03年4月中旬
第3次米国旅行(ハワイ)

第1日 第1日後半 第2日 第3〜4日


●第2日 03年4月14日(月) ワイキキ→コ・オリナ・リゾート→ワイキキ

 ホテルのルームメイク係のノックで目が覚めた。時刻は09:37。11時まで待ってくれと言い、慌てて着替え、食事をする。今日もブフェイ(バイキング)にする。昨日美味しくて気に入ったサバの照り焼きがあったのでまた食べる。ポーチドエッグにコンビーフとハッシュドポテトを混ぜたもの、たまねぎとポテトの何風だったか、炒めたもの、サラダ、メロンを取る。今日も美味しい。ミソ・スープとあったので取ってみると、具が全くなく、隣に豆腐が置いてあった。一緒に入れて色がつくのを防止するため か、よく分からない。それを入れて、席に戻った。みそ汁はカツオだしがものすごく濃くてミソより主張が強い。それに素のままの豆腐が何とも言えない対比だ。ゆっくり食べて、コーヒーを2杯いただいてのんびりする。
散歩  式は14時半集合だから余裕はある。少し散歩することにする。さすがに遠出はできないので、海岸線を歩く。海水浴にはまだ少し寒いような気がするが、けっこう人出がある。私は最近全く泳がなくなったが、それでもエメラルド色の海は見ていて気分がいい。天気はうす曇りで、雲が切れるとさすがに少し暑いが、風があって散歩には良い気候だ。
海岸 左:海岸は空いている。月曜ということもあろう。

右:サーファーの像、エメラルド色の海が銅の緑青で表現されているのは面白い。
これ、気に入った
すごい色をしている.. 海は独特の色をしている

遠方、突然色が変わっているところはホテルからもよく見えた。

 海岸を南端まで歩くとカピオラニ公園に入り、ふかふかの芝生の上を歩く。ダイヤモンドヘッドが眼前に聳え立ち、なかなかの景色だ。どこもかしこも緑色のグラウンドに立ち、何枚か写真を撮る。今日も風がダイヤモンドヘッド強い。この季節、そういうものなのだろうか。他にすることがなく、ワイキキ水族館に入ってみる。入館料$8を払って日本語説明用のバーを貸してもらう。無線を受信するのではなく、展示番号を入力すると、その水槽の説明がメモリから読み出される仕組みだ。それほど大規模ではなさそうだが、それでも全米で3番目に古い水族館なのだという。なるほど、米国は大水槽のドーム型窓から内陸部の州が多いから、水族館というものは運営が難しいのかも知れない..と思っていたら、調べたところテネシーやテキサスでも内陸に水族館はあるらしい(テネシーは淡水魚)。
 日本で水族館に入ったことがほとんどなく、最近の水族館がどうなっているのか知らないが、サンゴを生きたまま水槽に入れていたり、なかなか面白い展示だった。水槽部分の天井は自然光を取り入れて、見学コースは暗い。水はプランクトンなどが浮遊した状態で、クリアではないが、海水そのままということかも知れない。魚は場所柄、熱帯魚がほとんどで、一箇所、大きな水槽でサメを泳がせてあった。見学者は観光客が多い。課外授業も1団体来ていた。写真、ヴィデオは禁止とは書いておらず、皆自由に撮っていたが、やはり暗い通路でフラッシュを焚く人がいてどうもそれはいただけなかった。水族館の中庭に出て、コーラを買う。20オンス、591mlで、量が多い。キンキンに冷えていて頭が痛くなりそうだった。お土産屋もあるが、風鈴がきれいだなと思ったら中国製だった。ありがちな話であるが。

