第7日 94年1月4日〜第8日(機中泊)

 何時に起きたか覚えていないが、おそらく6時前。朝食は摂らずに宿を出る。天気は曇り時々雨。やはり今年は暖かいらしい。本来は雪だそうだ。昨日の旅行代理店のあるビルの前からバスに乗る。ここでKとは別れる。やつは、まだ冬休みがあるのだ。うらやましい。ウィーン空港はそれほど大きくなくて、しかも時刻が早いので免税店も一部しか営業していない。特に買い物は無いのでそれは構わないのだが、とりあえず職場への土産などにチョコレートなどを買う。食品は課税率が異なるので、街中で買っても免税の手続きの対象にならない(と、思う。今はどうか?)。ここは出国後なので免税である。オーストリアの街中の免税店は、購入したことを証明するクーポンのようなものを発行し、それを国境や空港で提示し現金を還付してもらう形式である。空港では大抵時間が余るから、それはそれで良いかも知れない。想像では、国内で消費されないようにするための処置かと思う。ウィーン空港の免税窓口には、日本人の列が出来ていた。9割方が女性。と、いうのも、そもそもウィーン市内で見かけるのは圧倒的に女性が多いのだ。我々のように男2人で来ているやつらは少数派なのだろうか。

 ウィーンからロンドンに向かって飛び立った。機内は空いている。私以外に日本人は見当たらない。途中、ずっと雲の上であった。冬の欧州は、曇りが多いという勝手なイメージ通りではあるが、いささかつまらない。朝食を食べたら、後は寝ていた。ロンドンには午前中に着いてしまう。帰りの飛行機に6時間もある。しかし、ウィーン・ロンドン間、朝夕しか飛んでいないので、これは仕方ない。大方、ビジネス客がほとんどで昼に移動する人は少ないのだろう。さて、全く、することがない。本も持ってきておらず、買い物にも限界がある。居眠りしたり、うろうろして過ごした。

 帰りの便は東向きなので、すぐに夜になり、午前中に成田に着く。夜明け前、シベシベリア上空、夜明け前リアがわずかに見えた。行きに撮っていなかったので、撮影する。大したものは撮れなかった。次の機会では、ずっと昼で通過する、行きに撮らなければなるまいと誓い、写真機を片付けた。機中には行きに見た顔がたくさんある。ほとんど同じ人たちがこの7泊8日というプランで動いているのだろう。前に座っている関西のおばさんは、席順まで同じだった。
 成田には定刻に着いた。現実に戻るところでもあるが、それでもホッとする瞬間である。何もかも初体験、いささか疲れた。感慨に耽る間もなく、荷物を引き取らねばならないが、おかしい。荷物が出てこないのだ。時間がかかっているのではなく、他の人たちはどんどんと税関に向かっている。ついにあと1個になってしまった。それは、同じタイプのケースであるが、他人のものである。どうやら、間違えて持って行かれたようだ。そのとき、税関から素っ頓狂な関西弁が。機中、前に座っていたおばさんである。カギが開かない、でもカギはかけなかった、と叫んでいる。それが、私の荷物であった。何はともあれ、最後の最後まで、面白い体験が出来たことに感謝したい。

 帰りの成田エクスプレスは予定通りの列車に乗って、横浜から日吉に帰ってきた。明後日からは出勤だ。しかし1日で現実に戻れるか、ちょっと、自信がない。


終わり

★カメラ関係の話

 このとき持参した機材はわずかに以下のみ。当時、これにシグマの望遠ズームしか持っていなかったのである。135mmはほとんど使わず、8割は28mmで撮った。今はいろいろと持っているが、当時はこれで特段の不自由も感じなかった。
 フィルムはアグファのRS200というリヴァーサル(スライド)フィルムのみ。実はリヴァーサルも初体験で、前月に東芝フィルの富士公演で試写してからこの旅行に臨んだ。粒子はそこそこ。コントラストもそれほど強くない。
第1次欧州旅行 使用機材
OM-1,Zuiko 28mmF2.8,G.Zuiko55mmF1.2,E.Zuiko135mmF3.5

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93年12月末−94年1月初旬
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