05年4月中旬
第1次香港旅行
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●第2日 05年4月15日(木) 香港

 8時にアラームをかけておいたが目が開かない。3度鳴って・止めてようやく起きだした。今回の宿は朝食なしの条件で取っているから、食事をしに外に出ることにする。外は雨だ。寒いほどで、上着を部屋に置いてきたことを後悔する。飲食店はそこらじゅうにあって朝から開いているから探すのは簡単だ。どこの店は美味しいとか、そういう下調べをしていないので、適当に選んで入る。新源粉麺飯菜餐庁という店だ。地元の客ばかりで混雑しており、流行っている様子。室内には至る所にメニューが貼り付けてあり、これほど多くのものを作ることができるのかと驚く。日本語も併記されていて、ワソタソとか、ありがちな間違いがあるのは微笑ましい。Sは水餃子入り麺、私は4種肉団子入り麺、というものにする。調理は早く、すぐに出てきた。Sの方は極細の麺が入ったオイスターソースがベースと思われるスープに、水餃子が4つ。この餃子が絶品で、大きなぷりぷりのエビが入っていて、その周りを小エビと豚肉、野菜などを混ぜたものが覆っている。一瞬ピリッとして、次にいろいろな味が溢れてきて実に美味しい。麺が細く固く、量感がないのはちょっと好みが分かれるだろう。このボソボソの麺は私の方にもあって、実はこっちの方が深刻だ。というのも、麺とつゆが別々になっていて麺の乾いた感じが倍増、しかも長くてつゆに入れにくいこと甚だしい。スープは塩味で薄いが、肉団子(うち2つは魚のつみれ)の濃厚な味がこれを補っている。なかなかの味だが麺が多くて最後には飽きてしまった。2人でHK$70、1人あたり約500円だから案外安くない。ネイザン・ロード付近なので高目の設定なのかも知れない。
新旧混在の街 看板の競演 水餃子入り麺 4種肉団子入り麺

 店を出て、尖沙咀(ツィムシャツイ)の東に向かうことにする。途中で小さな商店が偽物天国たくさん入っている雑居ビルのようなところを歩いてみた。既にドバイやペルーでもおなじモスクもあるみになったKADIO計算機が山積みになっている。KACIO、CASHOなんてのもあって、CASIOもここまで模倣されればむしろ誇りに思えるのではないか(思わんな..)。Sがチャイナドレスに興味を示す。何しろ秋葉原のパーツ街のような狭さだから当然試着室なんぞあろうはずもなく、サイズだけで決めなければならないのは危険だ。ちょっとだけ価格交渉をするが結局買わなかった。建物を出て、しばらくネイザン・ロードを北上し、右に曲がって海の方向に歩く。大きな歩道橋を渡ると公園に出た。海の向こうは香港島で、九龍にも増して高層の建物が多い。霧のような雨で対岸の景色が霞んでいて、写真を撮る気がしない。ここから南の海沿いはスター通り、のような名前がついている。香港の映画にち霞む対岸なんだものだろう。映画撮影の様子が銅像になっている。夜はライトアップされデートスポットになるようだが、今は午前、しかも雨降りで寒いから人通りも少なく、寂しいものだ。
 香港芸術館(美術館)シェラトンの地下を抜けて、スターフェリー乗り場まで歩く。MTR(地下鉄)の1日乗車券の引換券が宿泊パックについていたので、それを引き換えしようと思う。ところがパスポートをホテルに忘れてきてしまい、全くの無駄足になってしまった。フェリー乗り場のコーヒー屋で一息入れて、気を取りなおして歩く。オーシャンセンター(海洋中心)からハーバーシティ(海港城)を通り、ゲートウェイビルまで全て屋内を歩くことができる。ここは世界中のブランドショップが集まっており、これほどの規模のショッピングモールというのも珍しいのではなかろうか。ただ問題があって、外が寒いくらいの気温なのに、ここはもっと冷房が効いている。香港の人は部屋を冷やすとは聞いていたがこれほどとは。ま、ハワイやドバイでもこういう感じではあったが。私は寒暖差に強い、というより寒さに強いがSは寒がりだからこのモールの中は歩きにくそうにしていた。ゲートウェイビルを出ると隣がロイヤルパシフィックなのですぐに着いた。一旦部屋で休むことにする建設ラッシュ高層マンションが多い
 13時半ごろにホテルを出て、今度は北に向かう。広東道を北上して行く。途中で右に曲がり、ネイザン・ロードに入る。ここは中心の通りで、交通量が多く排気ガス臭がひどい。人通りも多くてしかも皆せかせかとしている。おもしろいのは、携帯電話で大声で話している人が多いこと。いやそれでは日本と大差はないが、ハンズフリーキットを装備して、ヘッドホンとマイクを使って、両手を元気に振りながら歩くから、独り言を大声でしゃべりながら歩いているように見えるのだ。中国語の調子も強いから、余計元気に見える。ところで、当方はいささか元気がない。男人街あたりで胃腸の調子が悪くなってきた。なんと早くも食あたりか。大きな立体駐車場でトイレを借りようとするが使えないという。係の人が別のトイレを教えてくれて、そこに急行する。小部屋が7つあるのだがそのうち使えるのはたったの3つで、他は故障している。しかもドアが閉まったままだから使っているのか壊れているのかよく分からないので、その前で延々待っている人もいる。中国の公衆便所の汚さは噂に聞いていたが、ひどいものだ。私はラッキーなことに、前の人が早くコトを済ませてくれたので早めに入ることができた。まったく、初日の(事実上の)昼にもうこんな状態では先が思いやられるというものだ。トイレを出て、立体駐車場を改めて見上げると、ビルの中を高速道路(?)が走っていた。たぶん、ビルの方が後から建ったのだろうが、とんでもない建物ではある。
大衆食堂 古いビルは室外機だらけ 建物の中を道路が突っ切る 乾物屋