 ホテルに戻って、軽くシャワーを浴びる。そんなに歩かなかったがやはり汗をかいている。着替えて、14:20出発。ハイアット・リージェンシーのロビイで待ち合わせなのだ。父はモーニング、母は普通の明るめのスーツ。私はこの挙式参列のため新調した濃いグレイのスーツ、シャツは少しマゼンタ色で、銀とベージュの混ざったような色のネクタイ。色の濃い服を着ているのだが、それほど暑くなく、思ったよりは過ごしやすい。新郎、S家のご両親、妹さんと挨拶し、しばらく待つと、ハワイ在住の友人2人、東京の同僚2人、ロスに転勤した同僚1人がご到着。送迎のマイクロバスを運転するのは日系か、日本人でこちらに勤めているのか分からないが広瀬さんという明るいノリのおじさん。マイクロバスはハワイらしく冷房を過度に効かせた設定で、涼しいを通り越して寒い。どこの建物も乗り物も、これは慣れないと疲れる。
 14:45、ホテル前を出発。新郎新婦は宿泊しているホテルから直接、会場に向かう。同じ頃に着くように連絡を取り合っているようだ。どこかの教会で、日本人が結婚式を挙げていた。運転手の広瀬さん、「みな、日本人ばかりでーす。今日も、多いですよお」とのこと。バスはフリーウェイH1線を西に走る。途中、広瀬さんが右手の公園を指差し、「この公園はぁーー、『このー木なんの木、気になる木ー』のコマーシャルを撮った公園ですよー。あのコマーシャル、まだやってますかあー?帰ってコマーシャルみたら、思い出してくださいねえー」、一瞬、車内のウケを取る。やってんのかね、このCM。同業他社のCMを探してみるほどTVを見ていないので、未だ確認してはいない。かなり高速で走るのだが、市内を出る頃、渋滞に捕まった。広瀬さんによると、帰宅ラッシュが始まっているのだという。今は15時、である。米国人は早く来て早く帰る人も多いと聞いていたが、15時はいかにも早い。西行きも東行きも同じく混んでいて、オアフ島の通勤ラッシュというのは、どっち方向にもあるのだろうかと思いながら眺めていた。

コ・オリナ チャペル ハイアットを出発して約50分後、コ・オリナ リゾートというところに到着。パール・ハーバーを越えて島の西部まで行っているから喧騒とは無縁である上に、リゾート入口に警備員がいて、関係者以外はシャットアウトしているので、中は極めて静かだ。風が強い。新郎新婦のリムジンは遅れているので、チャペルの前で待つことになった。話に聞くと、海の見えるチャペルだというが、普通、チャペルにあるのはステンドグラスであって、普通の窓ではなチャペル外観い。いったい、どういう構造になっているのか興味が募るものの、入口はすりガラスになっていて中は見えない(ガラスのドアということは..想像がつかないでもない)。また、チャペル周辺にも植え込みがあって海は見えないようになっている。どうも、これは感動を演出する仕掛けのようである。チャペルは日を背にして建っていて、入口からみるとほとんど真西に向いているようだ。16時近いので、もろに逆光、ここでの写真は新郎新婦到着難しそうである。
 しばらくして、リムジンが到着。写真やヴィデオ撮影は、業者優先なので、まずは彼らに一通り撮らせて、その後に友人、家族が撮る。こういう点は厳しいので、従わなければならない。すぐにチャペル、ではなく控え室に一旦入る。またもひんやりした建物に入り、参列者控え室に入って説明を聞く。式次第はヴィデオになっていて(もちろん日本語)、それを見て本番となる。式中の写真はNGで、ここは業者のみ。終わってから撮影タイムを設ける、との説明だった。解説と注意事項を聞いた後、オプションをどうしますかと言われる。フラワーシャワー(ライスシャワーと同じ)、レイを進呈する、チャペルの模型を進呈する、風船のハトを飛ばす、などであり、2人には内緒で、とのことだ。それぞれ魅力的ではあるが、「強制ではございません」と何度も言われるとちょっと白ける。フラワーシャワーにしよう、となったのだがこれは既に新郎新婦が注文済み、結局、レイを進呈するということになった($50)。
 説明が終わって、チャペルに案内される。ドアが開けられ、皆、感嘆の声を上げる。真正面に、海、なのだ。チャペルは小高い丘に建っていて、チャペルのすぐ下が海岸になっているらしく、海岸そのものは見えないものの、西日に輝く海が見えるのだ。素晴らしい演出だ。しかし、写真としてはかなり難しい。仮に撮影を許されても、2人は逆光の中にいて真っ暗に写るだろう。フラッシュを式中に焚くのは勇気がいる。そもそも、この強い西日に対して、日中シンクロを成功させるには、テストなしではバクチすぎるのだ。後で設定されるという「撮影タイム」とやらが楽しみというより、心配になってきた。

