08年4月下旬〜5月上旬
第1次マレーシア旅行
●第2日 08年4月30日(水) KLIA→ランカウィ
夜半に息子が何度か起きた。飛行機に乗って興奮したせいだろうか。エアコンは22℃に設定して、思い出したときにつけていた。つけないと暑いし、25℃以上に上げてつけっ放しだと乾燥して喉が痛くなる。息子は汗だくだった。
6時半頃に目が覚めるがしばらくはうだうだしていた。7時半頃に外を散歩しながら食堂へ向かう。昨日はずいぶん歩いたと思ったが、我々の部屋はレセプションのある棟にも近いところだった。通路を通るとかえって遠回りになるようだ。鳥の鳴き声がそこかしこから聴こえて、気分が良い。
食堂はエアコンが効きすぎて寒い。窓が冷えて、外側に露がついている。食事はビュッフェ方式で、種類が多い。春雨、チャーハン、野菜カレー、コンビーフとポテトの炒めもの、パスタなどを取る..朝から食べすぎである。せっかくの料理は、冷房のせいですぐに冷めてしまうのが残念だ。ジュースはオレンジ、キウィ、パイナップル、りんごの4種類。どれも美味しくいただくが、オレンジだけ"Orange
sauce"になっているのがなんともおかしい。息子は、自分で選んだ丸いパンを食べている。おかずには手を出さないが、パンは丸ごと全部食べた。
何やかやで8時近くに部屋に戻り、08:20にチェックアウトする。バスに乗ると、すぐに空港に着いた。
国内線のチェックインカウンターは空港に入って左手の端にある。今まで出張で2回来ているが国内線に乗るのは初めてなので、どういう手順かはよく分からないが、Self-check
inの装置で試してみたら、あっさり手続きできた。3人分まとめて出来て誠に便利だ。その後で荷物を預ける。
身軽になったところで、まだ時間があるので、出発ロビイには行かず、建物奥のキッズコーナーに行く。ケンタッキーなどファストフードが並んでいる先にある。飛行機の形をした遊具と滑り台があり、現地の女の子たちが数人遊んでいた。そこに息子も混ぜてもらい、大はしゃぎしていた。
遊具で遊んだあとは、展望デッキに行ってみる。その手前に広いスペースがあって何かステージのようなものが組まれている。見ると、10周年記念イヴェントのステージのようだ。新空港が出来て10年なのだ。今は、とりあえずステージ以外のものは置いていない。ステージで勝手に記念写真をして、展望デッキに向かう。と、展望デッキというが、実は屋内にあって、エアコンの効いた室内から外を眺める格好になる。目の前をエアロトレイン(国際線ターミナルへの列車)と、その上を国内線の飛行機がタキシングで通るので、息子は大喜びである。かなりの時間、ここで飛行機を見ていた。
国内線のゲートを通り、A5スポットに向かう。息子は朝から遊びつかれたか、少しふらふらしていた。スポットの前でネスカフェのKopi
latte(Kopiはコーヒーのこと)を買う。RM2.9、非常に甘かった。A5の待合室では息子が急に大泣きしてしまい、周囲の注目を浴びる。何人かの子供が慰めに来てくれた。言葉は通じないが、こういうのは嬉しい。
KL→ランカウィの飛行機はB737-400で、小さい。機内はほぼ満席で、我々は最後列の27A・B席だ。むずかる息子を抱いて席に急ぐ。息子は離陸までに寝入ってくれて、一安心だ。離陸すると、マラッカ海峡を左に見ながら飛ぶ。地図で見ると狭いところに見えるが、ジェット機の高度で見ても意外に広いところのように思えた..と書いていて、地図を見直してみたら、マラッカ海峡が狭いのはマレー半島南側。我々は北上しているのだからどんどん広くなる方向なのだった。しばらくすると雲が多くなり、景色は単調になってしまった。航路表示を見るに、ほとんど海の上だったようだ。
