10年9月上旬
第2次中国(桂林)小旅行
●第4日 10年9月5日(日) 桂林→龍背→桂林
本日は龍背梯田なるところに行く。梯田とは棚田のこと。日帰りツアーで、今回お世話になっている現地ツアー会社にオプションで頼んだ。車で2時間ほどかかる山間の村に行き、棚田を見て現地の方々の食事をお昼にいただいて帰って来るツアーで、車1台と運転手、ガイドさん含め2万円。ちょっと高いけど、本来は4-5人で支払う代金なので、仕方ない。しかしチャーターのメリットは当然あって、うちのような子供連れだと歩きが遅いし、車内で寝てしまったりトイレに行きたいだの、いろいろあるので、数人のグループでも迷惑をかけることになるから、チャーターは気兼ねがなくて良いのだ。
そんなわけで、今日は早目に出発して先に棚田ハイキングをして、その後昼食という構成にしてもらった。
8時にホテル出発。今日の朝食は調理の人が別人になったのか、驚くほど美味しかった。このホテル、部屋は広大で申し分ないのに、こういうバラつきを無くさないと評価が定着しないと思うので、頑張って欲しい。
市内は日曜日なのに朝から結構な交通量で、活気がある。バイクたちのムチャな走りにヒヤヒヤ。子供が気持ち悪くなりはしないかと心配したがどうやら大丈夫のようだ。国道312号線(だったと思う)は意外にきれいで快適、と思ったら、田舎にかかると一部突然舗装が悪くなって、それを運転手が左右に避けて進むので、酔いそうになった。長男Sは早々に寝ていたので気にならなかったようだ。
この国道と、龍背に向かって曲がった先には非常にキツい峠道があり、国道では行き帰り合計4件の事故を見ることになった。カーヴミラーがなく、見通しが悪いのに皆ムリな追い越しをするのだ。ま、追い越したくなる気持ちも分かる。トラクター改造のトラックやバイクに荷室をつけたようなトラックともバスとも言えない軽車両、自転車にリアカー、立派な車両だが過積載と思しきトラックなど、峠道でそういう車の後を走るのはつらい。
幸い(?)、我がドライバー氏は運転が達者で、危なげなく目的地に着いた。
龍背の入口で入域手続きをして、さらに棚田観光のコース(単なる山道だが)入口でもう一度チェック。そこからは自動車の入れない狭い道になる。途中までは広くてコンクリート舗装され、滑り止めの石が埋めてあるが、ある程度上がるとすれ違うのがギリギリの「通路」になる。そこを息子を抱きながら歩き、写真を撮るのはかなり重労働である。抱っこの前に約束した「お父さんが疲れたら歩くこと」条件をいつ発動するか、タイミングを見計らい、もうダメというところで降りてもらった。因みに、ここにもカゴに乗って運んでもらうサーヴィスがあるのだが、市内の山や鍾乳洞と異なり、300元を超える高額。それを払うと、ツアー代金が払えなくなってしまうので我慢する。
稲はもうすぐ収穫で、田は青々としていて美しい。わずか3列しか植えられないスペースにも田を作っていて、その努力には頭が下がる。天候は曇りで涼しく、遠景が霞むけどそれが仙境めいた風景を演出してくれて良い具合だ。
谷のようなところに小さな集落があり、木造の大きな家が建ち並んでいる。これらの家は木の凹凸加工だけで組み上げられ、釘を使わないらしい。1階は家畜小屋や倉庫として使い、2階以上に住み、特に女性は上の階に住むらしい(ヘビが上がって来ないからとか)。元々大きな家なので、部屋を小分けにしてホテルにしているところもたくさんあった。朝夕の棚田を見たい人が泊まるというわけだろう。
途中でアイスクリームを買い(なんと10元!)元気になった長男Sは、どんどん歩き、私が写真を撮っていて遅れると「何やってるの!」と催促に来る始末。おいおい、そんなに元気なら最初から歩いてくれよ。
棚田を見て、下る頃(12時近く)には他の観光客がぞろぞろ上がって来て、狭い通路が渋滞し始めた。さらに雨が降り始めたので、結果的に良いタイミングで観光できた。日程のわりに涼しいこともあり、ガイドさんもラッキーでしたね〜、こういう天気は珍しいですよ、としきりに言っていた。
