他メーカのスクリューマウント・日本製
(焦点距離は、オリジナルがcm表記でも、mmに統一)
*印がついているものは、既に手放したもの

 種類が増えたので、海外製と日本製のページを分けた。キヤノンが一番種類が多いのでそれを先にまとめ、キヤノン以外を下に掲載している。
 

●キヤノン
キヤノン Canon 25mmF3.5
 以前所有していたが、今一つ使いにくい感じがして馴染めなかったので、手放している。当時は24mm(対角84度)近辺の画角が苦手だった。今はデジタルでこのくらいの画角からのズームが増えたこともあり慣れたので、再び入手した。
 トポゴン型のレンズで、フィルム側に平らなガラスを置いて収差補正をしていると言われている。周辺は少々甘く逆光にも弱いが、順光で絞ればきりっとして風景にも十分使える。
 
キヤノン Canon 28mmF2.8
 薄い外観の広角レンズ。ライツのSummaronもそうだが、こういうレンズはレンジファインダー機に似合うと思う。絞り開放からF4くらいまでは周辺光量落ちが目立つが、F5.6くらいで自然な感じになり、F8ではだいたい気にならない。Canon 6Lに、純正のファインダーとともに装着して使っている。
 
キヤノン セレナー Canon Serenar 28mmF3.5 *
キヤノン Canon 28mmF3.5
 NYのウォールストリートカメラで入手。スクリューマウントの3本目は、海外調達であった。何も、日本製のレンズをNYまで行って買うことはなかったのではないか、と思う。それは、安かったからである。日本の市価の、ほぼ半値だった。後年、セレナ―銘がない後期型
(というのがあるのかどうかは分からないが。キヤノンのミュージアムサイトではI型がセレナ―銘、II型はキヤノン銘だがピントリングが黒いタイプとなっている)を入手している。2本目は距離表示がmのもので、これはかなり珍しいのではなかろうか。
 2本とも写りはそこそこであまりくっきりとした感じがない。開放では周辺が怪しい。絞れば線の細い描写になる。2本目のレンズは曇りがあるのでコントラストが低いが、1本目のときも少し眠い感じだったので、元々の特性との区別が難しい。古いレンズではこういうのが判断しにくい。
           
キヤノン Canon 35mmF1.5
 大口径の広角レンズ。発売は58年で、時代を考えるとやむを得ないが、逆光ではかなりゴーストフレアが出る。中心部の解像は細かいが、周辺は収差によってボケるし、光量も不足する。F4くらいに絞ればだいたい隅々まできれいになる。絞り開放付近のボケ方やコントラストの低さは個性的。大口径だがさほど大型でもなく、よく持ち出している。専用フードを使う時は、フィルターも純正を使わないと、四隅がけられるので要注意。
 
キヤノン Canon 35mmF1.8
 4群7枚構成の明るい広角レンズで、その構成からライツの初代ズミルックスに似ていると言われるが、こちらの方が先に発売されている。絞り開放では全体にほわっとした写りで、周辺の解像は悪いが絞れば急激にシャープになる。
 外観は、全体が銀色で光沢仕上げだった世代と、黒くなった世代の中間にあって、絞りリングが黒、ピントリングが銀の非光沢仕上げという個性的なものになっている。
           
キヤノン Canon 35mmF2 (I型)
 キヤノンのスクリューマウントの広角レンズでF2及びそれより明るいクラスといえば35mmF1.8が1957年に出て、翌年F1.5、そしてこのF2が62年で、後発のレンズということになる。翌年にはII型になっておりどこが異なるのかは分からないが、キヤノンのミュージアムサイトの写真では、II型では被写界深度目盛りのR(赤外線)指標がなくなっているのが外見上の違いのようだ
(I/IIの型名はレンズには表示されていない)。レンズ構成は4群7枚で同じだ。後発ということもあってよりモダンな黒い鏡胴に収まっており、材質もアルミ系で軽いレンズである。
 絞り開放では中心部はシャープはあるが周辺は甘く、風景なら最低でも2段程度は絞る方が良い。先に出たF1.5の方がずっとインパクトはあり、比べるとこのレンズは少し地味な位置になるのは致し方なく、現在の市場でもあまり見かけないが、コンパクトにまとめつつF2の明るさもあり、使い勝手は良い。
           
