05年7月下旬〜8月上旬
第1次オーストラリア旅行


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●第4日 05年8月2日(火) ケアンズ→キュランダ→ケアンズ

 起床して、昨夜買ったタイ料理の弁当を食べるがくどい感じがする。不味いわけではないが、やはり暖かいうちに食べるものだと思う。さて、今日はキュランダ鉄道に乗る。ケアンズからキュランダまで、熱帯雨林の中を登って行く登山鉄道である。海外旅行の、特にパック旅行だとドアトゥドアで移動できるバス利用が多くなりがちだが、私は鉄道が好きなのでこういう機会があると間違いなく鉄道に飛びつく。先のペルー旅行でも、バスの方が速いといケアンズ駅うのに鉄道を選んでしまったくらいである。キュランダに行くには鉄道とゴンドラの2通りがあって、今回は行きは鉄道、帰りはゴンドラ+バスという構成になっている。これは日本で、クイーンズランド鉄道のホームページにて予約したものだ。
 ホテルのロビイで待ち合わせをして、予約しておいたワゴンタクシーで8時にケアンズ駅に着いた。駅は表と裏で行き先が異なる。表(と言うのか?)がクイーンズランド鉄道の幹線で、裏がキュランダ行きだ。幹線とキュランダ鉄道はレイルの幅が異なる。キキュランダ行き列車ュランダ側は登山鉄道なので狭いのだ。ゆえに線路が共用できないから、列車が発着するプラットフォームも入口も別になっている。そして、キュランダ線の列車は朝出発して、午後に戻ってくるだけでわずかに2本しか走っていない。完全に、観光客用の路線である。発券所は小さいが客も少なく、列もない。名前を言うとチケ重連のディーゼル機関車ットの精算ができた。鉄道、ゴンドラ、ゴンドラ駅から市内までのバスも含み一人A$89である。片道4400円くらいになるのだが、登山鉄道で1時間半、車だと30分程度の距離で、ちと割高感がある。それが顔に出たわけでもなかろうが、インターネット予約キャンペーンだと言って、Tシャツを1枚くれた。サイズがMでいくらオーストラリアサイズでも私には小さいので、Lサイズに交換してもらった。値札を見るとA$36とはこれまた高いなぁ。なかなかよいTシャツで、色合いが私の好みなので早速これを着ることにした。実は、今日も曇りで肌寒く、服装の当てが外れたからTシャツを2枚重ねで着ようというわけである。
 0810時に列車が入線する。重連デ客室内の様子ィーゼル機関車に引かれた14両編成の長大な客車列車である。客車は、進行方向右側に4人×2列ごとの8人ボックス席が並んでいるレトロ調のもので、実際には古い客車というわけではない。客席が右側にしかないのは、左が山で、右が谷になるからだそうで、なるほどと思う一方、4人も並ぶと通路側の人は窓が遠い。発車15分前くらいから俄かに客が増え始めた。JTBの高級そうなツアーはほとんどが編成の後ろの方に乗っている。列車がカーヴを曲がる際に、長大な編成が前に見えてさぞいい景色だろうと列車好きな私は思う。我々は機関車のすぐ後、1両目に乗っているから機関車を含めた列車の全景、といったものは見えないのだ。なるほどパッケージツアーもいいところはあるようだ。
 0830定刻、タイフォンを1発鳴らして列車は静かに発車した。ケアンズの市内は小さいから、すぐに郊外にさしかかる。列車の速度はだいたい50km/hで、ゆっくりである。平坦なところでもこうで、少し勾配になると速度は途端に遅くなる。自動車の3倍の時間がかかるのがよく分かる。途中、フレッシュウォータという駅でも乗降が可能で、ここからもたくさん乗ってきて、車内はほぼ満席になった。列車は郊外を進んでいる。家々には余裕があり、どこも広くて羨ましい。ただ、熱帯性の気候のためか、建物の傷みが激しいようで、色あせ汚れた壁が多いのは気になった。

