04年1月-3月
★04年3月31日
ああ、ここのページもずいぶん間が空いてしまいました。そろそろ復活です。
東芝フィルの演奏会のプログラム解説を書いていたのですが、そのために資料となる本を紀伊国屋のweb書店で発注しました。ところが、登録しておいたクレジットカードの情報が古くて決済できず、慌てて更新したものの、その時点でもう一つ気付いておくべきことが..なんと、住所が岩手県のままでした。つまり、決済されて送られた本は、岩手の旧住所に送られて、鶴見にはいっこうに届かない..当たり前ですが(笑)。それで、紀伊国屋の担当の方に実はかくかくじかじか..事情を話し、新しい住所を登録したので送り直して欲しい、とお願いしました。そうしたら、手配しました、と返事が来てもう翌日には届いていました。素早い。本は北上のヤマトの営業所にあったはずなのに、もう届いているとは。まあなんというか、私自身はマヌケな話なんですが、紀伊国屋の対応には感謝、感激でありました。それで、発注した本はというと、水越健一著「エドワード・エルガー
希望と栄光の国」です。著者は作家でも音楽評論家でもなく、この本は一愛好家の自費出版のようですが、調査が充実していて、それでいて文章はプロ的(小説仕立てになっているとか、小難しい評論であったりとか)でないところが面白く、特にエルガーゆかりの地を訪ねる英国旅行の話など、すごく楽しませてもらいました。英連邦の国々では広く親しまれているエルガーは、わが国では演奏例も資料も少ないというのは私も今まで実感していたのですが、そこから一歩進めて、自分で本場の資料を調査し、実地に確かめていくという行為は尊敬に値するものです。私の解説など、本から拾い集めただけで、誠に恥ずかしいシロモノですから、こういう本を少しでも読みながら反省し、少しでも自分の足で確かめる日を夢見つつ、やっぱり本とネット情報で原稿をまとめたのでありました。
★04年3月20日
18日の朝に、父方の祖母が逝去しました。あと1週間で100歳というときで、大往生ではありました。先週調子が悪かったらしく、念のため父は実家に向かったのですが、間に合ったようで、その点は良かったと思います。99歳ともなればその息子も80歳近く、老人が老人を介護をするのは大変なことで、いろいろ苦労もあったようです。祖母は日露開戦の翌月に生まれたわけで、もうとてつもない時代に生きて来た人に思え、ああもっと話を聞いておけばなあ、と後悔しきりであります。夫を早くに亡くし、いろいろな仕事をしながら息子2人を育てた人で、しかし苦労話などはほとんどせず、いまが幸せならそれでいい、と人生を達観されていたような感じがありました。東北大の助手と結婚し、新婚時代は仙台に住んでいたので、私が東北大に進んだときに殊のほか喜んでくれたことを思い出します。あまり孝行できませんでしたが、いまは安らかにお眠り下さい、と祈るばかりです。
昨日、その葬式で岡山に行きましたが、叔父一家がたいへんなカメラ好きであることが判明。他人のことは言えませんが、叔父たちも相当に「病」が重いようで、「ズミクロン」「エルマー」「テッサー」「エルマリート」「アポテリート」などという符丁が飛び交いました。うちの両親はちんぷんかんぷんで、ちょっと悪いことをしたと反省しています。
★04年3月17日
石垣島の旅行記、第1日後半をアップしました。予想より早めに出来てしまったのでアップすることにしたものです。仕事はトラブル中で、今日も24時過ぎに帰ってきましたが、それでもちょっとずつ書き溜めて来たのが役に立ちました。今週末はいろいろ忙しいので、さてどれだけ進めることが出来るか?
★04年3月15日
石垣島の旅行記を進めたいところですが、東芝フィルの次回演奏会のプログラム原稿が締め切り間近、9人の作曲家についての解説なので、予想より時間がかかってしまい、大急ぎで書き上げているところです。ようやく今日で6人分まで終わり、先が見えて来ました。今週の後半には旅行記に手を付けたい、というところですが、演奏会の進行台本も控えていてちょっと大変ですね今週は。かといって、金曜に行くつもりのフォトエキスポは外したくない、とまあ何でもかんでもという節操のなさには我ながら呆れております。
そういえば、仕事もけっこう危ない局面にあるのでした。何とか少しでも効率よく片付ける方法はないものかとは思いますが..しばらくは、一つ一つ、地道にやっていくしかありません。
★04年3月12日
石垣島の旅行記、第1日前半をアップしました。写真が多いので、半日分ずつアップして行きます。いささか時間が掛かると思いますがご容赦下さい。松本行きや箱根の原稿より先に出来てしまったのですが、他のも忘れないうちにアップしたいと思います。
明日は東京文化会館の資料室に行って音楽関係の調べ物をします。旅行記と演奏会の解説と、頭の切り替えがたいへんですが、どちらも少しずつ書いていくつもりです。
★04年3月10日
石垣島の旅行記をようやく書き始めました。本当は今週前半に第1日くらいは上げておこうと思ったのですが、急遽大分出張が入り、延期のやむなしに至っております。東芝フィルの次回演奏会のプログラム原稿も書いている最中なので、ここのところ、暇があれば文章を推敲している毎日です。
★04年3月8日
アクセス3万ヒットしました。感謝の言葉もございません。最近旅行記関連の更新が予告しながら遅れていますが、今後ともよろしくお願い致します。
OM-4/3アダプタが手に入って、しばらくデジタルカメラで遊びそうな予感ですが、忘れないうちに石垣島の旅行記をまとめるつもりです。
川崎の新しいホール、ミューザ川崎シンフォニーホールの柿落とし公演(7月1日、3日)の抽選に応募していましたが、2度目の抽選で3日のA席が当たりました。初日はやはり当たりませんねえ。大きなホールですが、曲がマーラーの交響曲第8番「一千人の交響曲」で、合唱がステージ奥の客席を使ってしまい、客の定員が少なくなってしまうのです。さらに、初日は招待客の分などもあるでしょうからなおさら厳しいわけです。3日というのは土曜日で、オケの練習日に重なってしまうのが懸念点ですが、ここは致し方ないというところでしょう。あともう1回、一般発売の電話予約というチャンスがありますけど、初日は諦めます。
★04年3月3日
川崎ルフロンというビルがリニューアルして、西武百貨店跡にヨドバシカメラが入りました。社用外出のついでに(ホントについでですよ)覗いて見ました。今回、京急川崎駅前からここに移転して、フロアが増大したので、取り扱い商品が大幅に増えたようですが、今日は時間がなかったのでカメラ関係をざっと見た感じを書いてみますと..