キヤノン Canon 35mmF2.8 (銀鏡胴)
 NYのウォールストリートカメラで入手。極めて鮮鋭な写りに感動した。その後他の機材資金のために手放したものの、やはりあった方が良いと思い直し後年もう一度手に入れた。2本目のレンズは距離表示がmで、これは珍しいものである。
 4群6枚のガウス型広角レンズで、ライツのズマロンが非常に高くなってしまった今、こちらは市場に多く残っており求めやすい価格に落ち着いている。
 
キヤノン セレナー Canon Serenar 35mmF3.2
 3群4枚の35mmF3.5に続いて4群6枚構成で少し明るくなったモデルだ。キヤノンのレンズミュージアムのサイトによると、F3.2が51年6月、F2.8が51年10月に出ていて値段もほぼ変わらないので、急速なモデルチェンジぶりに驚く。いまの市場にあるモノの数からも、F3.2の方はあまり出なかったのではないかと思われる。
 描写は少し甘めに感じる。コントラストが低く、高輝度部にぼんやりとフレアがかかるのは経年劣化などもあるのかも知れない。F2.8の方がシャープでくっきりとした描写であり、F2.8の方が一般的には受け入れられそうだ。
 このレンズは入手予定はなかったが、距離表示がmのものを見かけたので確保した。キヤノンの銀鏡胴レンズでは他にも同じような衝動買いをしていて我ながら呆れる。幸いなことに、m表示が珍しいと言ってもフィート表示に比べて全く高くなることがないのは有難い。
           
キヤノン Canon 50mmF1.2
 レンズの長さ方向は比較的抑えられていると思うが、直径は大きい。社外のフードがついているものを買ったが、Canon Pだと距離計像の一部が欠けるのは残念だ。
 絞り開放付近でもなかなかシャープである。開放付近の絞り形状は円形ではなくギザギザしているので、ボケ像にも少し影響がある。それを想定しながら構図を考えるのは難しいが、RF機なので撮影時はボケが見えないし、経験を積んで行くしかない。
 
キヤノン Canon 50mmF1.4 (II型)
 F1.8に比べると大柄だが、ファインダーへのかぶり方もさほど気にならず、構える時のバランスも良い。開放付近は周辺の収差が目立つが、解像は良好で、よく写るレンズだ。
 
キヤノン Canon 50mmF1.5
 ゾナー型でコンパクトにまとまった大口径レンズである。絞り開放では解像はしているが白っぽいものがまとわりつき、独特な画像になる。F2以降は急激に画像が締まって、F2.8ともなるとほぼ全面にシャープになる。この頃の大口径レンズとしては比較的市場に多く残っていて、安価である。
           
キヤノン Canon 50mmF1.8 (銀鏡胴) *
キヤノン セレナ― Canon Serenar 50mmF1.8
 最初に買ったスクリューマウントレンズである。ライカIIIcを買ったはいいが、レンズがない。しかし、ボディの費用で予算をほとんど使い果たし、とてもライツのレンズは買えない。よくあるパターンではないだろうか(私だけ?)。そこで、秋葉原のNで格安に手に入れた。すごくよく写ったし、金属の鏡胴はメッキが傷んでいたものの美しく、しばらくはこれでずっと撮っていた。なにしろ他にレンズを持っていなかったから、交換のしようがなかったのだ。
 その後ライツ系レンズがメインになり手放してしまい、しばらく手元にない状態であったが、距離がm表示のものを見つけて再び入手した。こちらはセレナ―銘のレンズで、中身は同じだ。
(24年5月 作例入れ替え)
 
キヤノン Canon 50mmF1.8 (II型)
 キヤノンのRFシリーズへの復帰に際して
、ボディをPにしたので新しい世代のレンズにしようかと入手した。第一世代同様、よく写るレンズである。
 
キヤノン Canon 50mmF2.2
 F1.8やF2.8がある中、F2.2というのは面白い。5枚構成のクセノター(ビオメター)型レンズで、4枚目レンズが分厚く、フィルム側のレンズの開口が大きい。全体が小柄に出来ていて使いやすいレンズである。絞り開放ではもやっとしたものがピント面にかぶって来るが、F2.8以降はシャープである。
           
