20年2月上旬
第5次欧州旅行


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●第10-11日 20年2月10日(月)-11日(火) ヘルシンキ→成田→自宅

 帰国の日だ。午前はヘルシンキ市内を回るつもりだ。朝食は、昨日も書いたが、2フロアぶち抜きのロビーの端っこ部分にあって、2階相当のフロアにあるが、構造上スペースは細長い。入口付近にビュッフェコーナーがあり、近くのテーブルは埋まっていたので、離れた位置に座ることにした。食べ物はナルヴィクのスカンディックよりは種類が少ないものの、美味しい。フィンランドっぽいものとしては、ブルーベリーのケーキがあり、濃厚で楽しめた。

 部屋に戻り、パッキングをする。土産物(主としてお菓子)はスーツケースに入れ、その分入り切れない衣類を持参の手提げバッグに入れる。北欧の域内の飛行機では2個目からは有料だが、行き帰り成田便では2個まで無料なのだ。今回旅行では撮影補助の道具が多く、衣類はギリギリだったので、帰りを想定して薄いバッグを持ってきたのが役に立った。

 チェックアウトして、荷物を預けられるか訊いたら、ホテル入口に荷物置き場があると言うことで、カードキーをくれた。帰る際には、荷物置き場のポストに返してくれれば良いと。なるほど、これは合理的。荷物札などでいちいち照合せず、勝手にやってくれというわけだ。貴重品はもとより入れていないから、大丈夫だ。

 身軽になって、ヘルシンキも街に出る。風が強く雨混じりの天気。やっぱり雪ではなく、雨。フィンランドジョークを投稿するアカウントが「ヘルシンキのスノーマン」と題して水たまりの写真をアップしていたが、本当に雨続きのようだ。
 今日は昼過ぎにはヘルシンキ駅を出発するため、テンペリアウキオ教会と、シベリウスモニュメントあたりを見るつもりだ。この2箇所を徒歩で巡る。風が強いのが困るが、雨は耐えられないほどではないので、そのまま気にせず歩く。
 ヘルシンキ市街はきれいだ。もう少し天気が良ければ、そして時間があればもっといろいろ寄り道しながら歩いただろうが、今日はもう目的地に最短で歩くばかりだ。まあ今回の旅行ではそれぞれの都市での観光時間はもともと考えていなかったから、次回以降の課題として残しておこう。

 教会に着いた。周囲から見ると少し盛り上がった丘の岩をくりぬいて作った教会で、3ユーロの見学料金を払い中に入ると、外から見た印象とは全く違う、明るく大きな空間が広がっていた。丘の上にある大きな岩ではあるが、天井を何本もの梁で支えてあり、その梁の間のガラスから外の光が取り込まれる構造になっている。音響の良さからコンサートホールとしても活用される教会であるが、今はBGMとしてピアノ曲が静かに流れている。その響き方や音量がなかなか絶妙な、落ち着く雰囲気で良かった。見学で読めるような展示物は少ないが、ただ座っているだけで良かった。1時間以上ぼんやりして過ごした。

 そこからシベリウス公園までは距離があった。公園は思っていたほど大きくはなく、シベリウスモニュメントもあっさりと見つかった。シベリウスの頭部の像はガイドブックなどで見て想像していたサイズよりずっと小さく感じた。公園内は閑散としていたが、モニュメントのあたりは20人くらい人が集まっていた。しかしモニュメント以外には特に何もないので、観光客の滞留もなく、すぐに帰ってしまう感じだった。モニュメントから公園外を見ると、すぐ海が見えた。風が強いので眺めるのもそこそこに戻ってきてしまった。きれいな公衆トイレがあったので入る。チップなどは不要。便座がずいぶん高くてフィンランド人との体格差を実感する。また、トイレの壁面に注射器を捨てる穴が開いているのも若干ぎょっとするが、まあそういうことかと思うしかない。

 テンペリアウキオ教会で長く時間を過ごしたこともあり、予定の時刻より遅めになっているようだ。市内中心部へと戻りつつ、ついでに昼食をと、通りかかったついででケバブ店に入る。トルコ系移民の店だろうか、こういう店はけっこう見かけるので気になっていたのだ。ケバブはパンにはさむわけではなく、焼いた肉を皿に盛り、付け合わせにフライドポテトなど選ぶ方式で、サラダは自分で好みのものを取って来る。サラダにある毒々しいピンク色のものが美味しかった。何か酢漬けにしたものをマヨネーズに和えたような感じ。ケバブの肉は多くて食べ応えがあったが、それ以上にフライドポテトが大量で参った。

 時間がなくなってきたので、思い切ってトラムに乗ることにした。チケットを買って乗ると、停留所3個分くらいで、すぐに着いた。ホテルの荷物置き場から荷物を出して、駅に向かう。

