05年7月下旬〜8月上旬
第1次オーストラリア旅行


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●第5日 05年8月3日(水) ケアンズ→グリーン島→ケアンズ

 グリーン島への船の時間は10時半と遅いので、ゆっくりできた部屋で朝食。T家の部屋523号室に集まって、皆で朝食を取る。昨晩スーパーマーケットで買ったクロワッサン、サラダ、ハムと野菜味のカップスープ、さらにカップラーメンまである。これはオーストラリア製、ビーフ味ということだが独特の味で、美味いとも不味いとも言えない、というと結局不味いということなのかも知れないが、醤油ベースのスープにビーフの香りがなんとなく感じられた。麺に弾力性がなく、ボロボロになって切れてしまうのはよろしくなく、こういう点で日本の食品メーカはしっかりしているとは思う。
 準備をして、9時半にホテルを出る。船が出るリーフフリートターミナルへは歩いて15分程度の距離だ。海沿いの遊歩道を歩く。ケアンズというと、グレイトバリアリーフを想起海岸は干潟になるするわけで、するとケアンズの海岸もきれいなところかと想像してしまうのだが実際はそうではない。潮の干満で干潟になる、ドロドロの海岸線なのである。グレイトバリアリーフに行くには、高速船に乗って沖合いに出なければならない。少なくとも、ケアンズ市内の海岸は海水浴ができるような場所はなくて、遊歩道の中に水浴びをするようなところが設えてあった。今は真冬で(ケアンズにしては)比較的気温が低く、しかもここのところ季節外れの曇り空なのであるが、早くも水辺で遊んでいる子供がいた。干潟を見ると、鳥がたくさん飛来している。バードウォッチングをしている人がけっこういらっしゃって、そのうちの一人、ニコンを持っている人と目が合ったので笑顔で挨拶した。会話するほどの時間は無かったが、向こうもこちらのカメラを見て、カメラ好き同士、と認識したのだろう。

 フェリーターミナルに着き、グレイトアドヴェンチャー社のカウンターでチェックインをする。6人分のパスポートを出すが、グリーン島への船名前までは要らないという。チケットを見ると、名前がoku-1、oku-2のようになっている。なんじゃこりゃ。席番号などはなく、自由席になっているようだ。船は双胴の高速船で、数百人は乗れる。船内にダイヴィングやシーウォーク(簡易な潜水服を着て海底を歩く)の申し込み所、防水カメラケースのレンタルなどもあり、客室は3層になっていて大きな船だ。我々は搭乗が遅かったので1階の1番前の席に座る。ここが空いている理由は..高速船の前の方って、確か揺れが大きいのではなかったか。大分空港から大分市内へ向かうホヴァークラフトの25分も苦痛な私には、高速船で一番前というのはどうもイヤな予感がする。後方を見ると、JTBのツアーは後ろのブロックに専用席が設定されていて、やはりカネかけるといいところに座れる様子だ。
 そのいやな予感は当たって、出発するとかなりの縦揺れで、これは50分間もちそうにない。Sと、Sの母、HKさんと一緒に2階後方の甲板に出る。こちらの方が揺れは少なく、風があって爽やかだ。水しぶきがかかるけど、室内で足を突っ張って我慢しているよりよほど良い。海は、陸近くは茶色で、これは海底の泥のせいだと思うが、沖に出ると次第にエメラルドグリーンになり、一旦深いところを通るようで、濃い青色になった。しばらく走っていると、グリーン島が近づいてきた。島の周囲は珊瑚礁で、というよりこのグリーン島自体、珊瑚礁に珊瑚の砂が溜まってできた島なのだそうだ。島の周りはエメラルドグリーンや青色に染まっており美しいが、空が曇りのためか全体に少々くすんだ色に見えるのは残念だ。どうも、これでは昨年行ったザンジバルの方がずっと良い。まあ、こういうところでは海の中に入ってみないとわからないのだが、気温がけっこう低く、風があって寒い。一応、海では何人かが泳いでいるので、水温は泳げないほどではないようだ。
 島の中ではフリーである。まずは昼食まで島の中を散策する。熱帯雨林の中に遊歩道があって、島を1周してもそれほどの時間はかからない。木々は昨日キュランダで堪能しているので、ここではそれほどのインパクトはない。遊歩道から海にも出られるので、水に足を入れてみたら予想以上に(以下に?)冷たくて驚いた。こんなところに入っていけるだろうか。11時半ごろにレストラン前に戻る。この昼食はツアーに含まれており、列に並んで、好きなものを取れるようだ。しかし、テーブルが混んでいて、食べ物を取ったはいいが座れないというのは困る。よって、私がテーブルを探し、Sが食事の列に並ぶことになった。テーブルはすぐ見つかったが、Sは列に30分も並んでいて、申し訳ない気分だ。食べ物は、魚、牛の焼いたもの、フライドポテト、パンなどで、味が薄く物足りない。ポテトばかり食べていた。他のテーブルにある残飯に、鳥が群がっている。この島に入る前、動物にエサをやらないでという注意事項があったが、鳥たちは勝手に食べに来ているわけであった。
海面は刻々と色が変わる グリーン島が近づく エメラルドグリーンに期待が高まる 透明度はなかなか良い