キヤノン Canon 50mmF3.5
 沈胴タイプのF3.5レンズだ。セレナ―銘ではなくキヤノンの名前になっている。この頃の国産沈胴レンズはライツのエルマーの絞り操作に対して改良をしていて、レンズ正面ではなく側面に絞りリングがあり、使いやすい。描写は良く、絞り開放ではコントラスト低下が目立つが、ピントはしっかりしている。コントラストについてはこの個体の拭き傷の影響かも知れないので評価は保留とするが、順光では十分よく写っている。
 
キヤノン Canon 85mmF1.8
 キヤノンの85mmといえば、銀色の鏡胴のF1.9をよく見かけると思うが
(黒い鏡胴のF1.9も存在する。ものすごくレアなようで、市価は非常に高い)、このF1.8はキヤノンのRF機用スクリューマウントの最後期に出たもので、あまり数が出なかったらしい。先代のF1.9レンズから1枚減った4群5枚とのことだが、ずっしりと重いレンズである。ヘリコイドは二重ではなく、フォーカシングに伴って前枠までまとまって回るタイプで、絞り値の変更時にヘリコイドも動いてしまうのが少し使いにくい。距離計の連動は、鏡胴内部に変換カムがあり、50mm相当の動きをカメラ側に伝えるようになっている。
 写りといえば、ボケ像が二線になるという評価が多いようで、実際硬めな感じはあるが、背景とのバランスを考えて撮るしかない。自分はさほど悪いボケではないと思うし、フォーカスはシャープである。
 
キヤノン Canon 85mmF1.9 (II型)
 キヤノンの85mmといえば、銀色の鏡胴のF1.9をよく見かける、と上に書いているが、よく見かけるとつい手にしてしまうというオチで、状態が良くないが市価の半値以下というものを入手した。けっこう酷い曇りがあったが、絞り前後のレンズのようであり、簡単に清掃できる場所と予想して入手し、実際分解
(ねじ込みだけだった)してみたらすぐにその面が出て拭き取れた。シャープな写りで色もきれいである。
 外見は、光沢の表面処理が眩しいというか、距離や絞りの数字が見にくいので少々困っている。ドイツのレンズシャッター機のシャッターダイアルの光沢度に通じるものがある。それより驚くのは重量だ。4群6枚のガウス型のレンズが入っていることに加えて、真鍮製の鏡胴が非常にずっしりしたもので、II型はそれでも少し軽い方なのである
(キヤノンのミュージアムサイトによると、I型 605g、II型 410gとある)。距離表示が珍しいm表示で、これで28mmF3.5、35mmF2.8、35mmF3.2、50mmF1.8、50mmF3.5、85mmF1.9と銀色鏡胴のレンズシリーズでm表示のものが揃った。
           
キヤノン Canon 100mmF3.5
 100mmという焦点距離・画角はライツ系のカメラではファインダーが対応していないが、キヤノンのカメラを持てばこれはなかなか使い勝手が良い。100mmF2もラインナップにあるが、さすがに大きいので、このレンズの方が使いやすいと思う。
 
           
●キヤノン以外
なんとなくメーカーごとに並べていたが、数が多くなってきたので、焦点距離順、F値順に並べ直した。
           
GR 28mmF2.8 (リコー)
 リコーGR1に搭載されたレンズをライカスクリューにしたもの。小型にまとまっていて、使いやすい。ガチガチのコントラストではなく、適度なウェット感があって好ましい描写のレンズだ。GR1も持っていて一時期よく使っていたが、海外旅行中に故障し、修理したものの再び不動となってしまっていて、現時点ではこのライカマウントレンズが使えるレンズとして残っている。
GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8
GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8
GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8
GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8 GR 28mmF2.8
 
ヘキサノン Hexanon 35mmF2 (コニカ) *
 コニカ・ヘキサーに搭載されているレンズをライカスクリューに載せて、限定で販売されたもの。元のヘキサーが既に評価の高いレンズだったので、安心して買った。実際、写りは良い。少し暖色傾向のようで、人物にも向くと思う。旅行か何かの資金作りのため、手放した。
Hexanon 35mmF2 Hexanon 35mmF2
 
