05年4月中旬
第1次香港旅行
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●第3日 05年4月16日(金) 香港→マカオ→香港

 足が痛い。日頃の運動不足に加え、直前に靴を買い替えに行ったのは間抜けだった。08:15に集合としていたが5分遅刻した。朝食は近くの店で、と思っていたが気が変わって中港城のフードコートにする。いくつかの店が集まっていて、好みのところで買えばいいから同行者と意見が合わないという心配がない。今日は日帰りでマカオ見物坦々麺セットだ。食事をする前に、フェリーの切符を買っておく。一人あたりHK$155かかる。Sに往復切符の方が安いと指摘されるが、帰りは弟夫婦と中環で会食するから船着場(船会社)が違うのだ。そういう往復切符は無い。切符を買い、フードコートに行くと、既に大勢の現地の方が食事をしていた。店はたくさんあり、日本食(ラーメン)、ヴェトナム料理などもある。親とSは中華粥、私は坦々麺にする。この定食、麺にハムエッグとパン、コーヒー牛乳がつく。異様、と言っていい取り合わせかと思う。味はそれぞれ問題ないが、取り合わせが..なお、坦々麺は四川残すのがマナーなんだそうで料理かと思うが、ここは薄味の地、従って坦々麺と言えどもそんなに辛くない。その代わり、コクが感じられてこれもアリか、と思える味であった。かといってコーヒー牛乳やパンに合う料理ではなかったが。なお、麺は沖縄そばよりさらに太い。中華粥は、粥の他に何かのでんぷん質のものを蒸した一品がついていて、これに魚がベースのそぼろが乗っていてこれが美味かった。食べ終わると、係の人がトレイを回収するので我々はそのまま席を立てばよい。他のテーブルを見ると、現地の人は必ず何かを残していた。食べ物は残すのがマナーだと言われているが、こんなフードコートでも実行されるものなのだろうか。せっかくのハムエッグのハムを残しちゃなぁ、と貧乏性の私は思うのだが。

 船は双胴のフェリー乗り場からホテルを見る高速船で、マカオまでは70分を要する。前にここに来た妹の話では、かなり揺れが大きく酔うというので、親から酔い止めをもらって飲んだ。酔い止めという薬、30年ぶりくらいだ。昔は自動車に弱かったのだ。もっとも最近も、Sの運転する車で酔ってしまったことがあるが..さて、乗る船はファースト・フェリーという会社で、全席指定だ。飛行機のようにチェックインしなければならないが、そのチェックインもいいかげんなもので、席番号が書いてあるシールを搭乗券に貼るだけである。誰がどこに座ったか、は全く管理しないようだ。この後、出国審査がある。マカオも香港もそれぞれ本土とは区切られた行政区になっていて、移動時にはパスポートが必要なのだ。何も質問されず、黙って出国の判を押してくれた。桟橋にはベンチ窓が汚い..が少なく、たくさんの人が立って待っている。少々この点不親切で、それゆえか出発間際まで桟橋に来ない人も多いようだ。マカオから来た船が遅れたので、我々が乗る時刻も遅くなった。船内は空いていたが、後から団体客が乗り込んできて満席になった。日本人ではなく、中国人だ。おしゃべりがうるさい。
 外はというと、窓がスモークガラスの上、外側が極端に汚くて、そして天気は曇りでほとんど景色が見えない。しかも出航したら我々が座っている左側はひたすら水平線で、すぐに退屈してしまった。ゆえに、暫し眠る。気がつくと、マカオ近くまで来ていた。船はそれほど早いとも思われず、せいぜい20ノット少々のように思われた。前評判ほど揺れなかったのはありがたい。寝ていたから気付かなかったのか..

