第8日 15年1月23日(金) フェアバンクス→シアトル

 9:20に起床。Pさんの配慮で朝食は10時となっている。ゆっくり準備して10時前に食堂に向かう。Pさん「昨夜は見られた?」「いえ、雲ばかりで。おかげで早く寝ることができました」など話す。
 朝食はトースト、卵焼き、シリアルなど。一日ぼーっとしているからあまりお腹が減らない上に遅い朝食だから昼は空港で遅めの時刻で十分だろう。
 天気予報を見ると、今日明日は雪で、日曜は曇り、週明けから晴れるようだ。気温は週末から火曜くらいまで-30〜-40℃と急激に下がる。来週はオーロラはよく見えるだろうが、観測中は寒いだろうなあ。

 ロッジを出発する前に、最後の散策をする。気温は下がり始めていて-22℃ほどだ。昨日以上に雲が厚くコントラストがないので、これならいっそということでモノクロで撮ってみた。RAWで一応後からカラーにもできるが、色合いがないから結局その後もカラーにはしていない。撮り歩いていると、宿の犬のシドちゃんが走ってきて、私の周囲でひとしきりふざけたあと、ロッジに帰って行った。












 部屋に戻り、パッキングをする。防寒靴も上手く入れて、パッキング終了。この後、シアトルまで飛んで、そこで12時間の乗継時間があり、空港近くで1泊する。その分の着替えを手元用の小さなバッグに入れる。
 Pさんにお礼を言い、ロッジのスタッフの運転する車に乗り込む。スタッフ氏が言うには、途中で郵便局に寄りたいがいいか、と。時間は十分あるので問題ない。元々、私は防寒靴や防寒着などを別送の荷物にするつもりで、郵便局か運送屋に送ってもらうつもりだったのだが、旅行鞄に全部入ってしまったから直接空港へ行くよう変更している。だから時間には余裕がある。
 雪が降っているが、さらさらのドライな雪なので、車の勢いで舞ってしまうからか道路には積もらずアスファルトが見えている状態だ。そこをフォードのSUVは快適に走って行く。郵便局に向かって左折したら、そこから先は新雪が積もっていてぎゅぎゅっと雪を踏みしめる音がした。









 50分ほどでフェアバンクス空港に着く。スタッフ氏に別れを告げ、空港の中へ。建物はきれいで、新しい感じだ。入口から航空会社カウンター付近までは店などは全くなく、いかにも地方の空港という趣。アラスカ航空のカウンターの手前には自動チェックイン機もあって、そこでチェックインしてみた。出発前に日本でマイレージの登録をしようとしたら、会員名と航空券の名前が不一致、ということではねられていたのも、ここではすんなり登録できた。航空券の名前がTakumimr Oku、つまりTakumiの後にMrがひっついており、会員名のMr Takumi Okuと合わない、というのだ。それがここのチェックイン機では問題なかった。まあどうでもいいのだが..マイレージ会員になったのも、荷物無料キャンペーンのためで(会員外だと1個$25も取る!)、会員であることを航空券にひも付けしたかったというわけだ。この後、バゲージドロップで荷物を預けたが、成田まで連続にはできなかった。乗継が12時間も空いているから、だそうだ。仕方ない。

 買い物をしようかと思うがセキュリティの手前には店がないので、誤算だったのは飲み物だ。セキュリティを通る前に買い物をしつつ飲もうと残してあったオレンジジュースをこの場で飲むか捨てるかという選択を迫られた。ならば、飲むことにした。
 セキュリティはたいへん厳重で、両手を上げて静止した状態で、体の周りをぐるっとスキャンされる装置に入って検査される。時間は一瞬であった。セキュリティを通ると、向かいにカフェとバーがあり、左に折れるとギフトショップがあるが、店はそれだけである。カフェとバーは大きな空間に椅子とテーブルが置いてあるが、バーのほうの半分には21歳未満は座ることが出来ない。そうだ、コールドフットのカフェにあった、酒を飲むならこっちの区画で、というあれだな。もっともここは広い空間だからパーテーションがあるわけでもなく、酒を飲んでいるのは丸見えだし効果のほどはどうかとは思った。
 土産物は、1軒しかない店で買うしかない。品揃えはそれなりにあるのだが、かなり高かった。チョコレートの詰め合わせが$21.95とか。日本の観光地や空港・駅のほうが特殊なのだろうな。あれだけお菓子が並べば必然的に安くなる。職場とオーケストラにはお菓子、実家にはスモークサーモン、配偶者Sにはペンダントを選んでさて会計、だがなんとネットワーク故障でクレジットカードが使えないという。財布の中をおそるおそる数えたらなんとか、払えるだけの額があった。やれやれ..
 ネットワーク不調のため決済ができないという説明に、別の客が「なんだよ、ネットワークは普通に使えるじゃないか」と自分のスマートフォンを指さすのでちょっとおかしかった。いやいや、そういうのとはまた別じゃないの。突っ込まなかったけど。
 土産物が思いのほかかさばったので、お店がトートバッグをくれた。自分のバッグのほかに荷物を持つはめになりその嵩に閉口だが、先ほど預け荷物にした大きな鞄の方にも分散できそうなので、今日シアトルのホテルで考えよう。結果的に、荷物を成田までスルーにできなかったのが役に立った形だ。
 土産物を買えばあとはすることがないので、カフェに入って小さなピザを注文して食べた。











