99年9月中旬−9月下旬
第2次欧州旅行


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●第2日 99年9月17日(金) ベルゲン→ヴォス→グドヴァンゲン→フロム→ミュールダール→ベルゲン

ホテルから 夜半に何度か目を覚ますがよく眠ることができた。06:45起床。朝食に行こうとして部屋の鍵がないことに気付く。ひと騒ぎして、Sのフィッシャーマンズヴェストのポケットにて発見。今後はこのポケットを定位置と決める。朝食はまさにヴァイキング形式であるが、これは日本で俗称されている呼び名、当地では通じない。肉類もあるが、魚の酢漬けや塩辛などがあるのは特徴的と言えよう。酢漬けなどは慣れないと好き嫌いが分かれそうだが。十分食べて部屋に戻り、準備を整えて出発。

ベルゲン−ヴォス間の車窓風景 本日はソグネフィヨルドの観光である。0830発、ベルゲン→ミュールダール行きのローカル列車は2両編成であった。2両目後ろの半車を1等として運用しているが、警備員がいるだけで内装は変わらない。シートは背中3分の2までの背もたれしかない簡単な椅子で、2-3の5列。あまり奇麗とはいえない車両である。車掌が笛をひと吹き、定刻に発車した。天候は曇り時々雨。列車はフィヨルドの谷間を走って行く。日本なら飯田線か只見線といった雰囲気だが、日本のV字谷とは異なり、広さがある。もちろん、上流
(川ではないからこの表現は適切ではないが)は深い谷を形成するのだろう。
 09:43、ヴォスに到着。今回のルートはこの先、ミュールダールまヴォス駅に到着で行ってフロム線を下り、フィヨルドをフェリーで観光しここヴォスまで戻ってくスタルハイムホテルからるルートと、逆のルート、いずれを選択しても良いことになっている。我々はここでバスに乗ることにする。途中スタルハイムの景色が良いとされており、ここを陽の高いうちに見たいからである。10:00発の観光バスに乗り換える。このバスはフィヨルドの谷底を走り、景観はなかなかのものがあるが、時差ぼけで少々眠い。幹線からそれてスタルハイムへと曲がり、どんどん登る。ほどなくして、ホテルが見えてきた。ここで15分の休憩という。泊まりもしないのにただ休憩とは恐縮だが、そういうものらしくホテルの人も何も言わない。ロビーを抜けて裏庭に出てみると、庭の先は断崖絶壁、霧に霞むU字谷の折り重なりが一望に見渡せた。雨が降り始め、皆バスへと戻るが、私は風景が惜しくてしばらく立ち尽くしていた。
 ここから庭(?)の先の断崖をつづら折りでバスは降りる。この狭い急坂の途中で、何度か写真のための停車を実施してくれるが、激しくなった雨脚に窓が濡れ、写真は上手く写りそうにない。幹線に戻り俄然速度を増すと、U字谷は徐々に幅が狭くなり、峡谷を抜けるとグドヴァンゲンに出た。ここからフロムまで2時間のフェリー航海となる。接続はよく、すぐに出発する。天候は相変わらずで細かい雨が降りしきる中、静かな水面をフェリーは滑って行く。軒先に隠れながら景色を眺める。天気は良くないものの雨のフィヨルドというのも独特の雰囲気で、やはり来て良かったと思う。フェリーの速度が遅いので、写真を撮る身としてはありがたい。しかしそれにしても、沿岸に住む人たちはいかにして生計を立てているのだろうか。自分の生活からはこれを推し量ることは出来ない。寒いので2度ほどラウンジで休憩。ハンバーガーとキリンビールで少し暖をとった。入り口に「飲食物持ち込み禁止」と日本語で書いてあるのは、もちろんそれを守らない客が存在するからであろう。後半はフィヨルドが広くなり、景色としては少し間延びした感じになる。2時間のクルーズというのも一因かもしれない。
雨に煙るソグネフィヨルド フィヨルド フィヨルドの牧場

