06年5月 九州小旅行 第1日 第2日 第3日 第4日


●第2日 06年5月1日(月) 阿蘇→杖立→高千穂

 気持ちよく起床。普段とは大違いだ。朝食はビュッフェで、種類もたくさんあって美味しい。ついついたくさん食べてしまうのだが旅行のときは仕方ない、ということにしている。
 チェックアウトする。天気は曇りだ。今日は阿蘇の火口東に行こうと思う。昨日火口西に行っているのだが、そこを反対側から眺めるというわけだ。こちらは、国道57号線からほ仏舎利塔からど近いところにある。火口近くまではロープウェイと徒歩で行くことになり、西と違って車では近くまでは入れない。途中、仏舎利塔があったのでそ酔仙峡こで景色を楽しむ。塔の通路(?)にカメラを持っている人がいて、道路の方を撮っている。何かと思ったら、課外授業らしき生徒の列を撮っていた。記念写真の業者ですな。生徒たちは早くも下山中で、たぶん火口まで歩いたのだと思う。我々がここから火口まで歩くのは、ちょっと厳しそうだ。
 仏舎利塔からロープウェイ乗り場まではすぐで、駐車場も空きがあってすぐに駐車できた。ロープウェイの駅は古びていて、置いてある物全て、ホコリまみれである。暖房室というところがあって、ストーヴに火が入っていた。標高が高いとはいえ、今はその必要もないと思うのだが、上は寒いのだろうか。出札口に行き、Sが係の人に帰りの歩道はきついかどうか質問する。一応整備されていて普通に歩けるという。それに、切符は往復で買っても割引はないから、上で「やっぱりロープウェイで下りよう」となっても損はしない。ならば片道にしよう。乗り場は混んでなくて、すぐに乗ることができた。しばらく待って出発する。進行は遅い。左右はゴロゴロした岩場で、上の方向を見て左方に、細い遊歩道がある。どうやら帰りはあそこを下るようだ。岩は灰色から赤茶色、黄色っぽいものと多彩で、ロープウェイ上からも景色はなかなかよろしい。10分で頂上駅に到着した。

もちろん、飛べません 頂上駅はひんやりしている。暖房室はここにもある。どうやら外は寒いようだ。しまった、上着を着てこなかった。外に出てみると案の定寒い、というより、風がとにか霧と強風く強い。そして霧(雲?)が流されてきて、湿気が多い。私はカメラ一式に加え、三脚も持ってきており、風に煽られて左右にぐらぐらしながら歩く。火口東はロープウェイ駅から火口まで、距離にして数百メートルの登りがある。角度も案外あって、重い体にはきついものだ。登る方向左側は雨水で侵食されているのか、開けた形になっていて、風がよく通る。右側には退避壕がところどころにあって、あまりに風が強いのでそこにマミヤ7で撮影する筆者避難している人もいた。登りはともかく、帰りは風に押されて転げ落ちそうなのが怖い。風が湿気を帯びているので、汗と湿気でシャツが重くなってきた。

 それでもどうにかこうにか火口付近にたどりつく。頻繁に、強風と共に霧が流れてきて視界が利かなくなってしまう。この状態では手持ち撮影は無理と見て、三脚を広げる。カメラは2台だがクイックシューがつけてあるのでねじ込みしなくても三脚にカメラを据えることができる。三脚が風で倒れないように、カメラに覆いかぶさるように押さえつけて撮影する。霧が切れる一瞬を待つ。冷たい風に体が冷える。私は寒いのが比較的平気なのだが、Sは耐え切れなくなって遊歩道に座り込んでしまった。それでも、遊歩道の先端まで行って超広角レンズで広い火口を撮影した。風が強く、マミヤ7IIのフィルムはとても交換できない。10枚撮ったところで、終わりにした(6×7cm判は10枚撮りなのだ)。帰りは予想通りとんでもないことになり、退避壕に何度か逃げ込んだ。火山弾が飛んでこなくても、十分にこれは有用だ。壕の中でフィルム交換をしておいた。帰りも10枚で足りるだろう。
霧が一瞬晴れる 火口西の方向 展望所の先端にて 晴れ間が見えれば最高なのだが
崖を横から見る コンクリートが剥げている.. 退避壕の中 色彩豊かな地面

 ロープウェイ駅まで戻ってくると、風は少し収まっており、これならこのまま下山してもよさそうだ。ロープウェイを左手に見ながら、ゆっくりと歩いて下りることにする。左右の溶岩の形がいろいろでおもしろい。撮影は進むのだが、今度は風がないと蒸し暑い。どっちがいいんだと言われるとまあアレだが。下の駅に着くころには汗だくであった。
溶岩 酔仙峡ロープウェイ 山を下りながら