コムラー W-Komura 35mmF2.8 (三協光機)
 国産メーカーとして意欲的なスペックの製品を多く出していた会社だが、現在市場に残っている数はあまり多くないようだ。35mmや105mmは比較的よく見かけるので入手はしやすい。35mmはF3.5とこのF2.8がオークションサイトやカメラ店で数個程度は常時見られるものの、36mmF1.8は博物館級だろう。
 このレンズは使いやすい大きさでカメラとのバランスが良い。個体の問題と思われるが、片ボケで左側周辺の画質が良くない。絞れば問題にはならないので使っている。
           
ズイコー Zuiko 40mmF2.8 (オリンパス) *
 50年代に輸出用として製作された準広角レンズ。中央は極めて鮮鋭だが、周辺四隅で急激に画質が落ちる。色はよく出るのでカラーでも十分に使える。外観はライツのズマロン風で、小型である。回転ヘリコイドなので、同シーンを絞りを変えながらの撮影するには不便である。各部の加工はこの当時の日本製らしく、それほどしっかりはしていなくて、動きが均一でないし、メッキも劣化している個体が多い。
Zuiko 40mmF2.8
Zuiko 40mmF2.8 Zuiko 40mmF2.8 Zuiko 40mmF2.8 Zuiko 40mmF2.8 Zuiko 40mmF2.8 Zuiko 40mmF2.8
 
スーパーロッコール Super Rokkor 45mmF2.8 (千代田光学/ミノルタ)
 通称「梅鉢」と言われるレンズで、24x32mmフォーマット(ニホン判とも呼ばれる)を想定した画角・焦点距離であり、35mm判での周辺の解像は甘く、相当絞らないと良くならない。自分の個体だけかも知れないが、絞りリングがものすごく軽く動くので、時々想定外の絞りになっていることがあるから注意が必要だ。
           
スーパーロッコール Super Rokkor 50mmF1.8 (千代田光学/ミノルタ)
 下に書いている50mmF2が先に出て、レンズを1枚減らした5群6枚構成でF1.8レンズとして出たのがこちらのモデルだ。F2がアルミ系の銀色鏡胴であるのに対して、ピント調節と絞りリング部分が黒くなり、外見上はより新しい雰囲気のデザインになった。F2に比べて価格が高かった
(千代田光学としては最後のライカマウントレンズで、数が少ないのも理由か)が、最近値下がり傾向にある。
 描写は、絞り開放では同心円状に引っ張られるボケは先代と同様にあり、また枝状のものはうるさい感じのボケになる。ピントはシャープである。
           
トプコール Topcor-S 50mmF1.8 (東京光学)
 東京光学のF2のシリーズはSなしの初代銀鏡胴、Sつきの銀鏡胴、一部が黒いもの(通称 中期)、全体が黒いアルミ鏡胴と複数の世代を経て、最後にはF1.8レンズが開発されたが、供給先として想定されたレオタックスが倒産したため、F1.8レンズはごく少量の生産に留まったとされている。鏡胴の形はF2と変わらないが絞り値表示が黄色になっているのが外見上の大きな違いで、また、レンズ前玉の大きさや曲率も異なっているので、設計自体は新規にされたようである。曇りやすいレンズらしく、市場にあるものは何らか不具合を抱えている感じである、といっても、私はこのレンズの現物を今まで3本しか見たことがないので断言はできないが。自分の持っているものは1枚目と2枚目の貼り合わせ面に薄い曇りがあって修理不可能である。残念だが、写りはすばらしく良く、十分実用になる。
           
ヘキサノン Hexanon 50mmF1.9 (小西六)
 上のヘキサノン35mmは新しいレンズをライカマウントにしたものだが、こちらは元からライカマウントのレンズである。主としてレオタックスとの組合せで流通していたレンズだと思われる。5群6枚構成のレンズで、写りが良いことで定評がある。逆光には弱いが、ピント面はシャープで、ボケが整っているのも良い。オールドレンズの評価でよくある、グルグルボケというのが出ないレンズだ。以前はかなり高い値段がついていたが、近年まとまって(?)市場に出てきた感があり、きれいなレンズが都内のいろんなカメラ店に並ぶようになった。
           
