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04年2月27日 前半
羽田空港→那覇空港→石垣空港→人工島→バンナ森林公園→アンパル湿地帯→御神崎

岩手在住のころ日本エアシステムの航空機に何度か乗る機会があって、そのマイレージが昨年末で期限を迎えることになった。そこで、この際だからどこか飛行機で旅行に行ってみようと思い立った。そして、同じマイレージならなるべく遠くに行きたいというケチな発想から、石垣島を選んだのである。私は、国内の南方はほとんど未経験で、九州も大分に会社の出張で行くのみ、沖縄県は全く未知の世界である。石垣島は北緯24度、台湾と同緯度、台北よりはむしろ南で、2月というのに天気予報では24℃などと、ちょっと想像しがたい数字が楽しみをかきたててくれる。旅行ガイドで調べた安い民宿「田作屋」をインターネット経由で2泊予約し、後は旅程も何も考えずにしばらく忙しい日々を過ごしていた。
旅行の前にうきうきして眠れなかったのは01年の欧州旅行以来である。朝早い飛行機であるが、寝坊どころかほとんど眠らずに朝を迎えてしまった。今回の同行者は東芝フィルのS、旅行好きであるが国内旅行はあまり経験がないようだ。関東はかなりの冷え込みで、外は寒い。しかしコートを持って行くと石垣では荷物になることが確実なので、厚手のトレーナだけで我慢して駅まで歩いた。羽田空港には予定通り到着し、簡単な朝食を取っていたら搭乗ギリギリになってしまった。飛行機は行き帰りとも那覇での乗り継ぎで、というのも石垣への直行便は連日満席で予約が取れなかったのである。飛行機が小さいから、特典航空券用の座席割り当て数が少ないのであろう。那覇行きはたくさん便があるし、また那覇から石垣への便も多いので、那覇経由なら選択肢は豊富である。私たちが乗った飛行機はB747-400、事前の座席指定では2階を指定しておいた。ここは重い荷物を持っていると面倒なところだが、エンジンから遠いので静かだし、座席の配置は1Fより余裕がある。さらに窓の下には荷物置き場があって便利。ただし、窓が遠いから写真を撮るには適していない。もっとも、那覇まではほとんどが海の上であり、私は写真を撮るつもりはないのでそれは問題ない。窓側をSに譲って、私は3人席の真ん中に座った。
機内はほぼ満席である。金曜日ではあるが、週末にからめての旅行であろうか、あるいはいつも混んでいるのかは分からない。0745という早い時刻の飛行機なので、皆さん早々に寝てしまい、機内はすぐに静かになってしまった。窓の外は薄曇りというか、あるいは何日か前に飛来したという黄砂の影響か、コントラストがなくて白っぽい。房総半島から大島上空までは右手に三浦半島〜湘南と陸の景色が見えていたが、すぐに海ばかりの光景になった。私も退屈して、眠りに落ちた。
那覇空港しばらくして飲み物のサーヴィスがあるが、一応コーヒーをもらって、一口飲んでまた眠って、のような繰り返しで、機内のことはほとんど覚えていない。沖縄上空も白っぽい風景で、どうやらこの旅行中はこんな天気が続きそうな予感那覇空港がする。海は青くてきれいであった。
那覇に着陸した。空港はきれいである。天井が高くて開放感があり、気分の良い建物だ。ロビイはほのかに冷房されているように思われ、飾られている花といい、2月という時期であることを忘れさせてくれる。次の飛行機が1155発であり、昼食をここで食べてしまおうと思う。出発ロビイでも食事は出来るが、せっかくなので一旦外に出空港ビル内て、空港ビル内を散策してみることにした。建物は大きく、デパートのような感じがする。大きな吹き抜けがあって建物には余裕がある。土産物屋は巨大で、土産物の種類も膨大だ。買い物好きにはたまらないだろう。そういえば、出発ロビイには免税店まであった。沖縄県外に行く人なら免税なのだという。その法的根拠は不明であるが、私は免税店で買い物をすることがほとんどないから、関係ない。昼食
ショッピングモールの一角にあるカフェテリアで昼食とする。ソーキそば(軟骨付き豚肉入りのそば)、タコライス(タコスの具を米飯にかけたもの)、沖縄風炊き込み御飯のおにぎり、そして、地元のビール、オリオンビールである。タコライスについては、いま働いている職場の近くに弁当屋が来ていて、そこで買い求めたことがあるので経験済みである。一見不似合いな具とご飯が、実に美味しいのだ。今日食べたタコライスはタコスの皮風のチップが入っていて、由来を主張しているように思われたが、ちとタレやミートソースがご飯に対して少なかったようだ。ソーキそばは初体験。私は豚肉の脂身が苦手なのだが、沖縄に来て豚肉は避けられない。ここは意を決して食べてみたら、柔らかくて、味がしみていて美味しかった。骨付きなのでむしろ脂身は少なく、軟骨の独特な食感とスープのカツオだしが誠にけっこうなハーモニーであった。空港内は花だらけオリオンビールは滑らかで爽快な味と思ったが、これは旅行気分も入っているとは思う。気に入ったので、今回の旅行はこれを中心に飲むことにしよう。
食べ終わって、ほろ酔いで保安検査を受けて、ロビイへと急ぐ。高揚した気分に、冷房が心地よい。飛行機は小さくて、座席の前後が狭い。この飛行機では窓側に座らせてもらって、海の写真を撮ることにする。逆光を避けるため、事前に右側の窓側座席を指定している。石垣までは1時間で、沖縄本島から400km以上も離れている。その間、美しい海の景色が堪能できると勇躍、カメラを準備していたが..残念ながらコントラストが悪く、白っぽい景色であった。
石垣島石垣島が近づい石垣市市街上空、人工島などた。島の周りは珊瑚礁で、浅瀬はエメラルド色をしている。珊瑚礁の端部に砂が溜まっているのか、そこだけ海上に露出していて白波が立っているのが見えた。着陸態勢にあるので、デジタルカメラは使えない。こんなこともあろうかと、今回はフィルムをメインにしているから問題はない。飛行機は石垣市街の南東部から南西部へとぐるりと旋回し、珊瑚礁を皆に堪能させてくれた。右旋回なので、これは右側の座席(即ち私たちの側)の人には最高の演出となった。