 かなりの時間、待合所で日記を更新したりして過ごす。ここのベンチには電源がない。ああいう便利なものは利用者が多い空港ならではということなのだろう。優先搭乗のあと、後部座席ということで比較的早めに機内に入ったが、上級会員が多くて、そこらじゅうでまだ準備ができていなかった。アラスカらしいというべきか、大きな耐寒靴をむき出しのまま手に持って搭乗している人がいて、どうするのかと思ってみていたら、なんとそのまま上部の収納にゴトリと置いてしまった。いまの季節、土は凍っていて靴に泥は着かないとはいえ、ちょっと豪快過ぎ。
 席は30F、このフライトでも隣は空席だった。席は左の窓側で、これには意味がある。フェアバンクスからシアトルに、南東を目指して飛ぶ飛行機の左側は必然的に北東を向く。つまり、オーロラが見えるかもしれないからだ。飛行機から見たって窓は汚いしまあ、そんなに期待しちゃと思いつつも離陸を楽しみに待つ。
 定刻に動き出したが、滑走路の前でずいぶん待った。そんなに飛行機は離着陸していないだろうに、と思っていたら、何かが近づいてきて翼の雪を吹き飛ばした。温水を吹き付ける作業車がいるのだった。それからまた10分ほどしてから滑走路に出て飛び立った。フェアバンクスの町は雪煙に霞んでいた。









 フェアバンクスを出ると、もうすぐに下界は真っ暗である。雪で霞んでいるのかどうも判然としない。飛行機は雲の上だから、空の方向は雲の影響は受けない。条件が合えば、オーロラはきっと見えるはすだ。

 1時間ほど飛んだ頃、機体から後方、だいたい真北の方角に緑色の光がうっすらと見え始めた。予想通りだ。こういうことも想定してF0.95の大口径レンズを持っているのだが。なんと飛行機の翼のランプが窓に反射して、画面全体のコントラストが低下し景色がぼんやりとしか見えない。それに、いかに大口径といえど、オーロラを揺れる機上から撮ってもぶれるだけであった。ま、これはこれで良い思い出としよう。

 あとは寝ていた。高度を下げ始めた頃目覚めて外を見たら、シアトル市内の明かりが雲の下から透けて見えた。飛行は3時間5分、定刻より少し早く22:20ごろ着陸した。









 シアトル・タコマ国際空港は行きは乗継で外に出ていないから、さてどうやって出るか、で少し考える。荷物を受け取ってすぐに出ると駐車場で、空港送迎用のホテル直通電話はどこにも見当たらない。表示を見直すと、"Courtesy van"なる文字が見えた。コーテシーって、好意の、優遇の、とかの意味ではなかったか。であればこれは送迎車である可能性が高い。その方向に歩くと、先の駐車場と似たような一角ではあるが、待ち合わせ用の場所らしいところに出た。そして、電話だ。よしよし。ホテルにさっそくかけると、「いまどこに居ますか?」と。空港に居るのは伝えているのだから、空港のどこかを問うているに決まっているが、こういう説明は困る。うーんと、あっ、3Cの電話のところです。と答えると「パーフェクト!そのまましばらく待ってて!駐車場の車にエグゼクテルって表示されているから。」ということで電話が終わる。駐車場の車ってどういうことなんだと思ったら、ホテルの隣の駐車場の送迎車の行先表示に"Exectel"というホテルの名前の末尾があった。車体全体は駐車場のものなので、気が付かないと乗れないところだった。車はマイクロバスのようなもので、ドアは運転席から機械式のリモートコントロールで、手動で開け閉めしている。利用者はたくさんいて、ああなるほど、ホテルの人がパーフェクトと言った意味が分かった。ちょうど他のお客がたくさん集まっているところから電話したからだろう。ホテルまでは5分ほどで、車中立っていた。
 ホテルには23時過ぎに着いた。そういえば夕食を取っていない。アラスカ航空の機内食は注文せずに寝ていた。話のネタに注文すればよかったと今になって思うがどうしようもない。なにしろホテルのレストランは既に閉店している上、ホテルの周囲には店が見当たらない。仕方ない、移動していただけだし、1食抜きだね。

 ホテルは低層で横方向にえらく長い建物だ。空港近くで高さ制限があるのか、土地が余っているのか両方なのか。受付でカギを受け取り、長い廊下を荷物引きながら歩く。部屋は広くきれいだったが、エアコンがゴーゴー言っていてうるさかった。そうか、フェアバンクスのロッジではオイルヒータだけの部屋に居たから、無音だったのだ。まあ、エアコンもさることながらここは空港近くであるから離着陸の音でも十分にうるさかったのであるが、何やかやでシャワーを浴びたら眠くなって、すぐに寝てしまった。


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15年1月中旬−下旬
アラスカ旅行

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