 油麻地あたりでさらに右折し、女人街に向かう。ここは、その名の通り、女性のためのものが多く売られている露店が並ぶ街区で、正式には通菜街という名前がある。女女人街性のためのもの、とは服、下着、バッグ、小物類、小型の家電などで、バッグや財布などはルイ・ヴィトンやプラダといった有名ブランドらしきマークがついていたりする。しかし私のような服飾に疎い者が一見して偽物と分かるひどい造りで、これなら成田空港税関の押収品展下着..らしい示物の方がよっぽど高級そうに見える。無論、彼らは偽物と分かって売っている。何しろ「ニセロレックスアルヨ、ヤスイヨ」などと客引きしているのだから。服もほつれていたり縫製が均一でなかったりして、同じ種類の服からいくつか選ばないとハズレを引きそうな気がする。ここの商品は香港の中では安いらしいが、通貨感覚が未だできていないので安いのかどうかは分からない。一方、男性のものが皆無かというとそうでもなくて、ネクタイやTシャツなどがあることはある。ネクタイは冗談のようなデザインのものが多くて、買う気にならなかった。下着なども、パーティなどで使うのか、ド派手でフリフリ・モコモコ、色は紫とか真紅とか、まあとにかくとんでもないものが揃っていた。写真撮影自体は嫌われないので、どんどん撮らせてもらった。ただ、狭くて人ごみがひどいので、懐中には気をつけなければならない。Sはチャイナドレスを1着購入。私は何も買わず、人ごみを掻き分けながらゆるゆると歩いていた。
 女人街が尽きて、やれやれと思う日式クレープを買う。帰りは1本違う道を歩いて戻る。公園があったのでここで一休みする。向かい側に「日式Q餅(クレープ)」なるものがある。日本風、日本式の意味だろうが、クレープに通常のクリームやチョコレートではな鶏屋く(そういうのもあるけど)マヨネーズやらハムなどを入れた甘くないクレープということらしい。日本風じゃないと思うが、話のネタに食べてみる。Sがハムチーズコーンというのを買って、私は普通の大判焼きにした。公園に戻って、花壇の縁に座って食べる。クレープ生地の甘さとハムチーズ、人によって好みが分かれると思うが、なかなか美味しい。大判焼きは当然ながら中華風のあんが入っていて、これも良かった。公園の広場では、バドミントンをしている人たちがいる。たいへん熱中していて、スピードが速い。それに加えて、広場の周りをゆっくり、ゆっくりと歩いている老人もいる。家からの距離では散歩の運動量が足りないのだろうか、いい光景である。

 一休みして元気が出た。油麻地まで歩き、ここから地下鉄MTRに乗る。尖沙咀までは2駅だ。駅にはコンビニや本屋があって便利だ。本屋には日本の漫画が大量にあり、全て中国語に訳してある。Sがお土産に「ドラえもん」を1冊買った。しかし「ジパング」なんて、中国人が読んで面白いのだろうか。第2次大戦中に自衛艦がタイムスリップして歴史に関わっていく、という話なのだが。まあ間違いなく、北京では売られることはなかろうと思う。
 地下鉄の切符は磁気カードで、改札はバーを自分で押して入る。エスカレータが高速で、せっかちな香港人仕様だろうか。最近日本でも速いのが出始めたが、それより速いと思う。プラットフォームは清潔で、列車とフォームの間にドアがあって安全だ。2駅はすぐで、駅を出てホテルまでいろいろな店を冷やかしながらダホテルの外観ラダラと歩いていた。
 親と落ち合って、夕食に出かける。九龍公園を抜けてネイザン・ロードにあるミラマー・スクエアに行く。ここのGF(日本式には1階)にある翠麗華茶寮という店に入った。明るく、間違い探し広い店だ。私は店内に入るなりトイレに直行、オーダーは他の人に任せる。サン・ミゲル(香港のビール)で乾杯する。ライトで飲みやすい。料理は貝と豆腐のスープ、エビとカシューナッツ炒めキノコと野菜の炒め五目チャーハンだ。全て、味は薄めでさっぱりしている。エビについた塩味が疲れた体に心地よい。チャーハンは薄味すぎると感じたので、しょうゆを少し足して食べた。デザートは皆で1品ずつ違うものを注文しよう、ということになり、クワイ入りと、胡桃入りのとろみ甘味スープ、フルーツ盛り合わせ(スイカ・パパイヤ)、マンゴープリンの4種。甘味スープはいずれも慣れない味で、口に合わなかった。マンゴープリンは固めだが美味しい。会計は1人あたり2500円くらいになり、高級な店だがまあカラフルな夜の香港まあの値段であった。
 食後、ホテルの方向に素直には歩かず、遠回りをして帰る。Sと母が色々な店を冷やかしながら歩くので、時間がかかる。こういうとき、買い物に興味がない男どもはヒマだ。父と二人、ぼんやりと歩道に立っていた。
ホテルに戻り、バスタブに湯をたっぷり張って入る。歩き詰めで足が疲れたが、楽しい一日だった。




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