南西部をぐるっと旋回珊瑚礁の端部いいところだ..
コントラストが悪いものの、何枚か撮って画像調整したものを挙げておく。








JTA609便石垣空港石垣空港に着陸した。飛行機がターミナルに戻るのに、Uターンするスペースがないのか、滑走路の右端にいったんぐいっと寄ってから転回したのには驚いた。交差点で左折するのに右側にふくらんでから急に曲がるガラの悪い車のようである。飛行機からはタラップで降りる。前後から降りられるので素早いし、飛行機全景が見られるから嬉しい。気温は暖かいどころか暑いくらいだ。厚手のトレーナが恨めしい。
民宿の「田作屋」であるが、空港内空港からはちょっと遠い。白保というところにあって、空港まで迎えに行くとあったから、事前にメイルで知らせておいた。ところがここの主人、メイルに返事を書かない人らしく、予約のときも飛行機の時間のときも、全く返事なし。不安になったので電話してみたら、今から行きますという。おいおい。しかし10分程度で来た。市街地ほど近くはないが、一般的な空港までの距離、空港ビル外観という概念から見ると十分近いところにあるというわけだ。田作屋の車が来るまで、空港内部を見て歩いたが、そこは4万5千人の石垣市、地方空港であることに変わりはなく、待合室も小さいし、空港ビルとあるが2階建てくらいの高さしかない。それでも発着便数はかなりあるから、賑わっているように思われた。
田作屋の迎えの車が来た。自転車を借りることにしているんですが、車の方がいいでしょうかと聞いたら、その方がいい、という。提携のレンタカー屋がすぐそばだからそこに行きましょう、ということでBe-1レンタカーというところに連れて行かれた。ただ回るだけだから小さい車でいい、ということで軽自動車を借りる。ダイハツのミラであった。料金は保険込みで1日3500円。3日借りても10500円である。安い。タクシーの初乗りが390円という物価水準からするとこれも頷ける。いまどき集中ドアロックがないのは不便だと思ったが、なーに、カギなどかけなくても東京から来た観光客の分厚い服など盗まれる心配はあるまい。ということで、キーを抜いてカメラさえ持ち歩けばカギはどうでもいいことにしてしまった。車は、着座位置が高くて視界がよく、運転はしやすい。ブレーキが急激に効くので最初はガクガクしていたがそれにもすぐ慣れた。
まずは機上から見えた人工島に行ってみた。手近なところで海が見たかったのだ。近くでも、そのエメラルド色ははっきりと見て取れて、満足。人工島はまだ建設途中で、工事車両が出入しており、公園も整備中だった。ここはすぐに立ち去って、山の方に走ってみる。バンナ森林公園というところに、「エメラルドの海をみる展望台」というものがあるので、そこを目指す。軽自動車はアクセルベタ踏みでも全然進まないが、後ろから煽られるほど車は走っておらず、いたって平穏なドライヴである。展望台付近は涼しげな風が通るところで、気分が良い。蝶が舞っていて、もはや2月という意識は全くない野鳥観察用、らしい。肝心の海は霞んでいてよく見えなかった。他にも野鳥観察用のドーム(?)があったり、いろいろな角度で景色を堪能した。
↓野鳥観察ドームからの展望
市街方面を望むアンパル湿地帯方面を望む







バンナ森林公園から下って県道211号線を左折するとアンパル湿地帯に出る。この道路の周囲は水田で、なんと田植えが終わっていた。石垣島は二期作地帯なのである。調べてみると、94年(平成5)の凶作で種子不足になった岩手県が、石垣島の一期目で種子を収穫するという挑戦(http://www.pref.iwate.jp/~kome/story/index.htm)をしている。岩手の田植えは5月、それに間に合わせるべく、寒冷地用の「岩手34号(のちに「かけはし」と命名)」を使って1月に田植えをしたとのことである。その賭けは成功し、95年は豊作だったという。意外なところで岩手県が出てきて驚いたが、いい話である。
御神崎(おがんざき)にて御神崎にて湿地帯から名蔵湾沿いに北上して、西北端の御神崎(おがんざき)に到着。もうちょっと遠景がくっきりすれば言う事なし、なのだが気候はよく、風が気持ちよい。のんびりと歩きながら景色を眺めているのは最高で、昨日まで仕事に追われていたのが夢のようであった。


(ここで第1日前半終わり)


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