 しばらく、寝入ってしまう。窓側から遠いとつい退屈になってしまうようだ。鉄道好きもこれではいかん..周囲の歓声で目が覚める。山の中を走っていて急に景色が開けたのだ。深い谷と、遠くには海も見える。ゆっくりに見えて列車はあっという間にそこを通り過ぎ、カメラを出しているヒマもなかった。残念だ。あまりに残念なので以後、頭がすっきりした。外を見るに、景色はすばらしい。トンネルも多く、1両目にいる我々は窓を開けていると排気ガスが煙たい。開け閉めが面倒になって、後半は開けっ放しにしていた。バロン滝というところで10分間のピクチャストップがある。駅ではなく、展望台である。ここで降りて森の中に出ていくことはできない。ノルウェイのフロム線でも同じような観光のための停車があったことを思い出した。ショース滝である。あそこでは展望台が滝を見上げるような位置にあったが、今度のバロン滝駅は滝壷を見下ろす高台にある。乾季ゆえに水量が極めて少なく、迫力不足なのは残念。ここ数日、ケアンズ周辺は季節外れの雨が多いはずだが、滝の流量を増やすほどではないようだ。この駅は全体が展望台のようなものであるが、後ろの方にさらに高く見晴らしの良いところがあるようで、どうもこの点でも後方の車両の方が良い位置にある。悔しいので、延々14両分を歩き、その展望台にも登った。が、水量が少ない滝の景色がよくなるわけでもない。そのへんをウロウロしていたら、タイフォンが一発鳴って、出発時間が迫ったことを知らせてきた。慌てて近くの車両に乗り込み、1号車まで戻った。
列車はゆっくりと進む 海が見えるが、天気はいまいち 水がほとんどないぞ.. キュランダ駅到着

 バロン滝を出るとすぐに終点のキュランダに着く。いろいろな植物があってよく手入れされており、美しい駅だ。トイレに行くついでに何枚か撮っていたら、たくさんいた客は何時の間にかいなくなり、駅はガランとして静まり返っていた。駅前からシャトルバスが出ていて、それに乗ればキュランダの町の各所に行くことができる。乗ってみると町は小さく駅からの距離もたいしてなく、歩いて行けるくらいである。コアラガーデンという小さな動物園があるのでそこに入ってみる。その名の通り、コアラが売りのようで、コアラを抱いて写真が撮れたりするらしい。園内には、ワニ、ワラビー、カンガルーなどが放されており、もちろんワニには近寄れないがワラビーにはえさをやったりすることができる。もうすっかりなついているので、人間が近寄っても逃げたりはしない。それでも、人それぞれの雰囲気を感じるのか、えさを差し出しても食べてくれないことがある。上から見ると威圧感があっていけないのかな。しゃがんで同じ目の高さになってみると、くりくりとした目が間近に見えて可愛いものだ。コアラのコーナーに行くと、コアラを抱くのには別料金(A$14)が必要である。既に入園料にA$13を払っているのにこりゃ高いなぁと思っていたが、即決でSが列に並んでいた。ただ抱くだけではなくて、写真を撮ってプリントアウトを1枚くれるようだ。しかも、この点大らかで良いと思うのだが、係りの人が撮影する間、我々も撮っていいのである。遠慮なく撮らせてもらう。係の人が撮った写真はさすがに手馴れたもので、プリントの質もよく、満足の行く出来であった。コアラは抱くだけではなく、檻(といっても半ばオープンだが)にいるのを見ることもできる。夜行性のはずだが、これがけっこう昼間も動いていて楽しめた。
折り重なるように エサをやりながら撮る 昼だけど活発なコアラ 14ドルの元を取らねば

根っことも幹とも、区別がつかない 爬虫類の温室を抜けて、コアラガーデンは終わりにする。時計を見ると、食事どきを少し過ぎている。一行に酒好きがいるということを考えると、飲めるところがよさそうだ、と言いつつ、実は自分も飲みたいのである。ビアガーデンがあるという触れ込みのレストランを探すが、この狭いキュランダのどこをどう迷ったのか、いっこうにその店が見当たらない。昨日のエアーズ・ロック(ウルル)登山のせいか、足が痛い。キュランダの街は山の上にあるから、町外れの方向に歩くと、必然的に坂を下る。このとき、特に痛む。日ごろの運動不足に加え、慌てて降りてきたのがいけないのであろう。と、いま思っても仕方ないのだが。それで、ビアガーデンは諦めて、ビュフェスタイルで食べられるレストランに入ることにする。きれいで、広くて昼食いい店だが、なんとビュフェ部は休業していた。お客が少ないのである。料理は量が多いだろうから、4人分にする。コブ・サラダ、特製ピザ、カンガルーのフィレ、ラザニアを注文した。飲み物はクラウン・ラガーとフォスター・ラガーを2本ずつ。飲み比べると、クラウンが美味しい。皆の意見もそうで、ここにおいて完全に、これが標準となった。料理は、ラザニアが美味しかったが、ピザは一部生の状態の箇所もあって食べていて気ワニです持ち悪い。カンガルー肉は脂が無く、かさかさしていて臭いが少し独特である。専門店に行けばよいのかも知れないが、どうも、これは話の種にはなるが好物にはなりそうもない。サラダは、ドレッシングが薄くて塩を足して食べた。