 着席して、しばし待つ。進行は、通常の結婚式と同じで、賛美歌斉唱はなく、ハワイアンのウェディングソングが会場の女性シンガーによって歌われる(オルガン伴奏)。大きな教会ではないので、澄んだ声が適度に響き、雰囲気はよかった。ユニティキャンドルという儀式があり、両家の母親がそれぞれ2本のキャンドルに点火。その真ん中に大きなキャンドルがあって、これは新郎新婦が後で点火するのだ。宣誓のとき、神父の言葉(日本語、ただしカンニングペーパ付き)をそのまま復唱するのだが、新郎S君、落ち着こうとすればするほど棒読みである。しかしその力の入りようがまた感動的で、新婦、思わず涙である。すかさずティッシュを差し出す神父(そう、ここはアメリカ、涙はティッシュで)。実に絶妙なタイミングだ。指輪交換が終わり、新郎新婦が大きなキャンドルに点火し、英語、ハワイ語で祈りの言葉があって、最後に神父が結婚を宣誓してつつがなく式は終わった。
チャペル内、輝く海が見える 一度退場した後、撮影タイムとなる。私はヘキサーRF、ブロニカRF645の2台を持っていて、折悪しくヘキサーには高感度フィルムを入れていた(風が強く、被写体ブレを防ぐため)。しかしこの逆光、フラッシュを焚いてもムリっぽい。フォーカルプレーンシャッターは遅い速度でしかフラッシュが使えない。すると背景の海は真っ白の露出overになる。まあ難しい話はここではしないが、どうしても撮れる条件がないのだ。そこでもう1台のブロニカRF645を使う。レンズシャッターなので、1/500秒まで、フラッシュが使える。プロヴィア100Fを入れて、日中シンクロを試みた。結果は成功。帰国後一番心配だったのがこれだった。まずは安心。
 それで、チャペル内の撮影が終わると、今度は外に出て撮影である。予想通りチャペルフラワーシャワーの海側はきつい斜面になっており、階段を下りて海岸に出るようになっている。海岸からチャペルを見上げるようにして何枚か撮影。後で聞くと、「次の組」がもうすぐ始まるらしくて、お互いに見えないような配慮がなされているという。下りの階段と上りの階段を分けてあるという芸の細かさ..ちなみに、1組/1時間だそうだ。海岸に出て、ようやく順光の撮影になる。それでも新婦のドレス怒涛の撮影タイムが白いので、+補正で撮る必要があった。ここらへんはいろいろ経験しているので、問題はなかった。それにしても業者の方の撮ること撮ること..カメラはCanon EOS-1nにKodakのストラップをつけているので不思議に思っていたら、EOSをベースにしたKodakのデジタルカメラであった。いまはニコンと一緒のはずで、こんな時期もあったのだろうか、と思う。レンズは超広角ズームを多用していたので、CCDはフルサイズではないようだ。あまりにたくさん撮っているので、ついでにこういうのを撮ってくれと誰かがリクエストしたら、「規定外なので保証できない」という。すごいなー、さすが契約社会。場が少し白けるが、保証外でもいいから、で撮ってもらった。あのデータは新郎新婦にCD-Rか何かで渡されるのだろうか。あるいは、セレクトされたアルバムだけなのか、だとすると外されてしまう可能性は高い。まぁ難しいところだ。

 いよいよ帰る。西日を浴びながらの撮影タイムで疲れたのか、帰りは皆、終始無言であった。17時を過ぎたので、フリーウェイは本格的に渋滞していた。新郎新婦の泊まっているホテル(カハラ・マンダリホテル到着ン・オリエンタル・ハワイ)で、レセプションがある。今回は2人のリムジンと同じ時刻に着いて、会場に案内されるまで待つ。ここは有名人も多く宿泊される由、高級らしい。間接照明が軟らかな階段を地下に降りていくとレストラン(プルメリア・ビーチ・カフェ)で、間取りが洒落ているなと思ったら地下ではなくそこが海岸で、ホテル入口が高いところにあるのだった。
 パーティルームらしきところに案内された。外から卓球の音が聞こえる。近くの遊技場のようなところで、風に煽られながらパキンパキンと打ち返し、遊んでいる子供たちがいた。最初、席がどうなっているか分からず、誰も着席しない。私は部屋の隅で立ったまま日記を書いていたが、やはり新郎新婦が真ん中、その両脇に親族で、向かい側が友人・同僚の皆さん、ということに落ち着いた。
 シャンパンで乾杯し、宴が始まった。前菜がマグロの刺身に野菜、スパイシーなドレッシングと野菜の青々した香りが独特、しかしなかなかの味だ。会話を楽しむ設定なのか、料理と料理の間はかなり時間を空けている。スープは文章で表現出来ない味で、料理の知識がないとこういうのはダメで、勉強しなければならないと痛感。私はどちらかというと料理より景色なので、いつも旅行では食べ物が単調だと思い返し、反省する。
 レストランの中をハワイアンをAbsolutely Free!歌いながら歩いている楽士が部屋に入ってきた。一曲いかが、という。皆がどうすればいいか分からず顔を見合わせていると、アブソリュートリー・フリー!(完全にタダだよ!)と言われてしまった。何だか恥ずかしい。ではお言葉に甘えて(?)、一曲お願いする。ちゃんとした演奏で、歌も上手い。ホテルが雇っているのだろうか。しばらく歌ってもらった。
 料理はエビが出て、メインがテンダーロインステーキ、8オンスというから226グラム、そんなに軽くはなさそうだが。これでパウンドステーキ(1ポンド=16オンス)となったら化け物だと思う。柔らかくて、脂肪が少なくて肉の味がしっかり味わえて結構なものでお約束、だそうで..あった。付け合せのマッシュポテトが変わっていて、西洋ワサビかジンジャーか、ピリリとした風味があって美味しい。以前米国で食べたステーキ屋のポテトは思いっきり添え物扱いで、量だけ多く文字通り閉口したが、これは良いと思った。キュウリの炒め物は違和感があって今ひとつ、ロス在住のSさんもこれには未だ慣れないという。ステーキは5分の1ほど残して、あとはデザートだ。部屋の隅にケーキ入刀用の白いケーキもあるのだが、それ以外にチョコケーキが出てくる。すごく甘いのではないかと警戒していたら、あっさりしていて(ケーキがあっさり、というのもヘンだが)、すんなり食べられた。ここで最後にケーキ入刀をして、そのケーキを新郎新婦がお互いに塊のまま手に持って食べさせる。ご当地の「お約束」なんだそうで、ハワイ大に留学中の友人の方がそう言っていた。顔にベタっと白いクリームが残るくらい、思い切りやるのだそうだ。それを拭いて上げたりするのがまたいいのかも知れない。