 食べ終わり、スノーケリングの道具を借りて海に出る。水は案の定、冷たい。フィンを足につけて、スノーケルを口に咥えて、という作業が初めてなのでなかなかうまく行かない。昨年、ザンジバルではボートの上で写真を撮るか昼寝をしているかだったので、経験がないのである。フィンをつけると水の中を歩くのが困難だ。かといって、フィンなしだと、地面が珊瑚の死骸や貝でごつごつしているので、痛い。かなりの距離を歩かないと泳げる深さにならないので、えっちらおっちら、歩いていた。何とか泳げそうなところまで出て、水を体にかけ、思い切って水に体を沈めてみる。冷たい。こりゃ、あまり泳いではいられないようだ。水中メガネ、スノーケルをつけて顔を水に入れてみると、水の中なのに息が出来るのがおかしな感覚で、ただ浮いているだけなのに必死にハァハァしてしまうのが面白い。水は浮遊物があって透明度は今ひとつだ。もっと海岸から離れて、砂などが巻き上がっていないところだときれいに見えるのだろう。実際、沖合いには別料金を払えば船に乗って出られるのである。ともあれそこまで気合は入っていない初心者だから、とりあえず、フジのF700(水中ケース入り)を使って写真を撮ってみる。コンパクトデジカメのオートフォーカスは遅くて、狙ったものにピントが合いにくい。これはたいへん難しいと悟った。それに、カメラに比べて大柄な水中ケースの中は空気がいっぱいで、浮力で手がどんどん上に引っ張られる。バランスウエイトを買っておくべきであった。空が曇っているせいで、水中が予想以上に暗く、すぐに感度をISO400に上げる。カメラ内蔵のフラッシュは近くのものにしか効果がなく、ほとんど使えない。魚は動いている上に、自分も波でゆらゆらするから撮りにくく、水中でああでもないこうでもないとつぶやきながら写真を撮っていた。水中は暗く、浮遊物があって見通しがあまり良くないのだが、写真にしてみると案外コントラストもあって見られるものになっている。撮りにくいのだが、面白い。これははまりそうだ。
海に入って行く 水中撮影に初挑戦 横方向に撮るとコントラストが悪い 何枚撮っても飽きない
ウニ発見 大物はなかなか撮れない 珊瑚 水から顔を出してみると、虹が出ていた