 店を出た。酒が思いの外に回っているワニ?。足元が少々怪しい。アイスクリームの店で、Sがアヴォカドというのを食べた。まあまあの味だが、アヴォカドの味か、と言われるとあまりそうでもない感じだ。看板にZENBU OISHIIと書いてあったが、うむー、そうでもないぞ。この店で二手に別れる。SとNKさんは駅まで歩くことにし、Sの両親、HKさんと私はシャトルバスを待つことにした。酒が回っていて眠い。駅に早く着いて、少しでも眠っておきたい気分だ。バスが途中でSとNKさんを追い越した。
 すぐに駅に着く。スカイレイル(ゴンドラ)は6人乗りで、スキー場によくある小型のゴンドラと同じで、絶え間なくゴンドラが来て乗り込んでいく形式だ。従って何時何分発、というゴンドラはないのだが、切符には時間が書いてある。これに遅れたら乗せない、というわけではなさそうで、要するに目安だろう。そんなわけで、ゴンドラ駅には長く待ち合わせるための設備はなく(土産屋はある)、吹きさらしのベンチでしばらく寝ていた。指定の1430時が来たので、列に並ぶ。6人乗りだから、6人一緒に行動していれば問題ない。このスカイレイル、熱帯雨林の上を通っていて、途中で2回途中下車(?)できる。そして下車したところでは林の中を散策できる、という趣向だ。ゴンドラから見る森林の様子はすばらしい。木々は皆、背が高くて、木に巻きついたり寄生したりして上部に光を求めている植物なども多く見られ、見ていて飽きない。
 最初に、バロン滝で下車。その名の通り、列車で行きに停まったバロン滝と一緒で、これは列車の展望台の向い側に降りている形になる。遊歩道は鬱蒼とした雨林の中にあって、霧の中を歩くようで、ひんやりとしている。バロン滝は行きと同じく、水量が少なくて残念だ。次に降りるところはレッドトップというところで、ここにはボランティアの熱帯雨林の説明ガイドがいる。我々はガイドは頼まず回った。霧の中に見える木々が幻想的で良かった。少し雨が降ったがそれほど問題でもない。私は気にせずゆっくり歩いていた。
視界がよい 霧が出てきた、気温もかなり下がる 植物に寄生する植物 霧の熱帯雨林にて

 麓の駅に着く。ここでケアンズ市内へのバスに接続する。バス時刻は16時で、同じ時刻にフレッシュウォータ行きのバスもあって間違えそうになった。危ない危ない。雨が激しくなってきた。少し遅れてケアンズ行きが来た。大型のバスで、外が寒いくらいなのにさらに冷房している。これには、冷房好きの私も少々閉口である。ホテルに着き、頭痛がするのでバファリンを飲んで一休みした。

 しばらくして、シャトルバスで出かける。昨夜手配を頼んでおいたグリーン島ツアーは明日1030発、希望していたのとは別のツアー会社であった。一人A$73、半日だから安いとは言いがたいが、近場のキュランダでもっと取られているからまあこんなものかと思うことにする。ヴァウチャーをもらって、礼を言って店を出る。スーパーマーケットで明日の朝食を仕入れる。カップめんもあるのでこれも買ってみた。さて、どんな味だろうか。夕食はナイトマーケットのフードコートにする。昼にビュフェができなかったから、でもあるまいが、自由に選べるフードコートはうれしい。まったく、安上がりなやつだと自分でも思うが、食事は実はそんなに安くない中華盛り合わせ。私は中華の店に行ったが、A$7.99の皿だと小さくて、ほとんどまともな料理は載らない。結局、A$10.5の皿にして、これに詰め込む。マーボ豆腐、餃子(ラム肉入りのようだった)、春巻、チャーハン、焼きそば(うどんのように太い)、シンガポール麺(細いやつ、香港でも食べた)、ビーフの炒め物など。こうして書いていると、炭水化物が多すぎだ。Sは海鮮麺というもので、麺がラーメンと冷麺の中間のような太くて固めのもので、スープがいろんな食材をだしにしてるのか、美味しかった。寿司もあって、魚が新鮮で良い。KzTさんはビールを買ってきた。フードコートでも、酒類を扱っている店は限られている。すっかり酒の在り処が分かってしまったKzTさんはご機嫌だ。もちろん、それを飲んでいる我々も。
 食後、解散して私は再びスーパーマーケットへ行く。ビーチサンダルを買おうと思う。あるある、中国製でなんと、A$1.5という安さ。そしてこれが重要なのだが、オーストラリアでは履物のサイズに困らない!。私は足が28cmで、日本ではなかなか扱っている店がないのだが、ここは平気で、30cmとかがごろごろしている。ありがたいことだ。
 Red Bullというエナジードリンク(オロナミンCみたいなやつ)を買って、部屋で飲んだ。これは昨年9月のザンジバル島以来で、少し懐かしい気がしないでもない。Sの両親の部屋でしばし談笑し、部屋に戻って日記を書く。25時ごろに就寝。


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