機内サーヴィスでピーナッツとジュースが出る。ピーナッツはマレーシア航空ではおなじみのものだ。ジュースはピーチ主体のミックスジュースのようで、色はピンク色。短い区間なので、サーヴィスはこれだけだ。外は雲しか見えないし、少々退屈した。
12時少し前にランカウィ空港に着陸した。島の周囲の海があまりきれいには見えないのは残念だ。空港は一応国際空港のようだが、小さいところで、飛行機からはタラップを使って降りた。小さな飛行機なのに、荷物が出てくるまでに20分も待たされた。こういうところはノンビリしている。荷物を受け取り、タクシー乗り場に行く。空港にはチケットタクシーがあって、行き先を告げて料金を前払いしチケットを受け取る。そのチケットを運転手に示せば、言葉が怪しくても、ボッタクリにあったりもせず、場所を間違う可能性も低く便利だ。我々が泊まるベルジャヤ(Berjaya Langkawi Beach and Spa Resort)は島の西〜北西部にあって、島の一番メジャーなパンタイ・チェナン、パンタイ・テンガーとは空港から見て方向が反対で、遠い。ベルジャヤまではRM20(600円少々)で、マレーシアのタクシー代としては高い部類かと思うが、それだけ遠いのだった。チケットには番号が記され、その番号の車両に乗る。空港を出るとすぐに田舎道で、鄙びた、ノンビリとした雰囲気の場所だ。島の北西〜東部にかけては山岳地帯なので、しばらくするとタクシーは山道に入った。ぎくしゃくした運転に、息子がむずかり出した。まずいと思っていたら、前方の車が徐行し始めた。左手にサルの群れが現れたのだ。そこで小休止して気分が変わり、無事にベルジャヤリゾートに着いた。
着いたのは13時ごろ、もうチェックインできるというので、部屋に向かうことにする。ここは管理棟とレストランの他は、個別のコテージになっている。山の斜面から海上まで、別荘地のようにコテージが並んでいて、広々としていて良い。コテージへは定期的に循環している車で行けるし、コテージから出るときは電話で呼ぶことができる(むろん、歩くことも)。受付ロビーは大きな屋根の下、噴水もあって息子も気に入ってくれたようだ。この宿はインターネットのホテル予約サイトで取ったのだが、コテージ1棟1泊あたり15000円程度。朝食なしの条件だったはずだが、朝食券をくれた。ありがたく使わせてもらおう。そもそも、繁華街と反対方向で周囲に何もない孤立したところなので、朝食はここで食べるほかはないのだ。まさか外にタクシーで食べに行くわけにも行かないし。
シャトルの車に乗る。小型トラックの荷台にベンチを載せたようなもので、屋根はあるがサイドはオープンだ。年中気温があまり変わらないリゾートならでは、といえよう。かなりのアップダウンがあり、荷物を持った状態では歩くのは厳しいだろう。なにしろ、30℃を超えていて暑い。コテージ(ここではシャレーと呼んでいた)は3204号、木造で、大きな一室に大型のダブルベッドとカウチ(これはほとんどベッドと言ってもいい感じ)、書き物をする机と椅子、ミニバー、テラスにもテーブルと椅子。窓からは海も見えて、周囲は鬱蒼とした森、聴こえるのは鳥と虫と風の音だけだ。エアコンも装備されていたが、意外に実用的だったのは天井の大きなファン。これが涼しい(ただし作動音がちょっと大きいが)。ほかに、フマキラーマレーシア社製のベープマットも装備されていて、申し分ない設備だと思う。息子は大興奮で、ベッド周りにある多数のスイッチを押しまくりであった。壊さないでくれよ..