 ヘルシンキ中央駅から空港までの交通機関は、環状線に乗る。環状線のどちら回りかでI線、P線に分かれていて、環状線ゆえにどちらに乗っても空港には着く。I線の方が若干早く着くようだ。空港までの料金は4.5ユーロで、所要時間は27分ほどだ。車両は大きく、車内は簡素だがクロスシートと広い通路はさすがに広軌と思う。駅間が長いところではそれなりに速度も上がり、快適な乗り心地だった。平日の午後と言うこともあろうか、車内は空いていた。

 空港に着いた。すっかりお馴染みのセルフチェックインをすると、「この便はオーバーブックで、予約の変更にご協力いただける方はこちらを押してください」のような文章が出てきて、これ押したら即座に予約がリセットされるのだろうか、と想像したが、なにしろどういうことか確認したくても係員が居ないので、Noをタップした。後でゲートのところで係の人に訊いてみたら、満席ではないです、と言っていたので、結局何だったのかは謎のままである。
 出国審査を経て、免税店で息子たちへの土産としてキーホルダーなどを買い込み、ゲートに向かう。ゲート付近は大きな空間で、広くて気持ちが良い。1時間ほど待って、搭乗開始となる。帰りはコンフォート座席を予約しているので、搭乗グループは2番、ビジネスクラスの客と同じである。コンフォートはエコノミークラスの座席そのままで前後のピッチが広く設定され、ノイズキャンセリングヘッドフォンの貸し出しもあるが、座席はそのままなので横方向は広くなく、16:20発に対して15:45に優先搭乗ではドアが閉まるまで30分以上待つので、広い待合ロビーに比べ若干辛かった。次回以降があるなら、もっと後のグループの時に乗ることにしよう。

 帰りの機体はA330-300である。成田線には2往復が飛んでいて、行きの時の機材と異なる便を間違って予約したのだが、違う機材もまた良いかと思うことにする。座席も世代が異なるので座った感じも印象が違う。コンフォート座席なので前後が広いが、驚くほどというわけでもなく、まあ1万円差だしこんなものかと思う。ノイズキャンセリングヘッドフォンは、フライトの度にいちいち電池を替えたり充電したりするのかと思ったら、音声の他に電源ラインが別にあって3本のジャックになっていた。他の航空会社でもこういう仕様のものがあるのだろうか。私は自前でヘッドフォンを持っているので、使わなかった。

 帰りの機中は東向きであるから、すぐに夜になって夜が明けるというやつで、景色はほぼ期待できないが、自分としては夜の北の空、つまりオーロラを見るために左側の窓側席を予約している。これは期待通り見ることが出来た。その撮影用に大口径レンズも用意してあり、かなり制約が多い撮影だったがそれも出来た。カメラの性能向上に感謝。
 機内食は、離陸して1時間少々経った17:50頃に夕食、朝食に相当するものはフィンランド時間の24時ごろに出た。ようやく眠れたと思う頃の食事、東向きの飛行は辛い。

 定刻に成田に到着。気象条件にいろいろ左右されてしまった今回旅行であったが、貴重な経験が出来たし、旅行を許してくれた家族に感謝したい。



★カメラ関係の話

 今回は、重量制限などがないため多めである。
 メインはE-M1mk2、レンズはM.ZD 12-100mmF4とし、オーロラ撮影用にM.ZD 8mmF1.8の魚眼レンズ、暗所での標準画角としてM.ZD 25mmF1.2、広角ズームM.ZD 9-18mmF4-5.6は今回あまり使わず、ホテルの室内などはiPhone11Proでの撮影が多かった。8mmF1.8の明るさには助けられた。5年前のアラスカではサムヤンのF3.5だったのが、F1.8になることで露光時間が4分の1になるわけで、ダークノイズ減算含め撮影間隔が短くできた。
 もう1台のマイクロ4/3はパナソニックのGX7mk2で、基本的にはG 20mmF1.7との組み合わせとして、主として自動車での前方動画、列車移動時の長回しのために用意した。これは、動画29分制限がないからである。また、Laowa 4mmF2.8の全周魚眼レンズはE-M1mk2ではグリップが写り込むことと、円形画像の上下方向が少し欠けるため、このカメラ専用として持参している。パナソニックのカメラはわずかに撮像素子が大きいため円形の欠けが減るのだ。
 そして、シグマのfp、コシナフォクトレンダーのNokton 40mmF1.2とシグマ 14-24mmF2.8 DG DNとを組み合わせ。オーロラ撮影や風景にという目的であったが、やはりE-M1mk2が便利すぎてこのカメラでの撮影枚数は少なかった。14-24mmF2.8レンズは同様スペックの他のレンズに比べると小さいのであるが、マイクロ4/3のシステムに慣れていると、やはり大きく重いと感じた。それと毎度思うが、やはりフォーマットは複数持つと効率は悪くなる。そう言いつつ、今後も悩むのだろう。
 また、今回は食事や部屋などの写真をiPhone11Proで撮影している。メインのE-M1mk2+12-100mmF4は手元のちょっとした撮影には大げさなので、携帯端末はちょうど良かった。それと、位置情報が入って後々の記念にもなるから、風景写真も折に触れてこれで撮っている。



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