Voigtlaender Vitessa

 大雑把に言うと、前期タイプの最後のほうの型になる。露出計はなく、アクセサリシューは固定。
 このカメラの特徴はなんと言っても、プランジャーを押し込むことでフィルム送りとシャッターチャージをする独自の機構ではなかろうか。発売当初の頃、フィルムはノブを回して巻き上げる機種が主流だったから、このカメラの機構は衝撃的だったに違いない。左手でフィルム給送とシャッターチャージ、右手親指でピント合わせ、人差し指でシャッターリリースという分担になるが、プランジャーを押し込むストロークが長くてカメラが動き構図がずれたりするので、ものすごく速写性に富んでいるというほどではない。
 ファインダーは若干暗めで二重像も合わせやすいとは言えないが、パララックス補正もあり、随所に凝った工夫があるカメラである。レンズを上下を押すと格納扉も閉まり、その次にプランジャーを押し込むと巻き上げに影響なく格納される。シャッターボタンも1段階短く格納されるあたりの細かさがすごい。撮るときはシャッターボタンを押し込むとプランジャーとレンズ格納扉が開く。
 レンズはウルトロン50mmF2付きの他に、カラースコパーのF2.8やF3.5が付いたモデルもある。自分の持っているモデルはウルトロン付きである。
 
 
 
 
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