18年8月中旬
第1次小笠原旅行
●第2日 18年8月12日(日) (船中泊)→二見→大村海岸
夜半、かなり揺れたので食欲がなく、朝食は食堂には行かず自販機のカップ麺で済ませた。今日はよく晴れていて気持ちの良い青空が広がっている。何時間も周りは海だけの景色ではあるが飽きずに楽しめた。カツオドリが船の周りを飛ぶようになり、陸が近くなったと知った。小笠原諸島の中で北にある聟島列島が見え始めたが、ここからまだ2時間近くかかる。時刻は10時半ごろで、どうやら1時間ほど遅れているようだ。昨夜の荒天時に速度を落としたりしたのかも知れない。通路には早くも荷物を置く人たちが現れ、通行がしにくい状態だ。安全上どうなのかねえ、こういうの。
12:05に二見港に接岸した。我々は7人グループで子供もいるので、急いで降りてはぐれたりするのはまずいから、ゆっくり順番を待ち、15分後に降りた。
父島は本土と気温はさほど変わらないが、緯度が下がった分、日差しは強くじりじりする。宿の人が迎えに来ていた。宿は港のすぐ前ともいえる大村地区にあり、歩ける距離なので恐縮だが、荷物が多いからそれを持って行ってくれるとのこと、有難い。宿はサンシャイン小笠原と言って、父島のメインの通りに面していて、観光案内所や店なども近くて便利だ。この宿の良いところは、大部屋があることで、我々のようなグループが2,3部屋に分かれることなく泊まれる点だ。小笠原海運のおがまるパックは、ほとんどの宿で2-3人単位の部屋しかなくて、電話予約時に同時に複数の部屋が空いていないと7人の予約ができないわけで、この宿の8人部屋というのにターゲットを絞って予約をかけたのだった。取れてよかった。部屋は2階にあり、風呂とトイレは共同だ。冷蔵庫も廊下にあるものを共用する。大部屋でも十分にエアコンが効いて涼しいが、廊下に出ると熱気がこもっていてたいへん暑かった。冷蔵庫、十分冷えるだろうか。
1時間15分ほど遅れての到着だったので、まずは昼食へと出かけることにする。レンタカーを予約しているが、電話をして待ち合わせを14:15に変更した。レンタカーは自動車整備工場がやっていて、少し遠くの山の中腹にあるから、歩いては行けない場所にあるのだ。
メインの通りから1本裏の道を歩き、波食波食(ぱくぱく)という食堂兼居酒屋(?)に入る。3年前、15年7月に西表島に行ったときは、食事がとにかく困難だった。大きな島に人口2400が分散していることもあって、レストラン、食堂の類が数えるほどしかなく、予約しないと食べられないという状況だったのだ。その点、ここ父島は人口が2000少々、住宅地は大村地区に固まっているようで、店の数が多く店あたりのキャパシティも比較的大きいようだ。ただ、父島の場合は輸送がおがさわら丸と共勝丸(貨物船)に限られ、しかも遠距離だから荒天で欠航や遅延が発生した際には食料供給が途絶えるという問題があり、そういう時期に当たってしまったら相当困るとは思われる。
さて、食事だが、自分は「島魚のぶっかけ丼」を注文した。長男は「海亀の刺身定食」で、長男の性格から考えるとなかなか思い切った判断だと思った。ウミガメは脂がすくなく、ちょっと固めで食べにくそうな感じであった。自分のぶっかけ丼は、いろいろな魚の刺身にネギと特製のタレ、そして卵黄をあえてご飯にかけるのだが、すばらしい鮮度であった。美味しく頂いた。
レンタカーの迎えが来たので、自分はそちらに向かい、家族は近くの大村海岸へと向かった。借りた車はトヨタのラクティスで、1300ccの割には居住性は良いが、坂道が急だとちょっと厳しいところがある。まあ、ここまで来て急ぐことは全くないのだが。7人グループなので、常に目的地には2往復ということになるが、特段時間に縛られる予定はなく海で遊んでいるだけなので、後発組は長く遊べば良いわけだ。
宿には客用の駐車場がなく、車は観光案内所の駐車場に停められるとのことでそこに置きに行ったが、けっこう台数は多くてひょっとすると停められない時間帯もあるかもしれない。その時は港に停めるしかない。
海岸までは道路を渡り、公園を突っ切って行けばすぐに着く。この海岸、左手はすぐ二見港であり、港に隣接しながらもエメラルド色に輝いていて美しい。遠目には白い砂浜だが、実際には砂ではなく、サンゴのかけらが細かくなったもので、けっこうごつごつ、じゃりじゃりした感触である。そのサンゴの細かい粒が海の中を舞っているので、透明度は低く、シュノーケリングには向かないようだ。この浜は宿や住宅地に近く人も多いが、それでも数十人いるかどうかで、自分らの感覚からすればがら空きであった。息子たちは波打ち際で大はしゃぎしていた。
15時半過ぎに、おがさわら丸が出発して行った。今は繁茂期なので、着いた日に折り返しなのだ。1時間15分遅れて入港しながら、定刻で折り返して行くのはすごい。800人以上分のリネン交換や清掃はきっと時間がかかると思う。船がいくつか、おがさわら丸を追いかけて行く。ああ、あれが小笠原名物の見送りであるな。帰りに船上から見ることにしよう。
ひとしきり遊んで、生協に寄って宿に戻る。ここの食品の小売店はこの生協ともう1軒の店しかなく、入港日(=商品が補充される)ということもあって店は賑わっていた。
18時頃に夕食。豚肉の冷しゃぶ風のもの、メカジキとタコの刺身、デザートにはパッションフルーツとパパイヤが出た。パッションフルーツは大好きなのだが、食べる「身」が少ないので惜しいところだ、などと言っても仕方ないのであるが。料理はどれも美味しかったが、メカジキの刺身が特に素晴らしかった。
今日は、船の中に告知があった通り、お祭りの日であり、花火が上がることになっている。公園に向かうと屋台が並び、たくさんの人で賑わっていた。ここ父島で作られたラム酒の試飲コーナーがあったので頂いた。その昔、この島がどこの帰属でもなかった時代に、定住した欧州系の人がラム酒を作っていたことから始まったとのことで、大戦中の中断はあったが復活して売り出しているらしい。ラム酒は40度でかなり強いが、ラム酒をパッションフルーツの果汁で割った12度のリキュールもあり、こちらは爽やかで飲みやすかった。
花火を見る場所は海岸である。港に隣接する海岸という条件であり、少し明かりは多い。父島の人口は2100少々で、観光客を含めても3000人になるかどうか、といったところなので、花火大会と言ってもさほど混雑はない。花火が上がるのはどちらの方向か分からないので、周りを見回してたぶん港の方、ということで三脚を設置する。花火が始まると、確かに港の方角なのだが、面白いことに埠頭から湾の中へと打上げていた。なるべく住宅地から離れるため、ということか。ただ、ちょっと低いところに花開いてしまう感じではあったが。
花火を堪能して、観客が浜から帰って行くのを待ち、湾の外側にカメラを向けて、夜空も撮っておく。港の明かりがあって手前はかなり明るくなってしまうが、天の川が写った。久しぶりに天の川を見た。05年8月のオーストラリア以来ではなかろうか。それ以来、何度も空を撮りたいと思って海外旅行でも常に三脚を持参していたのだが、なかなか上手く晴れてくれなかったのだった。
満足して、宿に戻り就寝。
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