20年2月上旬
第5次欧州旅行


第1日 第2日 第3日 第4日 第5日 第6日 第7日 第8日 第9日 第10-11日


はじめに
 30年勤続の休暇に1日の有給休暇を加えて2月1〜11日の連休を組んで、スウェーデン、フィンランドと回る旅程を立てた。5年前にアラスカでオーロラを見て、今度はヨーロッパで見ようと思ったのである。ノルウェイはメキシコ湾流の影響で海水温が高く雲が多いので、一山超えたスウェーデンが狙い目と考えた。そこで、ストックホルムからの長距離夜行列車に乗り、ノルウェイ側の終点ナルヴィクまで行き、折り返してノルウェイ国境近いリクスグレンセンあるいはカッタリヨックで3泊滞在し、その後ナルヴィク空港からヘルシンキに向かい、フィンランドで夜行列車に乗ってロヴァニエミで2泊滞在、という感じで5夜のオーロラ観察機会がある旅程だ。時期は、前回のアラスカ同様、1年前に先のイベント(会社、オケなど)を考慮し2月上旬にターゲットを絞り、9月ごろには全行程の移動手段、ホテルの予約を済ませた。
 そうして迎えた出発当日。1時間早めに目が覚めた。枕元のiPhoneを見るとスウェーデン語のメッセージが来ている。スウェーデン国鉄からで、なんと、ストックホルムからナルヴィクまでの夜行94列車が運休だという。理由は脱線で、列車はキルナの手前までしか行かない。キルナまでは代行バスが出るものの、そこから先の代替手段がないので、キャンセルするしかない。自分の予約ランクは変更やキャンセルが出来ない価格帯で支払い済だったが、こういう場合は手数料なくキャンセルできる。すぐにマイナスの明細が出た。
 さて。ナルヴィクで車を借りるので、ナルヴィクまで飛行機で行くしかない。行きのヘルシンキ経由ストックホルム行きの航空券は変更も出来ないタイプ
(今回全部そうだ、ケチると不測の時に損をする)だし、ストックホルムのホテルも予約済なので、何はともあれストックホルムまでは行くしかなく、そこからナルヴィクまでの航空券を追加する必要がある。まあ、原因が原因なので仕方ないが、結果的に成田→ヘルシンキ→ストックホルム(1泊)→オスロ→ナルヴィクというただ移動するだけの2日間になってしまった。そしてもちろん、ナルヴィクでも1泊必要だ。やれやれ。
 慌ただしく追加予約を済ませ、成田に向けて出発した。

(拡大する写真には枠がついています。また文中にも写真へのリンクがあります。)


●第1日 20年2月1日(土) 自宅→成田→ヘルシンキ→ストックホルム

 武蔵小杉から成田エクスプレスに乗り、相変わらず空いていると思いながら景色を見つつ成田第二に到着。チェックインはすぐに終わり、展望デッキに出たら、ちょうどヘルシンキからのA350-900が着陸して来た。このタイプは以前、タイ航空のバンコク→プーケット便で乗ったことがあり、フィンエアーでどんな乗り心地になるか楽しみだ。