 マカオも曇りだ。入国審査を通る。今日は日帰りだから、出入国を4回するわけだ。90日の滞在が許可される。実際には数時間しかいない予定だ。海関(税関)は素通り。出口から左へは、近くにあるヤオハンスーパーマーケットへの通路になっている。日本ではつぶれてしまって久しいが、ここではしっかり営業しているようだ。GFに降りて、タクシー乗り場に行ったら気が変わってバスに乗ることにした。バス運賃は2.5Pts(パタカ)で、これはHK$と1対1で通用する。HK$の紙幣・コインをそのまま使ってよい。マカオの交通は香港(英国)と同じで、左側通行・右ハンドルだ。租借していたポルトガルは左側通行じゃないよな、と思うが何故だろう。道路には不思議なほど信号機が少ない。しかし交差点はたくさんあるので、stop/goの連続で疲れる。街並みは香港と同様高層の建物も多いが、街の雰囲気は香港み比べるとのんびりしているようで、建物もしっとりと古びている印象だ。道路に覆いかぶさるような看板も、香港に比べると控え目である。
 さて、バスは自分で降りるところを見極めなければならないのがタクシーより不便だ。セナド広場で降りたい。しかし見過ごしてしまったようで、バスは反対側の海岸沿いまで出てしまい、街の外側を、半島の北東に向かってずんずんと走る。ドッグレース場で意を決して降りる。ここは街の北側で、街外れの雰囲気。美副将大馬路を南東に進み、観音堂というところで寄り道し、ツーリスト学院の坂を登って公園のようなところで一休み。砲台跡までは登る気力がなく、ここらで昼食にしようか、と入った学院のレストランは貸切パーティ中だった。とぼとぼと坂を下り、さて中心部に戻るにはまた丘を越えねばならない。観光ガイドの地図は観光のために作られているせいもあって、消防署や病院などの記載がない。こういうものこそ歩いているときに目印になりやすいのだが。甚だ歩きにくかった。途中で通りがかりのおばちゃんに道を聞くが英語が話せないというので、その人が若い人をつかまえて引き継いでくれた。ありがたいことだ。その若いお兄さんが途中まで案内してくれて、無事、聖ポール天主堂跡地に到着した。ここに来ると観光客が一気に増えて、もう大丈夫だと分かる。ホッとした。
マカオの古アパート 観音堂 落ち着いた街並み ようやく天主堂跡に

マカオで食べた麺 天主堂跡から坂道を下り、食事をしたいが土産物屋が多くて意外にも食堂が少ない。麺屋で昼食とする。既に14時だから空腹を通り越して別にいいや、という気分だ。椅子に座れるのがありがたい。メニューは広東語と英語で要領を得ないが、とりあえず何となく、で注文する。14Ptsと25Ptsのものを注文したが、値段の違いは量の違いのようで、安いものはサイドメニューのような位置付けだったらしい。出てきてからそれを悟るが仕方が無い。私が頼んだものは地元の麺類らしい。太い麺がゴマか豆を混ぜたような味のスープに入っている。上に細かくした鶏肉が乗るがこの肉は味付けがまったく無かった。母が注文した野菜とシイタケのあんかけご飯が最も美味かった。

聖ドミンゴ教会 食事を済ませてさらにを下ると聖ドミンゴ教会のところに出た。折悪しく雨が降り始め、自然と、教会に足を踏み入れる。中は暗く、祭壇だけ明るい。ただ「静かに」とあるだけで写真も禁じられておらず、観光客がフラッシュをバンバン焚きながら記念写真を撮っている。ちょっと興ざめだ。仮に信者だとしても、マリア様の前でニッコリすることが記念になるだろうか..教会内を一周して外に出たら、雨はもっと激しくなっていた。アーケード沿いに歩いて行くことにする。しばらく歩くとセナド広場があった。ガイドに載っている写真と雰囲気がずい分違う。バスから見落としたのはこれのせいか。新馬路を歩き、マカオ名物のエッグタルトを探すが無い。ある餅店(ベーカリーのこと。クッキーなども含む)で中国式のクセナド広場ッキーを振舞われる。杏仁クッキーだ。炭火で暖めて食べる。これが香ばしくて美味しい。Sと母が店に入ってお土産として買うことにする。30Ptsのクッキーを4つと、さらに別の箱もつけて合計を100Pctにしてもらう。元の価格が少々怪しい気もするが、まあまあ安いと思う。

 フェリーターミナルへのバス面白い飾りつけはすぐ来た。古いバスで、街中が渋滞しているのでずっと2速で走る。古いエンジンはガクガクと震え、乗り心地は甚だ悪い。フェリーよりこっちのバスの方が酔いそうだ。1540ごろにターミナルに着く。売店で缶コーヒーを買って飲んだ。冷たくて美味しい。帰りの船会社はターボ・ジェットでこちらの方が船内が豪華だった。椅子がふかふかで広いし、リクライニングもする。天気も悪いし、外はスモークガラスでよく見えないから帰りも寝ていることにした。

