15年7月下旬
西表島 小旅行
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●第3日 15年7月30日 イダの浜→浦内川→大見謝ロードパーク


 今日はイダの浜という所へ行くつもりだ。西表島の西の部分にある舟浮という集落から西北に歩いたところにある。この舟浮集落は西表島の中にあるが外周の道路が通じていないため、陸の孤島という表現そのものの場所で、そこへの交通は白浜港からの連絡船になる。白浜港まで車で行き、船に乗り換えた。

 連絡船は10分ほどの行程で、片道500円、往復だと960円だ。もちろん帰りも使うのだから往復を買う。船は定員65人でバスのようなもので、最高時速は18ノット(32km)、海面が近いからスピード感はある。すぐに舟浮に着いた。
 ここには数十人が住んでいるそうで、いくつかの住居と小中学校がある。湾の入口にある内離島のおかげで波が穏やかで避難港としても活用される由。しばらく歩くと「東郷平八郎 上陸の地」とあって、日本海海戦の前に八重山諸島と台湾に行き、その途次にここに上陸したらしい。身分を明かさず立ち寄った民家でお茶とラッキョウでもてなされ、その民家の方は、後日礼状が届いて初めて、もてなした相手が東郷平八郎司令長官であったと知ったそうな。

 イダの浜は港から600mほどのところにある。集落には公道のようなものがなく、砂利道を歩く。少し高くなったところを超えて行くので、気温と湿度もあってたいへん蒸し暑い。茂った木々の間を抜けると、広々とした浜に出た。白い浜とエメラルドグリーンの海が美しい。人がほとんど居らず、それもそのはず、定期便の船の定員は少ないし、他だとリゾートホテルから専用船などで来るしかない。早速テントを開いて荷物置き場にして、次男を除き海に入る。次男は昨日同様、海水がひっかき傷に染みるということで砂浜でカニ探し。

 海の水は浜から見ると透明できれいだが、海に入ってみるとサンゴの死骸でゴツゴツしていて印象が全然違う。歩くと砂が舞ってしまって透明度が落ちる上、魚が隠れるところもないので、水中で写真を撮るには少し岸から離れないとならないようだ。といって遠くまで泳ぐには制限がある。シュノーケルのセットを2個しか持ってきていないから家族で交代しながら使うしかなく長々と泳いで行くのはまずい、というより体力が続かない。少しずつ場所を探しながらゆらゆらしていた。
 沖合い(というほど遠くはないが)にはシュノーケリングのツアーらしきボートと泳ぐ人が見えた。ああ、あそこまで行くと水中が手つかずなのかなあ。と思いつつも、長男と一緒にけっこうな距離を泳いで過ごした。次男も泳げばいいのに..
 帰りの船が12:50なので、あまり長居ができないのが惜しい。次の船だと15:30で、そうなると戻った先で出かけるのに制限が生じるし。というわけで片づけて、舟浮集落に戻る。シャワーはないので、体を拭いて砂を払って歩いていく。シャワー施設もあるにはあるのだが、今はあるリゾートホテルの専用設備となっていて宿泊者以外は使えないようだ。
 船浮集落で昼食。店が少ないので選択肢は限られるが、何はともあれ、時間が優先である。早く食べられるであろうカレーの店に入った。屋外のテーブルで暑い中、熱いカレーを食べるのも乙なもの、と強がりを言いたいところだが、汗が大変なことになった。イノシシカレーとチキンカレーを頼んだ。イノシシカレーは癖が強くあまり肉は食べれらず。

 さて、船の出発時刻ギリギリである。船着き場に急いだ。帰りの船も10分ですんなり到着。3時間程度ではあるが海に入っていたので、コテージ近くの店でアイスクリームとさんぴん茶を買って一旦コテージで休憩。しばし午睡となった。

 15時近くにまた出かける。次は浦内川の遊覧船に乗るつもりだ。遊覧船で河口付近から上流を往復する1時間のコースで、最終が15時半出発だ。上流からさらに歩いてマリユド ・カンビレーの滝まで見るコースは14時出発が最終だからとっくに出発している。ま、幼児連れなので船の往復で良いだろう。
 船着き場までは車で10分ほどである。昼寝のあと寝起きが悪く怒っていた三男も船着き場ではすっかり機嫌が直っていた。
 乗客は10人くらいで空いていた。天気は徐々に曇ってきてヒルギの生い茂る景色は少しコントラストが弱くなっている。船はゆっくり進み、川面の上はちょっとだけ涼しい。特徴的な、目立つポイントの木には木の種類を示す札がついていて親切だが、望遠でアップにすると札も写ってしまうので景色を撮りたいという点では惜しいところではある。とは言え、もともと戦中まで炭鉱があった地でもあり、完全に手つかずであることを求めても仕方がないのであるが。
 折り返し地点の軍艦岩まで河口から8km、ここまで海水が入るらしい。ゆえに広範囲にわたって海水と淡水の動植物が混ざり合っているとのことだ。途中、カヤックで遡上している方もいて、手を振ってくれた。カヤックといえば以前、石垣島で乗ったきりである。また機会を見つけて乗ってみたいものだ。

 船を降りて、夕食までもう一箇所回ることにした。今日は夕食のために居酒屋を予約しているから、安心して遊ぶことができる。昨日由布島に行く途中にあった大見謝ロードパークというところに行った。ここには海岸線を見渡す展望台と、ヒルギの間を歩ける遊歩道がある。売店やトイレなどはなく、管理人がいるわけでもなく自由に出入りできる。展望台からの景色を楽しんだあと、海沿いまで歩いてみた。ちょっとした冒険気分である。
 夕食は居酒屋風の店で、「いるむてぃや」というところを予約している。初日と昨日、食事場所を巡って右往左往していたが、ようやく予約が取れたわけだ。何しろ元々の住民の数(と、広い島の領域)からして大きなレストランやコンビニのような業態が通年で繁盛するとは思えないので、これは致し方ない。次に来るときはしっかり調べて予約しておこう。
 店は広く、メニューも豊富であるが、客が多いためか料理が出てくるには時間がかかった。もちろんこの後の予定があるわけではないので、気にしなくてもいいのだ。ゆっくり楽しんだ。自分はビールを飲ませてもらい、配偶者Sはアルコールフリーを注文した。
 19時からの予約で、結局21時近くまで居た。息子たちは昼寝したこともあって眠くもならず大丈夫であった。帰路は配偶者Sの運転で、こちらは道路に動物が出てこないかとカメラを用意して見ていたが、特に何も起こらなかった。

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