 成田第二ターミナルはいろいろ工事中で、手荷物検査場も一部塞がれていたが、新しい検査装置のキャパシティが大きいのか、スムーズに進んだ。手荷物をトレイに載せる場所がカーブになっていて、カーブの外側の広いスペースでトレイに荷物を載せ、カーブ内側のコンベアに押し出す。作業がしやすいのと、作業に手間取っている人の荷物はそのままにして、他の人のものをどんどん先に流せるので、一人の滞留によって全員が待たされることがない。これは良い工夫だ。
 ゲートに着いたらここも工事中で、待合所が狭くなっており、向かいの別のゲートの近くに座っていることにした。最近はどこの航空会社も航空券に搭乗案内のカテゴリーを大きく表示するようになった。自分は 3番目のグループで搭乗となる。後方座席なので、エコノミーでは早めの順番だ。しかしなかなか列が進まない。フィンエアーでは機内持ち込み手荷物は1個としつこく言っていて、手荷物には持ち込みが認められた旨のタグを付けてくれと、ずいぶん徹底している。しかし実際には空港内の店で買い物をする人もいるし、そう簡単には荷物の収納は進まないようだ。自分の席は53L、右側の窓側席で、これは東行きの機内からロシアの風景を見たいからで、左側だと太陽が眩しくて周りの迷惑になるし、景色もよく見えないからだ。そうして選んだ右側席、なんと窓の外側の中央に汚れのようなものがついていて写真に写り込んでしまう。A350の窓は、外側と離れた手前にもう1枚樹脂の板がある構造で、外側窓の汚れとカメラの距離が離れるため、汚れにピントが合ってしまうことがあり、ピントが合わなくても汚れ像が完全にボケずうっすら写ってしまう。残念だが、この構造にも理由があるだろうし仕方ない。オーロラ撮影のために持参した大口径レンズを出して汚れ像が目立たないようにしたりいろいろ悪戦苦闘したが、大口径レンズだと周辺光量が落ちるし、一長一短であった。
 座席は通常のエコノミーである。通常の、というのは、フィンエアーでは座席指定が有料で、場所によって値段が変わるのと、さらにエコノミー席前方は足元が広くなっていて、ノイズキャンセリングヘッドホンも貸してくれる「コンフォート」という区画がある。他社のような、座席も変えたプレミアムエコノミーとは異なり、あくまで座席そのものは同じでピッチが違うだけであるが、それも意味はあって、フィンランドの方は背が高いから通常のピッチでは本当に辛そうで、自分の前の女性は背筋を伸ばして座ると頭が椅子の背から出てポニーテールが僕の画面にかかってしまうし、頭を背もたれにつけると脚がつかえるようで姿勢を変えるごとに座席がグラグラしてこっちのテーブルまでぐらついた。こういう場合、ピッチが広いのはありがたいだろう。自分としては、まあ可もなく不可もなくといったところだ。

 航路はきれいに晴れていて、ロシアの雪景色を堪能した。北極海につながるコラ海や白海の氷が割れていて地球温暖化のためかねえと思ったりしながらも、その割れ方の場所による個性もまた趣があると感じた。
 機内食1回目は豚肉のソテーで、美味しかった。本当は2種類から選べたはずだが、自分の席に来た時は豚肉しか残っていなかった。まあ座席数の多いエコノミーでは仕方がない。フィンエアー名物(?)のブルーベリージュースは2食目の時に注文した。インターネットの口コミでは賛否分かれるものだが、自分は美味しいと思う。なお、2食目は焼きそばをいただいた。これも美味しかった。

 出発遅れがあったが、到着は少し早めで14:53ごろだった。ヘルシンキ上空は厚い雲に覆われていて、雲の下に出たと思ったらすぐに着陸した。天気はなんと雨である。機上から見ても全く雪がないので意外に思っていたが、まさか雨とは。とりあえず、今日は乗り継ぎなので雨でも関係はない。

 ヘルシンキでの乗り継ぎ時間は時刻表通りなら55分間である。フィンエアーのwebでも、季節によっては(出発時刻が変わり)乗り継げないと補足があるが、今日は「ショートコネクション」の札を荷物に付けられただけで特段何も言われてはいない。到着も早めだったから大丈夫だろう。「空港が小ぶりだから乗り継ぎ時間が短くて良い」など言われているが、実際行ってみると空港はさほど小さくはないし、通路も長い。そして店がたくさんあり大層繁盛している。通路の中央に赤い線を引いて急ぐ人優先としているが、何しろ賑やかで歩きにくい。荷物よりも人の方が間に合わないのではないかと思ってしまった。掲示を探し回ってようやく入国審査の表示を見つけ、そちらに向かった。
 入国審査では、特に何もなし。ここでEU域に入れば、今回の旅行先ノルウェイ、スウェーデンとの間での入国審査はない。流行が始まった新型コロナウィルス関連の発熱検査もなし。日本からの便ではマスクをしている人もいたが、空港ではかなり少なくなり、ヨーロッパの人はマスクをする習慣がないというのを実感した。
 入国審査のあと、乗り継ぎのための通路を通ると、手荷物検査場が現れた。検査機の前に広い待機場所があってグネグネと折り返しの誘導路が作られているが、検査が早いので列は止まらず、早足で歩くくらいの効率である。検査機は成田第二にもあったタイプで、複数の人が同時にコンベアに取り付いて、手間がかからない人の荷物は先に流れて行くから、列が止まらない。手荷物検査が終わると、搭乗開始10分前であった。店を冷やかしている余裕はないが、トイレには行けるだろう。ここでの搭乗順のグループは4なので、最後だ。