取り扱い製品自体は激増というわけでは無さそうです。しかし、特に春の商戦を控えてデジタル一眼レフの展示台が大きくなり、特に躍進著しいのはニコン。これはまさに、今月下旬のD70のスペース確保でしょう。キヤノンはその裏手にあって、狭苦しくて扱いに差があるように見えました。ペンタックスは*istDの1機種しかないのですが、それでも目立とうと7台並べてあってこれは壮観。京急川崎では店員立会いの下触らせて頂いていたDAズームが3本くらいゴロゴロしていました。オリンパスは2箇所に分かれているものの、1つ目がエスカレータからすぐ見えるところで、新発売のリングフラッシュなどを着けてこれはなかなか目立ってました。もう1箇所は300mmレンズを除く全種類が展示されていて、これまた新発売の11-22mmズームが試せる状態になっていました。このレンズ、なかなかよさそうです。ところで、開店セールと言いつつ、値段はそのままでした。少々古くなってきたかな、というコンパクトデジカメあたりが限定セールで安くなっていたりしていましたが、他は相変わらずで変わりませんね。まあこういうのは「新装開店!」でとりあえず来た人が買ってくれればラッキーなので、わざわざ安くする義理はない、ということなのでしょう。普段から価格を見ていればその点冷静で居られます。売り場には業界の方々(?)と見られるスーツ姿のおじさんたちがいて、なんでそう思うかと言いますと、カメラを見ずに売り場を俯瞰するように眺めているからです。近いうち、レイアウト変更の案などを考えるつもりなのでしょうか。その他、面白かったのはエプソンのプロ用プリンタ、PX-10000が展示されていたこと。このプリンタ、108万円もして、大きさはアップライトピアノの下半分くらいはあります。こんなの、見てから「これだ!」と買う人はいないと思います。大きなポスターがぶら下がっていたようですが、アレはたぶん印刷見本なのでしょう。恐るべしですな、ヨドバシ川崎。
で、呆れたことに私は、夜もここに行ってしまいました。現像結果を受け取りに行ったのです。そして残念だったのは、DPEコーナーです。狭くなったし(1Fと2Fに1箇所ずつ)、なんと言ってもライトボックスが小さいのが1台ずつしかない。そういえば以前、ライトボックスの置いてある台の下に未会計商品を置いて、フィルム現像結果を見る振りして万引きするヤツがいたのです。そんなスペースはいっそなくしてしまえ、ということになったのでしょうか。万引き以前に、フィルム・プリント自体の扱い高が減ったのでしょうけどね。すっかり顔を知られてしまった店員さんに、「すみませんねえ、ご不便おかけします」と言われてしまいました。いや、まあそう気を遣わなくてもいいんですが..
初物好きのお客は多かったらしく、店内は混んでいました。盛況なのはいいことです。
★04年3月2日
2/27〜29まで、石垣島に行ってきました。初めての沖縄県、しかもほとんど台湾に近いところで、天候がまるで違い、驚きの連続でありました。あまりに強烈な印象を受けたので、これは早急に旅行記のページにアップしたいと考えております。と言いつつ..旅行の帰りから昨日いっぱい、激しい下痢と嘔吐感に見舞われ、寝込みました。疲労と環境の激変に起因するものか、あるいはヘンなものを食べたのかは分かりませんが、実はこの1日が意外な影響を...なんと、いつもポジ現像を出しているヨドバシ京急川崎が移転のため、本日休業していたのでした。これで現像開始が大幅遅れ、今週は現像アップだけでデータ取り込みはちょっと時間が掛かりそうです。数少ないデジカメ画像を1枚上げておきますが、旅行記アップは週末以降になると思います。
今年7月1日にオープンするミューザ川崎シンフォニーホールの柿落とし公演のチケット、抽選に外れてしまいました。うーん。倍率、高かったんでしょうね。明日からのプレオーダー抽選に再度登録することにします。
★04年2月25日
行ってきました、松屋の中古カメラ市。いやー、全然買う気なし。まるでなし。まあなんというか、珍しいものを見たりして「へー」とか「ほう」とか、それだけでもけっこう楽しいものです。傍から見るとバカみたいかも知れませんが(笑)。さておき、会場は最近の傾向通り、そんなに混んでいません。平日夜ということもあるかな。本当に欲しい人は朝攻めるし、もっと(?)欲しい人は海外でオークションに入札したり馴染みの店に「○○を買ってきて」と指名で注文するわけでこの会場には来ませんから、いま会場にいる人はそんなにがっついた感じはありません。ライカ系はどこの店も多く、人気はやはりあります。値段は二極分化のようで、美品と並品の差が大きいようにも思われます。その他、コンタックス、RFニコン、レチナ、ローライ、フォクトレンダーなどのわりと有名どころはどこの店も品揃えはけっこうありました。国産SLR系はいつもあまりなく、それでもここで探す人もいるらしく、熱心にOMやペンタMあたりを調べている若い方々もいらっしゃいました。でも、はっきり言って、それは中野のフジヤか新宿のきむらの方が在庫はあるはずです。それで私が手にとって見たのは、フジノンのライカマウントレンズ(50mmF2)、Pen-Fの42mmF1.2でした。しかしいずれもコンディションがよくなく、パス。フジノンはけっこう安かったんですが。42mmはきれいなものが1本あったのでこれは、と思ったものの、内部がいまいち。絞りは粘って、レンズはちょっと曇っている。手入れすれば直る程度ですが、手入れにもけっこう取られてしまうし、まあこういうのは後々精神衛生上よくないので買わないことにしています。そんなわけで、今回も購入物件なし。