まずは周囲を散策してみる。内線4番でシャトルを呼ぶ。それを待つ間、シャレーへの通路で息子は蟻を観察して興奮していた。息子はなぜか蟻が大好きなのである。汗だくになりながら、熱心に見ていた。
しばらく経ってもシャトルが来ないので、歩いてみる。坂を下ると、シャトルが来たので乗せてもらうことにした。ロビーに出て、さてどこかに行ってみるかと思う。空港からここに来る途中に、オリエンタルヴィレッジなるところがあったので、そこに行ってみる。近くだと思って歩き始めたら、大いなる誤算で、炎天下ゆえ予想以上に疲労する。息子が汗だくになり、顔が赤くなってきたので急いで歩いた。ほどなく、オリエンタルヴィレッジが見えてきた。
まずは食事にする。もう14時になる。ここは01年にオープンしたとのことだが、まだ完成していないところもある。フードコートも一部の店は開いていない。まずは水をもらうべく、オーダーする。水、アイスコーヒー(Kopi ais)、シーフード焼きそば、ナシ・ゴレンを注文した。水は息子がゴクゴク飲んでいた。熱射病だけは避けなければ。コピ・アイスはカキ氷にかけるようなシロップを水で溶いたもののようで、非常に、非常に甘い。酒が禁じられているマレー人は甘いドリンクを好むとは聞いていたが、これほどだとは。最後まで飲めなかった。料理は良かった。焼きそばは量が少ないが味は良くて、息子がたくさん食べてくれて一安心だ。暑くて食べる気がしない、となると困るのだ。ナシ・ゴレンは少し薄味ではあるが、付けあわせのイカのてんぷらのようなものやチキンが美味だった。会計するときにカップのアイスクリームも買う。合計でRM19、観光地価格のようで、高め。
アイスクリームを持って、ウサギなどが放し飼いになっている一角に向かう。エサはRM1、息子に持たせたら多数のウサギが飛び掛るように集まってきて息子は泣き出してしまった。でも、すぐに慣れてご機嫌でエサをやっていた。日陰で涼しく感じたところも大きいだろう。
次にケーブルカーに乗る。ここには標高700mまで登れるゴンドラがある。飲み物が持ち込み禁止になっていて、麓の駅の改札前に置く。当然、名前も引換券もなく、似たような水のペットボトルばかりで、これは戻ってきてもどれが自分のかは全く分からないだろう。幸い、私の持っているのはレモンティで、他にいないようなので、それを目印にしよう。ゴンドラは6人乗りでエアコンはないが、動き出すと風が入って涼しい。眼下には熱帯雨林が広がり、山並みも美しく、景色を大いに楽しんだ。
中間駅で降りることができる。麓に比べると涼しくて、展望台からの景色もきれいで、気分が良い。ただ、スッキリと晴れてはいないので、遠目は効かない。涼しくなったからか、息子は上機嫌である。息子はなぜか、周囲の観光客に人気で、たくさん写真に撮られた。単独で息子の写真だけ撮っていく人もいる。意外というか、不思議だ。
中間駅から頂上までの区間は短い。その頂上駅からさらに階段で展望台に登れるし、また右手には展望橋がある。この橋は山と山の間にかかっていて、つまり空中を歩いているような趣向で、少々高所恐怖気味の私は落ち着かない。この橋までは山道を上り下りする必要もあり、息子を抱いて歩くのは大変だった。せっかく涼しいはずが、汗だくである。橋の上で息子が不機嫌になり、腕の中でエビのように反り返るのでますます疲れるが、まあこれは仕方がない。ゴンドラの駅に戻るまでに、息子は寝入っていた。
麓の駅に着き、レモンティと水を回収して宿に戻ることにする。もう歩くのはいやなので、タクシーだ。運転手に行き先を告げると、RM5と言われる。これはちとボッタクリ価格だと思うが、今は背に腹は代えられず、乗ることにした。部屋に戻り、カウチで一休み。気分良し。
19時ごろ、ビーチまで歩く。19時といっても、わりと明るい。ボルネオ島からマレー半島までを同じ標準時で揃えているので、西のほうは早起きになっているからだ。とはいえ、ビーチには人影はなく、ただ波の音が聞こえるだけだ。しばらくその夕景を眺める。
管理棟の中にある中華料理店で夕食ということにした。セットメニュー1とクラウン・ラガー(これは豪州のビール)を注文する。息子はここでも店員に人気で、よく構ってもらっていた。料理は、まず海苔とシーフードのスープ。これはすばらしく、汗をかいた後に塩味が心地よく、息子もたくさん食べていた。次に、と思ったら料理は一気に出てきた。白身魚、貝、野菜の炒め物、イカとニンニクの炒め、チャーハンなどでどれも美味であるが、特にプリプリの白身魚は気に入った。ただ、料金は1人あたりRM48(1500円程度)でやはりホテルの食事はかなり高い。
コンシェルジェにシャトルを頼むと共に、部屋の電話の修理を依頼する。断線したのだ(息子がいじったせいか??)。部屋に戻ってのんびりしていると、22時近くに修理の人が来た。こんな遅くに来なくてもいいとは思うが、明日シャトルが呼べないのも困るし、まあ良しとしよう。
外を見ると、星がきれいだった。日記を書いていると、疲れと酔いですぐ眠くなってしまった。
第3日へ
旅行記トップへ