フジノン Fujinon 50mmF2 (フジフイルム)
 F2.8の方を探していたが、偶然F2が安く出ていたので買ってしまった。コントラストは弱めで、逆光では白っぽくなるところもある。ボケが穏やかで良いレンズである。レンズ外観は同じスペックの他社レンズより大柄で、M型ライカやコシナのBessaシリーズに似合う。前枠はフィルタ径43mmであり、オリンパス35のフードをつけて使っている。
Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2
Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2
Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2 Fujinon 50mmF2
 
スーパーロッコール Super Rokkor 50mmF2 (千代田光学/ミノルタ)
 この後のモデルの黒い鏡胴のF1.8の方が評価は高いか。価格もこちらの方がずっと安価だ。ライツのズミクロン50mmとレンズ構成が似ていることで有名。鏡胴はピントリングと絞り部分がアルミ系のようで、レンズ根元は真鍮へのメッキで、色合いがけっこう違う。
 写りは絞り開放付近ではコントラスト低め、周辺光量落ちも大きいが2段も絞るとくっきりとして全体に均質になる。
 
トプコール Topcor-S 50mmF2 (東京光学) 中期・黒白鏡胴
 トプコールのF2クラス50mmは前期が銀色鏡胴で2種類、後期は黒鏡胴でF2とF1.8があり、このレンズはその間にあって黒い絞りリングと距離計リングが特徴的なレンズである。シリーズ中、F1.8に次いで市場で見かけないレンズだと思う。各世代のレンズを比較しているwebサイトによると、この中期のレンズが最も良いとされているが、私も実際使ってみて良いレンズだと感じた。ボケは同心円状に引っ張られるが、ピント面はシャープで色もきれいに出る。
           
トプコール Topcor-S 50mmF2 (東京光学) 後期・黒鏡胴
 アカサカカメラでなぜかまとまって数本安価に出ていたので入手。写りはすばらしい。絞り開放でも少し絞られている形になっている。ヘリコイドの回転角はこの手のレンズとしては少ない。
           
オーナー Honor 50mmF2 (瑞宝光学精機)
 測量機器や双眼鏡などを製作していたメーカーで、カメラ用には小西六からレンズ供給を受けていたとも、途中から自社製になったとも諸説ありこのレンズの来歴はよくわからない。この後の世代の50mmF1.9は小西六と似ているような感じはするが、50mmF2は同世代の他社のレンズと形が似ていないように思うのだ。
 それはさておき、小柄できれいなレンズである。コーティングはアンバー系、レンズ構成は4群6枚とのことだ。絞り開放から画質は良く、ボケは少し同心円状に引っ張られるがさほど強烈ではない。バランスの良い優秀なレンズだ。
           
ニッコール Nikkor H・C 50mmF2 (日本光学)
 ニコン系統は敢えて手を出さないでいたのだが、ついに入手してしまった。1.5フィートまで寄れるレンズで、距離計は3.3フィート(1m)まで連動し、その距離のところにクリック感がありわかるようになっている
(カメラが1mより手前まで距離計連動するタイプでも、距離計連動カムがレンズ側の距離計連動部外側のマウント部で停まるため1mより手前ではファインダーでのピント合わせは出来ない)
 描写は中央部はシャープ、周辺は少し怪しい。糸巻型の収差があるので直線状の背景では気になる。絞り開放からコントラストが高く優秀だ。
           
フジノン Fujinon 50mmF2.8 (フジフイルム)
 F2.8をようやく入手。前玉に拭き傷があり、後玉にはわずかにカビ跡があるというもので、外観はきれいだが安かった。後年、レンズ状態が良いのに買い替えている。クセノタータイプの構成で開放からしっかり解像していてよく写るレンズだ。絞り開放の背景ボケは同心円状に引っ張られぐるぐる回る感じだ。コンパクトなので、スクリューマウントのボディによく似合う。
Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8
Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8
Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8 Fujinon 50mmF2.8
 
           
 
