仕事の合間を縫って、短い夏休みを取ることにした。配偶者Sは三男Nと留守番、私と長男S、次男Mの3人で三陸地方に行く。きっかけは、ポケモンwith you trainのパンフレットだった。元々は気仙沼線を走る列車だが、私が計画した日程は、釡石線を走る。その時刻に合わせて新幹線を取り、釜石に行き、宮古までレンタカーで移動、宮古では浄土ヶ浜や龍泉洞あたりまで足を伸ばしてみたい。全体で2泊3日の小旅行だ。
 レンタカーを借りているものの、龍泉洞へは三陸鉄道とバスで行く。これはNHKの朝のドラマの影響だが、むろん、ドラマの舞台の久慈にはほど遠い所だということは分かった上である。久慈は次回にしよう。

(拡大する写真には枠が付いています。また、文中にも写真等へのリンクがあります)


第1日 2013年8月7日 自宅→東京→新花巻→釜石→浄土ヶ浜→宿

 前日までは残業続きで疲れているものの、5時半に起きた。6時過ぎに出発し、目標の列車は逃したが、元々10分の余裕を見てあるから、東京7:16発のはやて101号には問題なく間に合った。息子たちは元気で、東京駅で次男Mが反対方向に歩き始めたのには焦ったが、他は特に問題なし。次男M(3才11ヶ月)の身長だと、人混みの中で手を離すと私を視認するのが難しいのだ。つまり、手を離すなということだが。
 はやて101号は大宮〜仙台間は無停車で仙台以北は各駅停車という、今回の旅程にはぴったりの列車だ。私が北上市に住んでいた頃は仙台まで主要駅に停車して仙台以北各駅停車だったから、それに比べると随分速い印象だ。しかし問題がある。私としたことが、何も考えずJR東日本のネット予約の提案通りに指定を取ってしまい、進行方向右側、つまり東側のA/B席で、朝日がまぶしくてずっとブラインドを下げる羽目に。加えて3人席で通路側に他のお客さんが。これは失敗だ。そのお客さんには何度も足を引っ込めてもらうことになった。申し訳ないことをした。長男Sが小学生になり、列車のトイレは一人で行けるようになり、次男Mも長男に付き添われて用が足せるから、そこら辺は楽だった。通路を走ることもないし。
 古川からは二人とも寝て、さらに楽になった。自分も寝入って乗り過ごさないように携帯電話にアラームをセットしたが、水沢江刺で起きるあたり、昔の経験の賜物であろうか。北上駅前にはホテルが増えているが、郊外の印象はあまり変わらず、懐かしく思う。

 新花巻に着いた。この駅で降りるのは2度目であるから、何も知らないに等しい。釜石線への乗換えは一旦外に出て少し歩く。プラットフォームは一面で臨時乗降所のような駅だ。数分すると、ポケモン列車がやって来た。キハ100の改造車の2両編成で、1両が客席(全席指定の定員46人!)、もう1両がプレイルームという構成。定員で考えて在来線特急のグリーン車よりずっと贅沢だが、普通乗車券と指定券で乗れる。改造にもかなりのコストをかけていて、外観はもちろん、内装もポケモン一色、ボックス席の二人ずつでシートのデザイン(キャラクターが描かれる)を変えるという凝り様、座席の肩に掴まるためのボール状のものも、モンスターボールに変えられていてそれも全部デザインが異なる。その徹底振りに感心した。












 プレイルームは新花巻を出て、説明の放送が掛かった後に開放された。まるごと1両がプレイルームだが、20人以上いる子供が集中すると、狭く感じる。やはり定員はこれで丁度良いのだろう。しばらく息子たちの様子を見ていたが、大きな私が居ると邪魔だろうから、席に戻った。












 釡石線に乗るのは3回目で、最初は中3の卒業の頃、盛岡発盛岡行きの循環急行「そとやま」に乗った。その後北上在住の時に急行「陸中」に乗っている。前回も今回もそれぞれ十何年ぶりで、記憶は曖昧だが、この路線の風景は好きだ。遠野が想像より開けた場所にあるのが意外で、もっと小さな山あいの盆地かと岩手に住む前は思っていた。その遠野で客がかなり入れ替わった。私の向かいに座っていた鉄道好きそうな青年もここで降りて行った。ここからが景色の良い所なんだけど、遠野観光とセットというのも良いな。

 向かいには入れ替わりで小学生らしき女の子が来た。すぐにプレイルームに行ってしまい、結局釜石直前まで戻って来なかった。プレイルーム、大人気である。我が息子共もずっとプレイルームで、釜石に着いた時、あと1時間くらいは乗って居たかったとのこと。2時間近くの乗車時間はあっと言う間だったようだ。

 釜石には12:08に着いた。駅の隣にトヨタレンタカーがある。契約をしてすぐに出発。三陸地方には岩手在住時に何回か来ているから、NAVIは設定せず国道45号をのんびり北上する。
 震災以来、沿岸の被災地に来るのは初めてで、やはり自分の目で見ると津波の爪跡や瓦礫の山に慄然とする。走りながら息子たちにここはこうだったはずだが今はね、などと話していた。道路には津波浸漬エリアの表示があり、その範囲の広さと高さに改めて驚く。