 一旦岸に上がって休憩することになった。バタ足で岸に戻るのだが、フィンをつけているので驚くほどよく進む。スノーケルがあるから息継ぎも要らない。これも面白くて、珊瑚がお腹につかえるまで泳いでいた。岸に上がると、風があって寒いが、砂浜は暖かくて足元からぽかぽかして来る。皆は寒いのでもう上がってしまうというのだが、私はもう一度海に入ることにする。2回目は要領もよくなって、いろいろ見ることができた。沖の方の船が楽しそうだと思うのだがそこまでは遠いから泳ぐわけには行かない。慣れている人なら問題はなかろうが、何しろ結婚前にちょっとだけプールに入ったという程度の私では無理だろう。次回は、船で良いところまで連れて行ってもらうツアーに参加しよう。
 適当なところで引き返し、スノーケル道具を返却する。ロッカーから荷物を取り出す。電子式ロッカーで、暗証番号を忘れると大変なことになるのだが、8時間以内なら出し入れ自由というのが便利だ(A$7は高いけど)。更衣室として使う部屋に入ったら、女性のグループに占拠されていて入れず。いや、入っても問題はないのだが、こういうとき、男の方が恥ずかしくなってしまうようだ。逃げるように出てきた。トイレで着替え、外に設置されている水のシャワーを使って足を洗う。あとは、船の時刻を待つばかりだ。桟橋まで歩き、写真を撮っていたら出航の時間になった。船に入ると、船室内が寒い。冷房を入れすぎているのである。最初から室内にいるのは諦めて、行きと同じく、後部デッキに座ることにした。船が出発すると、グリーン島はすぐさま遠くなり、水平線下に没した。風に耐えて40分、ケアンズに着いた。

桟橋にて あっというまに遠ざかる 風に耐える人たち 山から雲が発生
ケアンズ近くは泥の色だ 木に草が生えている?

 ホテルに戻り、一旦解散とする。私は洗濯をして、一休み。1815時のバスで街に出る。今夜はシーフードレストランにしようと決めている。バスの中から、目的のレストランが休業しているのが見えた。他のレストランを探して歩くが、なかなかよいところがない。面倒だからフードコートにするか、だけど昨日と同じでは芸がないから別のところに、と行った先のフードコートは既に閉店していた。ケアンズは人が集まるところが極端に集中しているようで、つまりこれはナイト・マ焼肉を食べる皆さんーケットかエスプラネイド通りあたりで、ここを外れると店も営業時間が短い。また戻るのも癪なので、そこにあった焼肉屋に入った。シーフードから流れ流れて焼肉屋、なんだか情けないがこの店は「当たり」と言えそうで、美味しかった。カルビ、ハラミ、ナンコツ、海鮮盛り合わせ、カルビラーメンなどを注文した。肉が柔らかくて美味しい。タレは甘かった。カルビラーメンが肉たっぷりで、くどいほど濃厚で、こりゃ体重増えるなぁ、と思いながらやっぱり食べてしまった。
 SとHKさんは歩いて帰るという。残り4人は動くのも億劫になっていたのでシャトルバスの最終便で帰ることにする。ナイトマーケット入口に、シャトルバスを待つ人がたくさんいて、どう見ても定員を超えそうだ。バスに乗り込んでみるとその通りで、運転手が定員を超えたから
(立つ事はできない)もう一便を増発する、それに乗ってくれと言う。ところが、これしきの英語が分からずに日本語でゴネる人がいる。非常にみっともない。バスの中にヒンヤリとした空気が。挙句に、降りるときに「20分も待ったのに」と捨て台詞を吐いた。なんとまぁ..このバスは定刻に来ているのである。20分待ったことは運転手には関係ないのだ。英語力もさることながら、まず世間並みの常識があって欲しい。

 ホテルに着き、近くのスーパーで世界地図を買った。南が上になっているオーストラリア人のジョークであって、地図には国名や都市名が申し訳程度に書いてあるが、地形などは全く省略されたのっぺりした地図である。ジョークなので実用はどうでもいいのである。これを、自分用の土産にした。
(帰国後、Sの机の前に貼った。私の机の所にはスペースがなかったのだ..)
 明日はゴルフである。タクシーを予約し、さっさと寝ることにした。


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