 夜気が忍び寄ってきた。21時過ぎ、終宴。ホテルの前に電飾された木があったのでスローシンクロで新郎新婦を撮ったら、ブレてしまった。酔っていて1/4秒は無謀だ。タクシーが来た。運転手が、私のカメラバッグと三脚を見て、オレも写真をやるんだ、と言う。へー、何撮るの、と聞いたら、風景、花、サーフィン、つまりハワイの風物を撮って歩くのだそうだ。いま勉強中でね。タクシーやる前はアメリカンフードや、日本風フレンチのレストランで仕事をしていたんだが、コックを10年やって、調理するのに疲れたんだ。いまは、超望遠でサーフィンとか撮ってる。ほう、超望遠って、500mmくらい?そう、そうなんだ、500mm。だけど500mmなんて高いだろ、友達から借りるのさ。オレの持っているのは100-300mmのズームで、テレコンつけてようやく超望遠だよ。将来は1200mmを買いたい。うえ、1200mm、それって、$10万くらいするでしょ。そーそー。よく知ってるね。まーオレはビギナーだから、そんなのはまだまだ先だよ。(プロでもあんまり持ってないぞ..)それで、カメラは何です?。イオスさ、EOS-1n。(ビギナーと言いつつフラッグシップモデルかぁ。さすが米国人、大きいことは良い事?)それにしても、カメラ談義だと英語もスラスラだな私は。1nくらい大きいカメラの方が、超望遠で撮るには安定するかも知れない。持ち運びが苦にならなければ、だが。でも、空港などで欧米の方々を見るに、見上げるほど(?)大きい荷物でも平気でゴロゴロ転がしているから、EOS-1nくらいは何とも無いのだろう。
 しばらくカメラの話をしていたら、母親が余計なことを言う、結婚してるのか、と。ったく、この人は間接的にイヤミかね。運転手氏、いやー、シングルさ。今はやりたいことがたくさんあるからね。タクシーの運転は1日に14時間、普通の生活は出来ない、そして余暇は撮影と洗濯と掃除だよ(笑)。だって、どこに何をしに行っても、文句言う人いないだろ、いまはそれでいいのさ。(うん、いいこと言うね。でも私は、そこまで自信持って言い切れないが..)そんな話をしていたら、ホテルに曲がる道を一本通り過ぎてしまい、しかもワイキキは一方通行が多いからかなり大回りをしてしまった。最後にメータが1段上がってしまい、うわー、ごめん、前の料金でいいよ、道間違えたから。と、米国人らしからぬ謙虚なお人であった。でも大した額ではないので、チップ込みで多目に払った。話も面白かったし。ぐいと握手して別れる。がんばれよ!。

 売店で水を買って、日記をつけ、荷造りをして寝る。明日は帰国、6時半にロバーツ・ハワイのバスが来るのだ。あまりワインは飲まなかったので、寝坊はしないと思う。


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