを通って搭乗できるのだが、幼児連れの場合は幼児券(無料なのだが、券は必要)を出力する必要がある。自動チェックイン機でそれを出して、セキュリティを通りラウンジに向かう。息子はラウンジでオレンジとりんごのジュースをとっかえひっかえ飲んでご満悦の様子。加えて、飛行機も見られるのだから機嫌が良いのも当然だ。存分に楽しんでから、搭乗口に向かった。
 機内は空いている。私の席は前部の窓側で、隣には女性が座っていたが、私が子連れということで他の空いている席に移動してくれた(避難したのかもしれないが)。息子は離陸後には眠っていた。空模様は曇りで、景色が単調だったせいもあるだろう。結局、旭川着陸までずっと寝ていたので、こちらは楽ができた。旭川着陸時に外を見ると、あまり雪は多くないように見えた。
旭川空港にて 旭川の気温は零下3度程度だ。ち道路が乾いているょっと寒さを感じるが、この時期のここではどちらかというと暖かいほうなのではなかろうか。空港前に氷の像が建てられていた。旭山動物園の動物たちということらしい。その動物園へは専用の路線バスがあって、飛行機の到着30分後というなかなか接続の良い時刻の便がある。バス停にはあまり人が並んでいなくて、一番前の席を確保できた。空港を出ると、道路上の雪の少なさには驚く。ほとんど乾いている。そのおかげでバスの走行は非常にスムーズで、予定通り動物園に到着した。

 旭山動物動物園に到着園は初めての訪問地だ。そもそも旭川が今までの旅行で通過点でしかなかったのだ。87年12月の学生時代の旅行で、体調を崩して一泊したのが最長の滞在時間である。それで、動物園だが、むろん既に有名なとこ大きな雪だるまと記念撮影ろであり、TVでも多く取り上げられ、映画にもなっているほどのところ。一時期は存続の危機にさらされた動物園が、形態ではなく行動を見せる展示に変えて客を獲得して行ったのは有名だ。そして、こうしてブランド化されれば日本の観光客はどんどん押し寄せる。今日も祝日(かつ札幌雪祭りの最終日)とあって人は多かった。特に大変だったのは食堂だ。まず席を確保するのに食堂フロアで立って待ち、食券を買うのに並び、食べ物が出来たと呼ばれるところで待ち..こういうときには幼児と2人だけというのは不都合も甚だしい。椅子を降りてこちらに来られては座席が取られてしまうし、目を離すのも安全上問題がある。仕方ないので、その都度抱いて列に並ぶしかしかなかった。
ペンギン館は大混雑間近にペンギンを見るちょっと多すぎましたかね








 その食堂が、にわかに空き始めた。なんとなれば、ペンギンの行進時刻が近いからである。食堂に入る前にペンギンは見たが、例の有名な、水槽の下の通路からペンギンを見ることはできなかったペンギンを待ちつつ。なにしろものすごく混んでいて立ち止まれない上に、そのときちょうどペンギンが泳いでいなかったのだ。ただ水を見ただけになってしまった。となれば、ペンギンの行進は是非見なければならないが..いやはや人の列、列、列。ペンギンの歩く通路は車道1車線より少し広い程度のようで、その手前はロープで仕切られていてよく分かる。そのロープのところに何千という人が幾重にもなって並んでいるのだ。より身近に見られるところは特に混雑しており、私はやむなく、その様子を上から眺める形になペンギンの行進る、斜面の上方から見ることにした。こちらは、転落防止のためにロープではなく柵がある。息子もその柵の手前に立って待つ。ペンギンたちは、よちよちと、人々の歓声を引き連れて歩いてきた。これは楽しい。今回、息子を抱きながらの旅行ということも考えて、カメラは片手操作で済むライカD-Lux4だけを持ってきている。このカメラは望遠側の画角が望遠と言えるほどのものではないので、かなり近くに来るまで写真は撮れず。しかし見ているだけで楽しかった。泰然と歩くペンギンがほとんどだが、中には左右に寄り道をするのもいる。人のところに突っ込んでしまうのもいて、ああ、あそこに居たら嬉しいだろうねえと羨ましく思った。息子は、寒いせいかあまり感想を述べてくれず。でも、後で動画を見て喜んでいたので、それなりに楽しかったのだとは思う。
 次元気でよろしいに北極熊の展示。ここは熊が外でも水の中でも活発で良かった。特に水の中では、ボールを取り合って2頭がじゃれあうさまが何とも言えず楽しい。息子は、ペンギンよりもこちらのほうが気に入ったようだ。やはりダイナミックな水中での動作は目を引く。いや、あるいは暖かい室内で見られる点が良かったのかもしれないが。TV取材中
 斜面を登って、レッサーパンダの展示へ。普通のケージだけではなく、人の通るところの上に橋がかかっていて、そこをレッサーパンダが往復するようになっており、歩くたびに歓声が上がる。ここにはTVの取材が来ていて、西村知美さんが何かを話していた。人ごみがますます激しくなり、退散。
 息子には何度かトイレ大丈夫?と聞くのだがそのたびに大丈夫と答える。しかしどうも股間の前が怪しい。オムツが膨れ上がってきた。トイレに入り、オムツを交換する。今回の旅行、列車での移動中やこうしたイヴェント中のオムツ交換はちょっと心配なのだ。タイミングよくトイレに行けるかどうか、これはその場そのとき次第なのである。普段育児に協力しているつもりでも、その場になって気付くこともあると実感する。そこは、慣れるしかない。