スーパーロッコール Super Rokkor 50mmF2.8 (千代田光学/ミノルタ)
 オリジナルは45mmF2.8、通称「梅鉢」と言われるレンズが元で、45mmは24x32mmフォーマット(ニホン判とも呼ばれる)を想定した画角・焦点距離だったのを、24x36mm判をカバーする50mmとしてリニューアルされた。梅鉢の外観デザインから普通の円筒形に変わり少し大柄になったものの、F2レンズに比べるとやはりコンパクトで軽量である。
 ピント面はシャープで、ボケは少しざわついた感じになる。また、ボケ像の高輝度部が強調されたような形になっているのが少し気になる。
           
ヤシコール Yashikor 50mmF2.8 (ヤシカ) 後期
 シリアル番号の頭2桁で世代が分かれるとされ、"81"が初期型で3群4枚構成、"91"が後期で4群5枚構成とされている。鏡胴の長さ、銘板のフォントも異なるので区別はつきやすい。
 持っているのは後期型で、結像、色合いともよく写っている。他社のコンパクトなF2.8級レンズに比べて長く見えるのとそっけない外観ではあるが、写りはすばらしい。
           
トプコール Topcor 50mmF3.5 (東京光学)
 90mmレンズと同系統のアルミ素材の外観が特徴的な、固定鏡胴のF3.5レンズである。ライツのエルマーと同様の構成の初期型と、テッサー型になった後期型があり、私が持っているのは後期のものだ。シャープなレンズとして評価が高いものであり、実際使ってみてその通りだと感じた。レンズ前玉が突き出た形ゆえか傷が多い個体が見られ、自分のレンズも少し拭き傷がある。しかし極めてシャープに写り、逆光でも特に問題はなさそうだ。
           
ニッコール Nikkor Q・C 50mmF3.5 (日本光学)
 F2を手に入れたら次は当然F3.5、となることは分かっていた。これも1.5フィートまで寄れるレンズで、距離計連動は3.3フィート(1m)までである。フィルター径が34.5mmと特殊なので、フードを使うには34.5→37mmなどのステップアップリングを使い一回り大きいタイプを使うか、ライツのエルマー用かぶせフードなどを使うと丁度よい。
 描写は絞り開放からシャープである。周辺画質は少しもやっとするので全体を均一にするならF5.6以上に絞る必要がある。ボケ味はざわざわするタイプだ。
 
トプコール Topcor 90mmF3.5 (東京光学)
 小型にまとまったトリプレットの中望遠レンズだ。外観は輝かしいアルミの表面仕上げが美しい。
 描写は、絞り開放から鮮鋭な画像が得られる。ボケは同心円状に引っ張られ、被写体によってはざわざわするので、背景は選ぶ必要がある。絞り開放では周辺光量落ちが目立つがF5.6で概ね均一になる。発色も良く、優秀なレンズである。
           
コムラー Komura 105mmF2 (三協光機)
 コムラーはライカスクリューマウントや他マウントで80mm、105mm、135mmと小刻みにいろいろなレンズを出していて、探してみると同スペックでも外観に世代の違いがあって面白い。さらに、F値のバリエーションも豊富で105mmではF2、F2.8(後にはF2.5になる)、F3.5がラインナップされていた。レンズ構成はF2〜F2.8はエルノスター型、F3.5はトリプレットでそれぞれに根強いファンがいるようである。このF2レンズは、中央部は絞り開放から鮮鋭であるが周辺の結像は悪く、良像面積を大きくするにはF5.6以上に絞る必要がある。この焦点距離で開放がF2なので、ピント面以外は大きくボケるから、ファインダーを見て仕上がりを想像するのは楽しい。
           
コムラー Komura- 105mmF2.8 (三協光機)
 銘のKomura-の最後の"-"は、おそらくコムラーの伸ばした音を表しているのだろうが英語圏では理解されなかったのではなかろうか。これは、ついているものとそうでない世代がある。
 描写は、近景のピントは十分にシャープだがボケは癖があり枝など線があると目立つ。逆光には弱くうっすらとしたフレアが見られる。
           
コムラー Komura- 105mmF3.5 (三協光機)
 F3.5レンズも入手するに至った。このレンズはトリプレット型の構成で、レンズ外観は小型に出来ている。四隅で急激に光量が落ちるが、周辺近くまで良好な像を結び、よく写る。トリプレット特有のバブルボケを期待する方もいらっしゃるようだが、ボケの輪郭は少なく、素直な方だと思う。
 
ライカ系カメラに戻る
 
トップページに戻る