★04年2月24日
明日から、銀座松屋で中古カメラ市が始まります。最近は銀塩カメラ市場が縮小しているようで、さらに景気も良くないからここ2-3年、カメラ市はあまり混んでいなくて見るには楽です。私自身、昨年は古いカメラ・レンズよりオリンパスE-1を優先にしたので、カメラ市への興味は減退していました。今回は週末に出かける予定なので、思い切って、明日の夕刻に銀座に行ってくるつもりです。まあでも、買わないでしょうね。
ヨドバシの京急川崎店が移転するのをつい先日知りました。JR川崎の近くになるそうで、以前西武があったルフロンというところですかね。人の流れはあまりないようにも思えたのですが、今より大きくなるようなので、在庫などは豊富になるのでしょうか。個人的には、会社から遠くなるので困るんですが..今まで、昼休みに買い物したりしていたんで。そういえば、閉店時間も何時の間にか22時30分から22時に変更になっていました。残業後に買い物がしにくくなりました。って、こんな時刻まで残業している業界って、実はあまりないみたいですが。一昨年大きなマンション(規模が。私の部屋ではなく..)引っ越して、たまーに18-19時に帰ってみると、いや驚くことに、続々とお父様方がお帰りなんですね。うちの職場じゃ、21-22時は当たり前。何事も短期決戦の半導体業界は、遅くまでいることが当然になっているのでありました。話が逸れてしまいましたが、京急川崎の店舗は一旦閉めて、アウトレットストア(何でしょこれ)になるという話でした。個人的には、DPEの受付コーナーやフィルム売り場くらいは残して欲しいなあ。
★04年2月18日
東芝グランドコンサート、というちと恥ずかしいネーミングの演奏会に行って来ました。こんなに名前を前面に出さなくてもいいのにな、と思ってしまうわけですが、最近はフジテレビも参加して、(根拠はないですが)呼ぶオーケストラが豪華になったような気がします。とまあ、つまらないことはさておき..
指揮:ジョナサン・ノット
バンベルク交響楽団 サントリーホール
ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番 Op.72-b
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
Pf:上原 彩子
ベートーヴェン/交響曲 第5番 ハ短調 Op.67 (通称「運命」)
今日の公演は来日して初めての演奏会になります。こういうとき、オケによっては若干、精度が悪かったりするわけですが、このオケも最初のレオノーレ第3ではちょっとばかりギクシャクしたところがありました。テンポはかなりゆっくりで、表現も少し保守的な感じがして、安全運転だったのかと思います。ただ、この曲は実際演奏してみると実に難しい曲でして、その緊張感は客席も相当のものでした。しかしそこはプロ、後半になってだんだん良くなって来て、管楽器のソロもさすがに上手いし、弦楽器の速いパッセージもよく流れていました。
2曲目は私は全曲を通して聴くのは初めてで、どんな曲かと興味がありました。ソロのピアノを弾くのは上原
彩子さんで、東芝EMIで宣伝していたからこの演奏会に出るのもその関係なんでしょうか。レコード店にあるポスターと同じ紅いドレスをお召しになっていて、一種、これはトレードマークなのでしょう。私はLA席という舞台に向かって左、1stヴァイオリンのすぐ後ろの席にいたので、上原さんがピアノに向かうと背中が見える位置になります。その背中が大きく空いたドレスが目に眩しいわけですが、驚いたのは背中の筋肉の躍動です。音楽家というのはセンスもさることながら要するに体が資本になるわけで、この姿が、プロの厳しい練習を覗わせます。曲は、パガニーニのヴァイオリン曲の旋律を変奏していき、24の部分に分かれます。最初はオーケストラやピアノが断片をつなぎ合わせて旋律を形作って行くのですが、その軽妙さというか、人によってはおどけた感じにも思われるのではないかという流れがタイミングよく展開されていて、なかなか良かったです。指揮のジョナサン・ノット氏は現代曲も得意とする方だそうで、ちょっと唐突に場面が変わるようにも思えるこの曲の棒さばきもスムーズで無駄がなく、よくオケを統率しているように見えました。私、恥ずかしながら結局、第18変奏しか知りませんでした..この曲は好演だったので拍手も盛大にもらって、上原さんはソロでアンコールを一曲弾きました。後で確認したところ、チャイコフスキイの「瞑想曲」だそうですが、私、この曲も知りませんでした。おいおい。