 17:30に上黄金色に輝くヨンキーレストラン環のフェリーターミナルに到着した。タクシーに乗って繼L酒家(ヨンキーレストラン)まで行く。ここで18時に弟たちと会うことになっている。このレストランは創業者がロースト・グースの屋台から始めて、ビルを建てるまで成功したというサクセスストーリーが有名らしい。店の窓にグースがぶら下がっているのが見える。ところで、丁度良い時刻に到着したのに弟たちは来ない。大変混雑しており、このままでは予約を取り消されてしまうのではなかろうか。と思って予約台帳を当たってもらったら、1830〜、になっていた。単に連絡されている時刻が間違っていただけだ。店の中は寒いほど冷房が効いているので待つには不適当だ。仕方ないので外でウロウロしていた。ところが予約の時刻になっても現れないので、やれやれ、公衆電話を探すかと思ったら来た。注文は全て任せる。弟はある商社で働いていて、上海に語学留学していたのだが、残念ながら上海で習った北京語はここでは今ひとつ通じなくてやりにくそうだ。まずはビール(サン・ミゲル)、当店名物のグース、フカヒレスープ、ブロッコリーの炒め、エビのXO醤炒め、カエルと野菜の炒め、チャーハンを注文。料理は一気に出てきて、置き場に困るほどだ。料理はXO醤を除いて、全て薄味だ。名物のグースは飴色になるまでローストされているが、その色から想像するよりはずっとあっさり味でくどくなく、美味しくいただいた。でも、日本人の中華料理の感覚では味が薄すぎる、と指摘されるかも知れない。ところで、弟の娘が大騒ぎだ。普段見慣れない人が食卓にいるので興奮しているらしい。明るくていい子だ。
ピータン 名物のグース ブロッコリーの炒め エビのXO醤
カエルのガーリック風味 イー麺の焼きそば ガルーパ ここでエッグタルトにありつく

 料理が足りないか、という話になってさらにガルーパ(魚)と、イー麺の焼きそばを注文する。イー麺は平たいうどんのような麺で、醤油味のソースに絡めて炒めてある。干したエビが入っていてこれがじんわりといい味だった。ガルーパは油が乗っていて美味しい。魚用の醤油がよく合う。デザートはここでようやく念願の(?)エッグタルト、小豆スープ、ココナツミルク、マンゴープリンを注文、どれもなかなかの味で満足した。会計して店を出ると、待つ人が外まであふれていた。

ピーク・トラム ピーク・トラムに乗って夜景を見よう、ということになった。タクシーでトラムの駅まで行く。これはケーブルカーのことで、頂上からは夜景がきれいに見える。トラムは大変な勾配のところを登り、斜度は45度近くにもなるようだ。傾くから、椅子は頂上方向に向くものしかない。木製の背もたれに自分の体重がかかって痛かった。周囲は中環の金融街に勤める欧米の人が多く住む高層マンションが建ち並び、香港の中でも高級な住宅が多いの頂上はモヤっていただそうだ。家の周囲はとんでもない坂道だらけになってしまうと思うが、こういうところに住む人は運転手つきの車で動くから関係ないのだろう。頂上には10分ほどで着く。残念ながらもやっていて夜景はそんなにきれいには見えない。風が強く、冷たい。展望台で集合写真を2枚撮ったら、もう戻ろうかという話になってしまった。幼児がいるからこれは仕方ない。それでも何とかあと2枚、自分の記録用の写真を撮る。もやっていてあまり良い出来では無バスからビルを眺めるかった。
 トラムを降りると、ちょうど中環行きの2階建てバスがいたので飛び乗った。バスに乗るときは小銭が必要で、しかも釣りは出ないからああでもないこうでもないと財布の中を確かめる親をドアに押し込んで、乗ってしまった。運賃は適当に払った。このバスは2階部分に屋根がない。昼間は暑くて乗れないだフェリーターミナルにてろうが、今は夜だし、ここ2-3日は例外的に涼しいようだからここも快適だ。何と言っても、高層ビルを見上げながら走るのは気分が良い。もっと長く乗っていたかった。中環のスターフェリーターミナルで降りる。スターフェリーは船首・船尾の区別がないようで、上から見ると凸レンズかラグビイボールの断面のような形をしている。港で転回したりする時間を節約するためだと思う。所要時間は中環−尖沙咀で8分。当然、地下鉄の方がスターフェリーからの夜景早いがフェリーからは夜景が見える。フェリーは1階席と2階席に分かれており、乗り場も別だ。2階の方が1等席、のような位置付けのようで、運賃はHK$2.2、下はHK$1.7だ。何となく2階席の方に乗ってみた。窓があるところと、オープンエア状態のところがある。椅子は木製の長椅子で、船の進行方向に合わせて背もたれを転換するようになっている。この船らしい工夫だ。船足は遅いが、風があって涼しく、気持ちが良い。左方に中環のビル群が見える。なかなかの風景だ。船の揺れが少ないので何枚か撮っておいたら、けっこうまともに写っていた。
 フェリーを降りて、ショッピングモールを歩いてホテルに戻る。さすがにブランドショップは深夜までは営業していないが、モールは通ることができる。人通りが少ない、冷房の効きすぎた通路は暑がりの私でも寒く感じた。日記をつけて就寝。


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