 駅近くの売店に入ってみる。店員兼観光案内のおばちゃんが親切にいろいろ教えてくれたところによると、今日のような強風が多いわけではないとのことだった。まあ、こういうのもいい経験だ。暑いので、アイスクリームを買って食べる。丸永製菓の九州名物・抹茶白玉ぜんざいというものだ。これ、以前岩手に住んでいたとき、会社の売店で売っていて好きだったのだ。濃厚な味と白玉の量感がうれしい。運動した分以上にカロリーを取ってしまったかも知れないが。さて、売店のおばちゃんが言うに、ここからちょっと遠いけど、杖立温泉というところに世界一・3500のこいのぼりがあるよと教えられる。川にワイヤを張ってこいのぼりを泳がせるというのは既に各地で行われているが、ここは数が桁違いに多いという。地図を見ると確かに遠い。やまなみハイウェイを北上して、小国からさらに奥に行くと杖立温泉がある。今日我々は高千穂に泊まるので、杖立に行くと100km近く遠回りになる。が、まだ時間もあるから行ってみることにした。
だんご汁 車に戻り、山を下って、古代の郷美術館の隣、「いろり茶屋 織田瓜(おだか)」という店に入る。名物料理を食べようと思う。Sは高菜飯定食、私はだんご汁定食を注文する。高菜飯はその名の通り高菜を混ぜたご飯であるが、何やらゴマ油か何かで炒めてあり、少々クセのある香りがする。でも慣れると香ばしくて美味しい。だんご汁は、山梨のほうとうの汁のようなものに小麦ベースの平べったいだんごが入っている。だんご自体には味がないので、濃く味付けされた汁になっているようだ。熱いから冬は特に美味しいだろうが、いまも美味しくいただいた。汗が出てきたので、会計をSに任せて、外に出た。

 ここからは少し長い距離の運転になる。57号線を横切り、阿蘇神社の横を通ってやまなみハイウェイへと進む。昨日も通っているので勝手はわかっている。Sは食べて眠くなったのか、寝てしまった。昨日寄った大観峰にまた駐車して、売店でプリンソフトを買う。市販のプリンにソフトクリームを乗せてあるのだが、このソフトクリームはオリジナルのものらしく、極めて濃厚であった。どれほど濃厚かというと、市販の甘いプリンが負けてしまうほどだ。これはなかなか面白かった。
 ここから北に向かう。国道212号線を走り、30km弱で杖立温泉だ。ここは深い谷にあって、川沿いの狭い土地に旅館がずらりと並んでいる。そして、川には無数のこいのぼりが。川近くの駐車場に車を入れ、早速歩く。壮観である。こいのぼりには寄贈した人の子供の名前が入っており、何年のだれそれ、という文字が読める。何年も連続で寄付している人がいるようで、同じ名前の鯉が並んで泳いでいるところもあった。川には鮎がいて、流れの激しいところでは水上に飛び上がって遡上していく。一番下流のところで階段を上って、橋を渡る。ここには魚の形をした絵馬(馬じゃない?)が掛かっている。我々も一つ買って、願い事を書いておく。Sが妊娠しているから、もちろん願いは母子の健康だ。付近にはだれもいなくて、川の音だけが聞こえる。絵馬の料金を箱に入れておいた。
これは確かに多い.. 望遠で 遡行する鮎

 先ほど歩いた岸と反対側の旅館街を歩く。見ると、既に廃業しているところもあるようだ。街の半ばまで歩いて、そこからまた橋を渡り、またこいのぼりを鑑賞する。旅館街の路地には、温泉の湯を通す配管がたくさん通っていた。
紅葉橋 路地を走る温泉の配管 なんじゃこりゃ

 車に戻り、ここからは一路、高千穂を目指す。帰りが同じ道ではつまらないので、小国から国道442号線に入り、途中でやまなみハイウェイに曲がり、国道265−325号と走って高千穂に着いたのは19時半近くであった。宿は末廣という旅館で、建物は小さいが料豪華な夕食理が凝っている。ヤマメの刺身(サラダにマリネして乗せてある)、川マスのから揚げに高千穂牛のロースト、自家製のそば、米は古代米であった。どれも初めての味で美味しい。中でも高千穂牛は柔らかくてとろけるような食感で特に美高千穂牛味しかった。Sは肉が苦手なので、私は二人分を食べて、どうやら今晩もカロリーが多すぎのようだ。ビールを1本注文したが料理が多くて酒に手が出ず、少し残してしまった。

 部屋に戻って休む。ここは風呂が小さいので、外に行くことにする。高千穂温泉という公衆浴場がある。車で数分であり、近い。500円を払って広い風呂に入る。法律の都合でジャグジーなどが停止になっているのは残念だ。それでも30分ほど入って温泉を楽しんだ。閉館のアナウンスが流れ、風呂を後にする。宿に着き、布団に入るとすぐに眠っていた。


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