休憩後のベートーヴェン、オケはもう完全にノリノリになっていて、非常に推進力に富んだ、力強い音楽が展開されました。この曲は自然、そうなるように出来ているとも言えますが、それを差し引いても良い演奏であったと思います。やさしい、柔和な部分の表現もよく出来ていて、これはさすがにプロの懐の深さが感じられました。特にホルンは2人ながらも幅の広い表現で、どんな場面でも全くびくともしないテクニックが光りました。トランペットも同様で、どうしてもうるさくなってしまう全奏のフォルテシモの中でも、強弱、音の長さを微妙に使い分けて、上手くオケの中に収まっていました。いやもう、私もこうありたいものです(かなりムリですが(笑))。トロンボーンは4楽章から吹くのですが、1stの人がすごく上手かった。吹く姿は猫背でちと情けない感じなのですが、恐怖のHigh-Fを全くストレスなく決めて(1stクラリネットと同じ高さの音です!)、感心しきり。オケ全体では、繰り返しの後はさらにパワーアップして、演奏にもメリハリがあったし、その変化のレヴェルが極めて高いところで実現しているのは脱帽ものでした。アンコールを求める拍手が長く続いたのも納得。
アンコールは1曲目がリゲティの「ルーマニア協奏曲」第4楽章。この曲は知りませんでした。指揮者が客席に向かってちょっとしゃべったのですが、1951年に作曲、しか分からず(情けなし)。帰宅後調べたら、リゲティは23年生まれ、28歳のときにこの曲を書いています。ルーマニアの民族音楽に題を採り、バルトークの「オーケストラのための協奏曲」(43年)のようなソロ楽器が頻繁に入れ替わる協奏曲の形式の曲になっているようです。それで、この曲は当時あまりに斬新だったため当局から演奏を禁じられたほどだったそうですが、たしかに今聴いても斬新ではあります。しかし不可解とか不愉快な音が多いとか、そういうのではなく、軽妙でそこはかとなくおかしさが感じられる進行には共感を覚えました。ノット氏はこの曲をベルリン・フィルと録音しているのですが、さすがにお得意の曲らしく、素晴らしい演奏でした。途中、勢い余って指揮棒が2ndヴァイオリン後方まで飛んでしまうというハプニングもありました。妙に滞空時間が長く、あっけに取られて見ていましたが、音楽は全然澱みなく、決然と流れてていて爽快でした。最後にはくどいまでの強奏、特にクラリネットの高いFの音の連打には圧倒されました。よくもまあ、あんなに吹いてあれだけ正しい音程でやれるものだ..まさにプロ。
あまりに良い演奏で、ベートーヴェンの後に現代曲、そのギャップに驚かされながらも演奏の良さに皆拍手が収まらず、もう1曲アンコール。曲が始まって、今度の曲はドヴォルザークと推測したら一応それは当たって、スラヴ舞曲第1集の第5番、と会場入口の立て札にありましたがこれは誤りですね。第2集の第5番です。家に帰ってCDを見たら第1集の第5番ってイ長調、全然違いました。アンコールは短調で始まっていたし、トランペットはFの音をバンバン鳴らしていたし、イ長調にはなりません。これは第2集第5番(通算で13番とも呼ばれる)の変ロ短調です。スラヴ舞曲集はこの手の「第1集か第2集か」の取り違いはたまにあるようで、どちらの集でも2曲目のホ短調なんて、実際紛らわしいわけですが、それが理由かどうか、通算で第2集を9曲目からカウントするCDもあります。それにしても、アンコールの掲示を間違えてはいけません。まあそんなことはいいとして、バンベルク響は元々チェコ在住のドイツ人のオーケストラメンバーが第2次大戦後帰国して結成したもので、それにちなんだ選曲のように思われました。戦後も60年になろうとしているわけで、チェコの味が残っているわけはないのですが、演奏は動静・強弱の表情豊かに、スケール大きく流れていました。良い演奏会でした。
★04年2月15日
もう一つ、オケに入ることにしました。港南区ひまわり管弦楽団というところです。最近、練習時間が少なく、東芝フィルでの練習も好不調の波が激しく、もう少し自分を追い詰める必要があると感じていたので、市民オケに復帰することにしたのであります。このオケ、トランペット奏者が2人と少ないので私が後から入ってもまあ問題ないだろうと思って入団したのですが、なんと、私と入れ違いで1人退団してしまいました。その方、以前からトップ奏者と合わなかったようで、私が入った途端、チャイコフスキーの交響曲第4番の2番パートを降ろされてしまったのです。私は「後から入ったのだから私がアシストでもして彼を正奏者に」と進言したものの容れられず、結局辞めてしまいました。経緯はどうあれ、私が入って一人辞めたとなれば、私が降ろした格好になってしまい、何だか後味がよろしくありません。他の団員の方々はどう思っていらっしゃるでしょうか..気にしてもしょうがないものの、私も昔、学生時代には降ろされまくっていたので、気持ちは分かります。1回降ろされただけで去ってしまうのはこらえ性がないという気もしますが。私など3年も降ろされてましたからね。って、鈍感なのかね、私。
次回の演奏会は7月で、合唱組曲「筑後川」(詩:丸山 豊/曲:團 伊玖磨)、チャイコフスキー/「エヴゲニ・オネーギン」よりポロネーズ、交響曲第4番の3曲です。前の2曲を私が1stを担当することになり、交響曲は2ndです。交響曲は以前、港北区民響で1stを担当したので、つい間違って1stの音を出したりトラブっていますが(最もやらかしてしまうのが4楽章終盤、1stと掛け合いになるところ..)、そのうち2ndにも慣れるでしょう。とにかく、体力をつけないと。
★04年2月14日
このページをすっかり放置していました..