 トイレは通路から見て2階(?)のような場所にあり、螺旋階段を登って行く必要がある(もちろんエレベーターもある)。自分もそうだが、荷物を肩に掛けたり背負っている人は階段のすれ違いで少々気を遣う必要がある。何しろ大きいカバン持っている人が多い。トイレ施設の下の部分を通路などのスペースに使えるという利点はあるが、少々面倒な感じはした。
 用を済ませ、しばらく周りを歩いていたら搭乗開始となった。搭乗券のバーコード読み取りは少し時間がかかるが、飛行機そのものが大きくないので、予想より早くグループ4の順番が来た。
 この便はヘルシンキ発1605→ストックホルム1605着で同じ時刻になる。フィンランドとスウェーデンとの間の時差は1時間だから、ストックホルムまでは1時間の旅ということになる。この便でも右側の窓側席を予約しているが、生憎の天候で、全行程中ほぼ雲の上だった。
 定刻通り、ストックホルムに到着。荷物がなかなか出て来なかったのでヤキモキしたが、しばらくすると受け取れた。入国審査はないが、一応税関はある。ほとんど全員が素通りだ。

 市内への移動は鉄道で、アーランダ・エクスプレスなるものに乗る。アーランダとはストックホルム空港の所在地だ。ストックホルム中央駅まで20分の高速列車で、料金は299SEK、日本円では3000円少々に相当し、割高感がある。乗車時間が短いので設備は比較的簡素ではあるが、オスロのフリートーゲットほどは割り切っていなくて、落ち着いた色の内装で好ましいものだった。外は既に暗く、窓のスモークガラス越しに見ると真っ暗であった。道中186km/hまで出して予定通り20分でストックホルム中央駅に到着した。

 予約したホテルは中央駅すぐ近くにあるスカンディック・コンチネンタルで、駅の正面地上出口から出ると道路の立体交差があって少し遠回りだった。地下鉄駅との連絡用の地下通路を通ればホテルのすぐ下に出られるようだ。なるほどこれは便利である。天気は雨が上がったところで、さほど寒くはない。石畳の上をスーツケース引きながら歩くのは厄介だが、いかにもヨーロッパに来た感じもするし、これはこれで楽しい。
 ホテルにチェックインする。建物の中央に吹き抜けがあり、その周りに廊下と部屋が並ぶ構造で、予約時に「窓なし」の部屋があったのはこの構造ゆえであろう。そして自分の予約も窓なしのシングルである。エレベーターを降りて部屋番号の行先表示を見て、ハテと首を傾げた。自分の431号室が含まれる表示が2種類ある。とりあえず上にある表示の方向に向かったが、430、432と並んでいて431が無かった。なるほど、この通路には偶数番号の部屋しかないのだ…そう言えば、案内板の数字が偶数から偶数になっていた。そこでまた最初に戻り、今度は奇数の並ぶ通路へ。あった。入ると、窓なしシングルではなく窓ありのダブルであった。部屋は新しく綺麗で良いが、冷蔵庫が無いのは惜しいところだ。冷たい飲み物を常備したいが、仕方ない。駅のコンビニに買いに行こう。

 駅に向かい、ついでだから夕食ということでバーガーキングに行って日本にないメニューを食べた。キャッシュレス店舗で、クレジットカードなどでの支払いのみである。また、店員に話しかけず大きなパネルで注文もできる。効率的だ

 帰りにコンビニで飲み物を買おうと寄ったら、ここもセルフレジのスペースが大きく取られていて、当然の如く現金の出し入れはなく、キャッシュレスの普及を感じさせた。この後、旅行先各地で同様のことになるがこの時点ではそこまで想像出来ていない。


 ホテルに戻り、シャワーを浴びて就寝。明日は1320発の飛行機なので、市内観光はほぼ出来ないようだ。ま、それは仕方ない。


第2日へ

旅行記トップへ