 四十八坂という所で休憩にする。ドライブインがあるが、次男Mが寝ていて入ることは出来ない。しばらく海を見ていたら、起きてきたので、昼食を取る事にした。メニューは限定されていて選択肢は少ない。海鮮丼が玉子とじで変わっているから、それを頼んでみよう。息子たちは何と、うな丼が食べたいという。二人で一つでは足りないだろうし..結局二つ注文、初日から使いすぎだな。運ばれて来たうな丼はかなり大きくて驚いた。長男Sはそれでも完食、次男Mはごはんを残した。おそらくごはんの量は茶碗2杯以上あっただろう。小学生になったばかりだが、すっかり一人前だ。
 一方、海鮮丼はと言うと、ごはんは少な目で具だくさん、玉子とじのつゆは少々濃いが、なかなか美味しかった。









 しばらく走って、山田町の津波被災地で車を停めた。家々の土台だけが残り、草が生い茂っている。もはやここには誰も住めないのだろうか。とある家で、土を手入れしてひまわりを植えてある所があって、少しホッとする。戻って来るという意志表示なのかどうかは、分からない。息子たちは言葉少なく、何か感じ取ってくれただろうか。












 山田町で概ね、釜石からの行程の半分である。車に乗ってしばらくすると、息子たちは寝入ってしまった。
 今回の宿は、2泊とも同じで休暇村 陸中宮古という所だ。宮古の中心部からはバスで30分位、そのバスの本数が少なく幼児連れだと乗り遅れたりが想定されるから、レンタカーにしたのだ。それに、レンタカーなら寄り道も自由自在、このまま宿に直行もつまらないから、途中にある浄土ヶ浜に行ってみる。岩手在住時にここに来たときは、バスの時間が都合悪くて、宮古駅から歩いた。だから、道路には見覚えがある。夕方とあって、もう通る車は少なくなっている。途中、水産資料館手前の第3駐車場は仮設住宅になっていた。ここにもまだ、被害に遭った方々が住んでいるのだ。
 第1駐車場の目の前には新しいビジターセンターがあって、その下からは、つい先月下旬に震災被害からリニューアル成った遊歩道が延びている。海はきれいで、底がよく見える。遊歩道から外れて海のそばに降りてみると、コンクリートで作られた以前の遊歩道跡があった。なるほど、新しい遊歩道は前より見晴らしが良くなっているのだ。
 遊歩道に戻って、奥浄土ヶ浜の方向に歩いてみる。観光船乗り場を右手に見ながらトンネルに入ると、ひんやりとした空気に驚く。外の暖気と触れたトンネルの壁には露がついていて、天井から時折冷たい滴が落ちてくる。息子たちがトンネル内の反響を面白がってワーワー騒ぐので閉口した。幸い、他の観光客は近くにいなかった。ヤレヤレ。









 トンネルを出ると、小さな湾になっていて、ボート乗り場があった。青の洞窟に行くサッパ舟の出発地点で、時間貸しの鳥の形の足こぎボートもある。サッパ舟のサッパは、笹の葉の意味で、底の浅い舟ということらしい。もちろん、舟は葉っぱで出来ているわけでもなく、船外機もついた立派なボートである。青の洞窟にも行ってみたい気はするが、なにせ底の浅い舟なので、小1と3才を連れて乗るのがちょっと怖い。もう少し大きくなってからにしよう。
 それで、ボートには乗らず、その場でただ海を眺めているだけなのだが、他の観光客がかっぱえびせんをウミネコに上げているのが面白く、息子たちはそれに混じって楽しんでいた。かっぱえびせん買いたいと言われたが、今日は我慢して、ホテルに向かうことにした。

 ホテルまでは車で15分ほどで、迷わず着いた。外見は白っぽく飾り気のない建物で、室内も古めかしいが、きれいに手入れされていて好感が持てる。高台にあって、震災当時は避難してきた人を収容していたそうで、滞在中に作られた小物などが食堂に飾られていた。
 今日は早起きだったので、食事中に息子たちが寝てしまう可能性を考えて、先に風呂に入り、それから夕食にする。風呂は人工のラジウム風呂で、温泉ではないが広くて気持ち良い風呂だった。
 食事はビュッフェスタイル。海鮮や山の幸を使ったいろんな料理が並び、壮観だ。息子たちはカレーとかエビフライとかハンバーグとか、そういったものに偏ってしまうがやむを得ない。デザートにはチョコレートファウンテンまであった。ドリンクは別会計で、息子たちはメロンソーダ、私は瓶ビール。

 毎度のことながら、なんでも一通り食べようと、たくさん盛ってしまって、アホだなあと思いつつ、残さず食べてしまった。












 息子たちは食事中寝てしまうこともなく、しばらく部屋でも遊んでいて、それでも20時半ごろ就寝。移動だらけでそれも疲れただろう。


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13年8月上旬
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