さて、いま東芝フィルの仲間たちはスキーに行っているのですが、私は仕事が忙しくて待機ということで自宅におります。部屋の整理などしていましたが飽きてきたので、久しぶりに楽器屋巡りをしました。いま、ちょっと気になっているのがC管(ハ調)のトランペットです。一昨年既にヴィレンベルクという人のロータリー(横巻き)式を買っていて、それに加えてピストン(縦巻き)式のも欲しくなる、というのは実のところ、自分の実力を楽器で誤魔化そうという浅知恵に他ならないわけですが。で、銀座のヤマハ、新大久保のダク、ウィンドクルーと3軒ハシゴしました。ヤマハはあまりに種類が少なく、試奏もせずに退散。ついでにカメラ屋を2軒回って(もちろん何も買わず)、新大久保へ。ダクは昔、シェルツァー(東ドイツ)のB管(変ロ調)のロータリートランペットを買ったところで、数年ぶりに行ってみることにしました。ところが、昔店があったところはPCバン(韓国のインターネットカフェ)になっていて、ありゃ、これは閉店しちまったのか。でも一応、近くに移転したとか、そういう可能性もあるので、ここは調べてみる必要があります。ところが..最近は携帯電話が普及したため、電話ボックスがないのです。歩道が狭いので、電話ボックスを設置するスペースがないということもあるでしょう。かなり探し回って、目立たないところにあるIC公衆電話を見つけ、タウンページを開いてみると、電話番号はちゃんと出ていて、かけてみると移転したとのこと。なんと、前より駅に近いところにありました。いや、距離としてはそんなに変わらないかな。自社ビルなのか、ずいぶん立派な店になっていました。金管楽器は2Fです。以前より広いフロアに、試奏室が5つ、通路が狭くなるほどに置かれた楽器の数は以前と変わらないように思われました。トランペットは、クラシック系の人は元々少ないので、どうしてもそれ用のものは限られるようで、C管は7-8本、うち予算外の高額なものは除外して、中古を含む4本を吹き比べます。米国、ヴィンセント・バックの新品が2本ありましたが、片方は新品と言うにはいささか問題がありそうなくらいメッキの質が悪く、長い間在庫になっているのか、元々バックがその程度なのか分かりません。もう1本はラッカー仕上げで、これはなかなか良い楽器でした。他にXOという楽器が1本、これは正直言っていまいち。最後の1本はプロのお下がりらしい中古。さすがプロ使用楽器はよく鳴りますが、くたびれた感もあり、そこはどちらを取るか、人によるでしょう。一応値段を聞いて、ちょっと考えときますと言って退出。最後にウィンドクルーに行きました。ここでは1ヶ月前ほどにも来たのですが、その頃あった楽器は売れてしまって選べる楽器が少なくなっていました。その中で、バックを3本、ヤマハを1本並べて吹いてみました。ヤマハは音程がいいし明るく鳴るのですが、ちと安っぽい感じ。また、音によっていろんなところがビリビリ震える(そういう音がするわけではないですが、振動が手に伝わる)ので気になりました。バックは3種類のマウスパイプ、25C(標準)、25H(ちょっと重め?)、25A(長くて音程が良い)というがあって、25Aの楽器だけベルが異なっていたので単純比較はできませんが、25Cが最もC管らしい明るい音で、レスポンスに優れた感じがしました。しかし、私見ですが、C管だから明るい、だけではB管とのギャップが大きくて使い分けがかえって難しいように思うのです。それで、ダークな音がする25Aの楽器が好みなのですが..変わり者なんだろうか私は。25Hは「ハーセス管」(アドルフ・ハーセス、シカゴ響の名奏者)などと俗称されるのですが、鳴らせ方にコツが要るというか、決まれば大音量も出るようですが私にはちょっと難しいセッティングのようです。ああ、結局ハシゴして悩みは増えてしまいました..というわけで、しばらく頭を冷やし、今まで使っていたB管でちゃんと練習することにしました。
★04年2月5日
久しぶりに、映画を見ました。「ニューオーリンズ・トライアル」という法廷モノで、J.グリシャム原作「陪審評決」(原題はThe
Runaway Jury、これは訳しにくい。訳すと結末のヒントになってしまう)の映画化です。映画を見ようと思い立ったのは、この本を読んだからであり、米国でベストセラーとなった作品とはいえ、果たして日本では話題になっているか、というと映画館はガラガラ。まあ、陪審制というものが多少予備知識としてあるほうが楽しめる作品でしょう。原作ではタバコ産業への賠償訴訟だったのが、より映画的なインパクト(状況説明がやりやすいということもある?)のためか、銃撃事件に絡めた銃器メーカへの訴訟に変えられていたのが最大の変化ですが、もちろん筋道は原作通りでした。また、法廷シーンが原作よりは少なく、特に陪審員同士のやりとりなどは時間の関係か、カットされている部分が多かったように思われました。これは、一つの部屋でずっと審議しているのを続けるのが映画としては飽きられると判断したのかも知れません。あらすじは書くと興ざめなので書きませんが、俳優の演技などを少し..原作を読んでいた時とイメージぴったりだったのは悪役(?)陪審コンサルタントのフィッチを演じていたジーン・ハックマン。傲慢で、自信たっぷりで、カネさえあれば全てが手に入ると思っている人物そのもので、これは感心。原告側の弁護士、ローア役はダスティン・ホフマンで、ちょっと印象は異なったけど、ある人のある申し出を断るシーンはカッコよかったですね。主役2人はマーリー役がレイチェル・ワイズ、イースター役がジョン・キューザック、私は映画をほとんど見ないのでどの程度有名かは知りませんが、マーリーはもっとクールに、逆にイースターはもっとおどけていても(そして要所では鋭い、という対比がよりあれば)良かったのではないかと思いました。全体には、ストーリーもまとまっていて、よかったと思います。イースターという謎の人物の経歴を敵対側の組織が解明していくプロセスは最後を否応もなく盛り上げますし、私など結末を知っていても、十分に楽しめました。