 フロムに到着。少し晴れ間が出てきた。ここはかなり観光地化している。レストラン・土産物屋が建ち並んでいるのだ。土産物は東南アジア製のものが多くどうも楽しくない。北欧の労働単価では立ち行かないのかもしれないが。フルクロアというレストランでフロム昼食。オープン・サンド2つにコーヒー。具はボリュームのあるハンバーグにスモークド・サーモン、〆て101NOK(1500円)とずいぶん高くついた。しかしいずれも美味。サーモンはどの店を覗いても高い一品であり、この店でも46NOKと献立の中では最高額である。サンドイッチ2個であるが量は多かった。これは眠くなりそうだ。

 ここから山岳鉄道でミューダールへと登る。フロムを15:04に発車。雨は完全に上がった。列車はフィヨルド沿いを走りながら高低差840m余を登っていく。先のスタルハイムほどではないが、随所に見るべきところがあり、楽しめた。車両は97年製と比較的新しいもので、外装が深緑、内装は壁・天井が木目、シートはオレンジ色で、2-3の5列、観光用として定員を多くとりたいのだろう。窓は固定式で写真には向いていないが、一部に換気のためか開閉可能な窓があり、そこからカメラを突き出して何枚か激走 フロム線撮影した。車内アナウンスで名所案内もある。言語はノルウェイ語と英語。内容はわかりやすい。このアナウンスに引き回されて車内の客は右に左に大騒ぎの様子であるが、もちろんこんなに気軽に移動できるのもオフ・シーズンということもあるだろう。風景は緑に生彩がない感じで、やはり時期としてはベストではないようだ。ミュールダールが近くなり、列車は大きなループを描きつつトンネルやスノーシェッドをくぐる。その一つの先に、ショース滝が現れた。滝そのものは巨大というわけではないが、現れ方が突然で、演出効果は抜群である。フロム線、ひたすら登る流量は多く、しぶきが降りかかる。そのうち飛沫に雨が混じり始め、ミュールダールに着くころには本降りとなった。元々はベルゲン線の建設資材を運ぶのに、海からの方が早かったため、この支線を建設したと聞いている。よって、ミュールダールは町があるわけではなく、ただ支線との接続用の駅があるだけで、出入口はない。

 ここからベルゲンに戻る。オスロが始発の601列車は座席指定が必要で、なおかつ混んでいた。我々は指定をしていなかったので、仕方なく出入口付近に立っていた。乗車そのものは問題ないらしいが、ゆったりと席に落ち着き新聞など読んでいる人たちを見ると、悔しくないこともない。風景はなかなか良いのだが、降りしきる雨とうるさい車端での立席では楽しめない。結局、朝、バスに乗り換えたヴォスでローカル列車に乗り換えることとし、降車した。雨は少々、それもすぐに上がり、ベルゲン行きの始発列車がゆっくりと入線してきた。今度は3両編成、601列車でベルゲンへと急いだ人も多かったせいか、車内はガラ空きである。疲れもあり、しばらく眠る。途中夕日が美しかったが、眠くてカメラどころではなかった。

 ベルゲン駅からブリッゲン地区、フロイエン山へと歩いてみる。市内の気温は薄暮のベルゲン15℃、フロイエン山頂は13℃と寒いが、天候は良く、山頂からの眺めは最高である。しかし、次の用事のため20:30発の下りケーブルカーで下りる。今晩はスーパーで買い物をし、オープンサンドをつまみに酒を飲もうというのだ。RIMIというチェーン店にてサーモン、エビ、エビサラダ、野菜サラダにパンを買い込んでホテルに戻る。ここでサラダというのはマヨネーズ系のソースに和えたものを言うが、これにサーモンとエビをからめて食べてみた。非常に美味かったが、ただ量が多すぎて、最後には飽きた。どうやら、どれも家族用のパックだったようだ。
23:45に就寝。今夜もよく眠れそう。



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