車で下の入域手続き所のところまで降りて、そこのレストランで昼食。川のそばにあって流れる音が聞こえて気持ちの良いところだ。店の中はまだあまり混んでおらず、落ち着いて食べることができた。
龍背の集落の食べ物、竹筒飯や豚脂身のベーコン、サラミ、臓物系のスープ、椎茸に刻み肉を乗せて焼いたものなど、これがかなりいける。長男Sはスープから臓物を出してかじりついているし、次男Mは竹筒飯(味つけされ小さく刻まれた豚肉入り)をたくさん食べ、途切れると怒り出すほど。なので私は竹筒飯は少しで諦めて、白いご飯(これも美味しい)をお代わりした。豚の脂身のベーコン、見た目はぎとぎとでキツそうなのだが、これが脂身とは思えない味でびっくり。手間かけて味をしみ込ませているのだろう。
食後、公衆便所に入ると、昨日見た「前進一小歩 文明一大歩」のような標語が。ここにあるのは「来也匆匆 去也冲冲」である。「前進・・」はシチュエーションと字そのものですぐに意味が分かるが、「来也・・」はさすがに分からないので、後で調べてみた。「(トイレに)来るときは急いでいても、出るときはちゃんと流せ」という意味らしい。水洗設備が普及していない地域の人は、流すという習慣がないからだという。それにしても、中国語のトイレ標語のようなものは、文字数が揃っていて見た目がきれいだし、ユーモアがあって良い。
ハイキングで疲れた上に、食事で満足したので帰り道はほとんど寝ていた。田舎道のきれいな空気から、桂林市街のホコリっぽくて排気ガス臭い空気に変わり、ああ戻って来たのだなと気付く。
途中でスーパーに寄ってもらい、職場への土産を買って、何か珍しい飲料を、と捜したら、スプライト(雪碧)の「お茶味」なる物があったので迷わず購入。ホテルで冷やして飲もう。
ホテルに戻ってしばらく休憩し、今回旅行では初めての、自分たちで選ぶごはんに出発。ホテル近くの流行っている火鍋屋さんに行くも満席で断念。次男Mは背もたれがないといつ後ろにひっくり返るか分からないので、背もたれがある椅子のある店、なおかつ客が多い活気あるところで選んだ。タバコ臭いのはまあ仕方ない。菜単(メニュー)は漢字のみ、当然簡体なのでさてどうするか。とりあえず、鍋を砂鍋魚鮮(漢字が正しいか自信無し)にして、蛋炒飯、熱汁茄子、炒青菜、例湯(おそらく、「日替りスープ」)を注文。飲み物は稗酒(ビール)、雪碧(スプライト)。ドリンクは菜単に載っていないので筆談。さあどんな料理が来るか。
砂鍋は予想通り土鍋。中味はアラ鍋に厚揚げやエノキが入ったもので、薄味だが魚の風味と柔らかい厚揚げが美味しい。熱汁茄子は薄い肉で包んだ大きく長い茄子を濃いソースで炒めたもの。これが滅法美味しくて唸ってしまった。炒飯はネギは当然入っているが、ドライオニオンも入っていてより香ばしい感じ。
ところで、炒青菜が来ない。今までの料理が早く来たので、忘れられたか、他のテーブルにサーヴされたか。そこでまた筆談。日本人の漢字は中国人には理解し難いのでかなりやりとりをしてようやく「ああ、そういうことね」となったはいいが、もう満腹でキャンセルしようかということで言って見るものの結局大盛りの空心菜が来てしまった。これは困ったと思っていたが、意外や意外、長男Sが次々にお代わりして食べ始めた。最初、スープしか飲まず、スプライトと交互に飲むから他も食べなさいと説教して泣きべそをかいていたのが、なぜこの空心菜を?ま、食べてくれるのは歓迎。結果的にこの炒青菜は来て良かった。
食後、ここ3日で毎日となるアイス屋に行って、長男Sはいつもの氷菓、私はブルーベリーのアイス、配偶者Sは卵のキャラクターが印刷されたアイス。卵のキャラクターなのに、開けてみたら普通のチョココーティングのバニラアイスであった。こういう意外性がよくわからん..
明日は帰国。5時起きなので、早々に寝た。
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