ところで、日本でも裁判員制度というのが検討されていますが、陪審と異なって、人数も少ないし、裁判官の補助的なところになるのではないかと思われます。とはいえ建前や過去の判例だけでなく、現代的な価値観に基づく判断が入るわけで、今後どういう進展になるか興味はあります。ところで、戦前に日本にも陪審制があったのですが、今は制度が停止されています。ここらへんの話は、和久峻三著「陪審15号法廷」(ケイブンシャ文庫)が面白いです。物語の進行と同時に、解説にもなっていて分かりやすい。米国の法廷推理モノは長くて登場人物が多すぎてちょっと、という方にはお勧めです。
★04年2月1日
仙台に、学生時代の同期の友人の結婚披露宴に呼ばれて行ってきました。仙台北部の郊外にあるロイヤルパークホテルというところですが、仙台駅から遠くて、なぜこんなところにホテルが..と思いましたが、かなり高級なところなのか、会場の設営は豪華でした。新郎は教師で、新婦は医者、新婦の父親がまた医者で、どこかの病院の院長。副院長が主賓の挨拶をしましたが、なんと、新婦の父と病院の経歴を話し始めて驚きました。いったい誰の披露宴なんでしょう。まあ新郎新婦への「○○大学を優秀な成績で..」みたいなのもちょっとアレですけど、父親を誉めてどうするんでしょうね。などとケチをつけるのは野暮なんでしょうが、やっぱりスピーチはすっきり短く、本人の印象深いエピソードを紹介するのが本筋だと思うのです。
料理は豪華で美味しいものでしたが、フォアグラとか肉類があまりに強烈な個性で、あまり食べられなくなっていることに気付き愕然。こりゃ、私もトシですなぁ。午後の披露宴でしたが演奏があるので午前中から仙台入りし、早起きしたのに練習は1回通して終わり、おいおい大丈夫かと思ったら本番ではズレたりして危険な演奏でしたが、とりあえず役目終了。いやー、やっぱり緊張しますねこういう演奏は。演奏のために酒をほとんど飲まなかったから私にとっては健康的な宴会でした。
2次会が夜で、間がずいぶん空いてしまったのですが、仙台駅前のスターバックスで粘ろうと思ったところ満席、寒いロビイで大学オケの同期・後輩と談笑していました。2次会に出席し、さらに仙台にいる会社の友人HA君ともちょっと飲んで、最終のはやて30号で帰ってきました。ガラガラに空いていてよく眠れました。
★04年1月31日
松本に行ってきました。次の東芝フィルの演奏会で、小山清茂作曲「管弦楽のための木挽歌」を演奏する予定で、この人の地元、松本に記念ホールがあると聞いて、何かネタでもあるかと取材に行ったのです。しかし残念ながら、ホールは2年以上前に閉館となっており、今は教会になっていました。松本市中央図書館にも足を運びましたが、めぼしい資料はなく、今回の小旅行は空振りでした。とはいえ、天気も良い中、松本市内も合わせて10km以上歩き、気分は爽快でした。盆地ゆえか夕方になると放射冷却ですぐに冷え込むのは以前住んでいた岩手と同じで、何とも懐かしい感じがしました。この小旅行記はいずれアップする予定です。まだ箱根もアップしていないのに..まずい。
明日は仙台で友人の結婚披露宴があり、演奏もするので大荷物を持って朝から出かけなければなりません。それもネタになればいつかアップするかも知れません。
★04年1月25日
心の貧しさ、ということをつい考えてしまいました。
それは、今日のJR京浜東北線、大井町での出来事です。りんかい線に乗り換えるため駅を歩いていたら、前方からおばちゃんが走ってきて、閉まりかかった上り電車のドアに、なんとベビーカーを挟みました!。その後方から子供を抱えた旦那が走ってきて、もう一人の子供はさらに後方で勢い余って転んでしまいました。おばちゃん、そのままベビーカーをドアに挟まる位置に置いたまま、転んだ子供に早く来いと叱っていました。
こういう親にはなりたくないものです。
★04年1月23日
このページをご覧になっているトランペット奏者から、演奏会の案内及び撮影を依頼されたので、行って来ました。
なかなかや 第3回演奏会
A.ファルコニエリ/ブランド「エル・メロ」
同/シンフォニア「ラ・ブオノーラ」
G.P.チーマ/三声のソナタ
G.ダラカーサ/「別れのとき」によるディミニューション
D.カステッロ/ソナタ 第3番
M.カツァーティ/パッサカリオ
同/ソナタ「ラ・ビアンキーナ」
A.ファルコニエリ/サタンの娘婿バラバーソの戦い
F.ロショーニ/「私は傷ついて」によるディミニューション
T.メールラ/カンツォン 第2番
M.ウッチェリーニ/タント・テンポ・オルマイによるアリア
同/チャッコーナによるアリア
A.ファルコニエリ/シンフォニア 第2番
同/「英雄」
近江楽堂(東京・初台)
「なかなかや」とは古楽器のアンサンブルで、今回のメンバーは以下の方々でした。メンバーの名前から「なかなかや」と命名されているように思われましたが、メンバーに確認したわけではありません。