 15:30のバスで市内に向かう。動物園には2時間少々しか居られなかったが、寒かったこともあり、2歳児を連れてならこの程度で上々とすべきだろう。旭川駅まではバスで44分、ポカポカどころか暑いほどの車内で、しばし眠っていた。
 旭川旭川駅駅周辺に来たのは、87年以来なので22年近く経っている。当然ながら印象は異なっていて、きれいに整備されていると駅前には雪だるまが多数思う。駅の前には氷の像や大小の雪だるまが並び、楽しい。駅で弁当を買って、16:42発のオホーツク5号を待つ。北海道にしかないDF200型ディーゼル機関車が長い貨物列車を牽いて轟然と通過して行った。この機関車を見るのは初めてだ。貴重なところに遭遇できて嬉しい。オホーツク5号は定刻に到着した。車内は空いていて、座席指定は1席しか取っていないが、周囲数席は誰も座っていない。子連れにはありがたい状況だ。座席は昔の特急タイプではなく、クッションが分厚くなっているし頭の部分も上手く保持できるようになっていて座り心地が良い。トイレには幼児を座らせる小さな椅子もあって、至れり尽くせりである。長距離バスとの対抗上、やはりこういう工夫がアドヴァンテージになるということだろう。
 外はとっぷ外は一面の雪りと暮れている。青い雪景色を見ながら弁当を食べる。旭岳弁当旭岳弁当という幕の内で、おかずはたくさんあるが、それほど美味しいというわけでもなかった。息子はおにぎりを食べる。私はついでに北海道内限定のサッポロ・クラシックを買った。これも久しぶりだなあ。
 車販のワゴンが通る。私たちが乗っている車両は2号車なので、一度通るとすぐにまた戻ってくる。そのワゴンの側面によくない表示がある。JR北海道の特急車両を模したチョロQだ。何度目かにワゴンが通ったとき、息子が「これ、くーださい!」と叫んだ。一つ買うことにした。そのチョロQの効果もあってか、息子は車内の3時間55分、特にトラブルもなく楽しく過ごした。列車は定刻の20:37に網走に到着した。
おとなしい息子北海道限定の飲料記念撮影








網走駅 ホテルは駅前のルートインというところ。明日の釧路もルートインホテルの部屋で、これは駅に近いということと、朝食がビュッフェスタイルというのが大きい。息子が必ずしも出たものを全部食べてくれるとは限らないから、定食を出す宿には泊まりにくいのだ。ホテルは文字通り駅前で、信号を渡って向かいにある。出来て間もない、きれいなホテルだ。息子はホテルの部屋が好きで、電灯をつけたり消したり、電話の受話器を外したり、いろいろといたずらをする。しかしさすがに夜も遅いから、素直に寝た。
 まずは初日、つつがなく。


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09年2月中旬
第4次北海道旅行
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