バロックヴァイオリン:星野 麗
ヴィオラ・ダ・ガンバ & バロックヴァイオリン:なかやまはるみ
コルネット & バロックトランペット:中村 孝志
チェンバロ:矢野 薫
メンバーのうち、「なかなかや店主」の中村さんは会社員とのことなので社会通念上の分類はアマチュア奏者ということになりそうですが、その他の方々は専門の教育を受けたプロフェッショナルのようです。それで、「社会通念上」などともったいぶった言い方をしましたが、中村さんもほとんどプロと言ってよい技術の持ち主でありました(まあ、私が決めることではありませんが(笑))。中村さんの吹く「コルネット」という楽器は、現代のヴァルヴ付きコルネットではなく、それの先祖も先祖、角をくりぬいて穴を開けて、その穴の塞ぎ方で音程を変えるものです。発音は今のトランペットなどと同じ唇の振動ですが、口の中央ではなく側方に当てて、横に構えるのです。演奏前に少しお話を伺いましたが、その際に私、「ツインクみたいな楽器ですね」と言ったら中村さん、「コルネットはドイツ語でツインクなんですよ」とのこと。中途半端な知識で恥ずかしいことを言ってしまいました..全然修行が足りませんね私は。そもそも、今回の演目では、1曲も知っているものがなく、こんな状態で撮影を引き受けたというのも実に危ないことですが、事前に演奏例を入手できなかったので仕方ありません。撮影はぶっつけ本番です。
近江楽堂は、東京オペラシティの3階にある小さなホールです。卵型の(縦に高い)空間に100名くらいの定員のホールです。ちょっと教会風のイメージ。それほど広くは無いので、三脚を立てるとどうも目立つのは困りました。四方に出入口のような空間があって、そのうち一つが客の出入口、二つが楽屋へ通じて、もう一つは作業用(おそらく音響等の)の空間のようだったので、そこに半分隠れることにしました。ただし、ここからでは星野さんと矢野さんの顔が見えないので、後半は客用出入口前に陣取って撮る事にしました。カメラはオリンパスE-1(デジタル一眼レフ)、元々静かなシャッターのカメラですが編成が小さいのでタオルをかぶせてさらに消音します。シャッターを切るタイミングは、極力、演奏の強拍(音が邪魔にならないように)かつ、写真として上手く写りそうな箇所を勘で探るわけです。予習をしていればどこでどの楽器が見せ場かが分かるのですが、今回は全く判断材料なし。しかし、プログラムに曲ごとの使用楽器が書いてあるのでそれをヒントにしました。撮影は失敗もありましたが概ねよく写っていて、最低限の義務は果たせたのではないかと思っています。写真は「なかなかや」メンバーの肖像権があるのでここには載せませんがご了承下さい。
さて、そんな撮影の話をしてもつまらないわけで、肝心の演奏ですが、これはもう「素晴らしい」の一言に尽きます。イタリアバロックの曲で、しかも知らないと単調ではないかと思う人もいるかも知れませんが、そんなことは全くの杞憂で、たった4人の演奏ですが、実に情感豊かにメロディが流れ、伴奏との息もぴったり合って、私はしばしば撮影することを忘れてしまいました。弦楽器やチェンバロのことは分かりませんが、バロックトランペットの難しさを知っている身としては、こうまで自然に音が出てしまうということが驚きの連続です。素直で、余計なストレスや雑音がなく、あくまでも澄んだ音が会場の良い音響でさらに高められ、至福のひとときでありました。
そのレヴェルの高さが評判なのか、会場はほぼ満員でした。撮影機材で邪魔をしないよう、結局私は全曲を立って聴きました。この団体、現在のところホームページもなく、取り立てて大きく宣伝されていませんが、もっと知られても良いと強く感じました。わが国では大きなプロオーケストラでも経営が順調とは言えず、まして、あまり有名でない作曲家を多く取り上げる室内楽集団というものは華々しい活動ができる環境にあるとは言いがたいものがあります。惜しいことです。しかし、こういう良い演奏を続けていくことで、口コミでも評判が広がり、他の団体への刺激になったりして、いつしか音楽活動の裾野が広がって行く事でしょう。今後のご活躍を祈念していると共に、奏者の端くれ(ホントに端くれですなぁ..)として、自分も努力したいと思います。
★04年1月17日
昨年はアマチュアオケばかり聞いていたので、たまにはプロも、ということで東京交響楽団(以下東京SO)の演奏会を聴いてきました。
大友直人プロデュース 東京芸術劇場シリーズ第72回
ストラヴィンスキー/3楽章の交響曲
ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
ベルリオーズ/「幻想交響曲」 Op.14
東京芸術劇場
指揮:大友直人 Pf:小川典子
東京SOは今年の7月にオープンする「ミューザ川崎シンフォニーホール」の準フランチャイズとなるオーケストラです。小川典子さんもこのホールのアドヴァイザーなので、この組み合わせは将来、川崎でも実現しそうなので、是非聴いておこうと思ったのであります。また、ラヴェルの「左手」というのは生で聴いた(見た)事が無く、その演奏振りがすごく楽しみなのです。インターネットで申し込んだのですが、期待を込めてA席を買って、希望を「2階席の中央付近」と出しておいたら、舞台に向かって少し左のM25という席、これはピアノがよく見えるから最高の席だと思われました。会場は7-8割埋まっていて盛況でした。ちょうど私の前だけ空席で、元々良い眺めがさらによくて嬉しくて仕方ない!
1曲目のストラヴィンスキーですが、個人的にはあまり好みではない曲で、あまり感銘は受けませんでしたが、演奏技術としては非常に高いレヴェルにまとまっており、管楽器のソロもきれいだし、オケ内のタイミングなどはよく合っていて良かった。しかしこれより、もっと素晴らしいのは2曲目のラヴェル、最高の演奏でした。小川さんがあまりに力強い演奏なので、最初の長いソロの後のオケ全奏がほんの少し頼りなげに聞こえましたが、曲が進むにつれて、ソロもオケもノリがよくなる一方。大友氏のテンポ感もヘンな緩急をつけたりせず流れがよく分かって私の好みにぴったり。最後は元々曲の作りが強引さを残しているのですが(個人的な意見かも知れません)、上手くフィナーレ感が出ていて納得。それにしても、思いっきり陳腐な表現ですが「左手だけにはとても聴こえない」。感激しきりでした。会場の皆も同じようで、小川さんは3回か、あるいは4回か、舞台に呼び戻されるほど熱烈な拍手が続きました。あまりに長く拍手したので手が痛くなりました。さらに、休憩に入ってもトイレ等に立つ人も少なく、皆が演奏の興奮に酔っているように思われました。
メインのベルリオーズですが、私は失礼にも「小川さんだけでも十分楽しめた」などと休憩時間に話していたのですが、いや全くそんなことはなくて、この曲も迫力がありながら精度も流れもしっかりとしていて感動的な演奏でした。特に4-5楽章は少し速めのテンポながら、焦った風はなく、緊張感が持続し、オーケストレイションの妙も十分に発揮され、極めて楽しめる演奏になっていました。トランペットパートは、C管のコルネットを使っていたようですが、実はコルネットはトランペットに比べると大音量の中に埋もれる危険があるのです。しかし首席奏者のアントニオ・マルティ氏は歯切れの良い音でオケ全体の中でもしっかりと主張し、ほかのパートもバランスよくまとまっており、良い音響を形作っていました。これもすごく良い演奏だったので、長く拍手が続きましたがアンコールはなく終了。充実感はあってアンコールは不要だったと思いました。
東京SO、川崎でもぜひがんばって欲しいものです。さる筋によると、1月からミューザ川崎での練習が始まるようです。公開リハーサルなど、市民へのアピール企画も実施して、今後も川崎で楽しませてくれないか、と期待しています。
★04年1月14日
しばらく、独り言コーナーの存在を忘れていました。仕事は相変わらず忙しいですが、帰宅してからもスキャナは地道に稼動しております。箱根の写真の取り込みがようやく終了しました。あとは記事を書くだけです。これが一番悩みどころですけど。
先日アップした桜木町の写真がよく写っていたので、初めてA3にプリントしました。PM-4000PXを買ってから、実は未だ一度もA3に出力していなかったのです。A3を印刷して「うわ、色がおかしい!」などという事態になるとショックが大きいので、今まで怖くてやっていなかったのです。そんなことを心配していたら永遠に出来ないのですが、意を決して印刷してみたら..これがすばらしい。早速、A3用の額縁を買ってきて、部屋に飾りました。毎月1枚くらいやりたいものです。
★04年1月6日
まちあるきのページに久々の新ネタ、桜木町の夜景撮影記をアップしました。11月の箱根のネタを飛び越して、先にアップしてしまいました。箱根の方はまだ写真をスキャンしている最中です。4分の1程度しか終わっておらず、もうしばらくかかると思います。
抽選で当たったパイオニアのHDDレコーダの残量が少なくなって来ました。取りためておくと、すぐに無くなってしまうようで..年末、再放送のNHKスペシャルなどをひたすら予約していたので、さっさとDVD-Rに落とさねばなりません。videoカセットに比べると小さくて扱いやすいのはありがたいことです。もうちょっとメディアが安くならないかと思ったりしますが。
★04年1月3日
ようやく部屋が片付きました..普通、こういうことは年末に終わるべきなんでしょうが(笑)。実家とここを往復しながら、少しずつ整理したので、けっこう時間がかかってしまいました。元旦に撮った弟夫婦の子供はかなり上手く撮れていました。OMの50mmF2マクロは、本当に良く写るレンズです。髪の毛や瞳の輝きに、はっとしてしまうものがあります。弟はスティル写真よりは動画の方が重要らしく、ひたすらディジタルvideoで撮っていました。昔の8mmフィルムに比べれば、失敗も少なく、ランニングコストも安いから、そういう点では技術の進歩はありがたい、と思う人は多いでしょう。
★04年1月1日
明けましておめでとうございます。
これといって書くこともないですが..特に出かけるでもなく、自宅に年賀状のチェックに来て、これを書いています。今年最初の撮影は、弟夫婦の子供の撮影でした。OM-4Tiに50mmF2マクロ、そのままフィルムを差し上げてしまったので結果は分かりませんが、どんな感じに写っているでしょうか。50mmF2に限らず、マクロレンズは通常の撮影域(∞〜1mくらい)のピントリングの回転角が急で、動きのある被写体にはちょっと不向きです。ピンボケをやらかしていたらごめんなさい、ですな。
今日も更新しました。桜木町の夜景からいくつか選びました。これは後日、「まちあるき」のページにも上げる予定です。
ヨドバシに、新春セットなるものがありました。いろんな製品を詰め合わせて、通常価格より安いというもの。高額福袋と似たようなものですが、カメラ関係ではEOS-1Ds+セット、300万円!なんていうとんでもないものがありました。一応ポイント10%も付くそうで。しかしEOS-1Ds(フルサイズデジタル一眼レフ、90万円くらいする)をこれから買おうという人が全く交換レンズを持っていないということはなくて、たぶんかなりダブってしまうでしょう。ニコンから乗り換える、とかいう人にはいいのか..しかし300万円とはねえ。他にも、ハッセルブラッドとか、ペンタックス645Nセットとか、100万円以上のセットがたくさんありました。完全に、無縁な世界なので笑って通り過ぎました。
今年、三が日が土日にかぶっているので冬休みは短いように感じます。昨年のうちに終わらなかった部屋の整理が果たしてあと4日のうちに終わるか???、それが目下最大の問題であります。会社始まってしまったら整理は滞りますから..
では、今年も宜しくお願い申し上げます。
indexに戻る