04年9月下旬−10月上旬
第1次
(?) タンザニア旅行


第1日 第2日 第3日 第4日 第5日 第6日 第7日 第8日 第9日 第10日 第11日・第12日


はじめに

 一応、公式には新婚旅行である。しかし6人で行った。
 9月に結婚した相手Sは、世に言うバックパッカーであって、どちらかというと節約系で、事前に細かい予定を立てない旅を好む。対して、私は泊まる所くらいは事前に決めておいて、現地での予定はフリーにする程度の骨格が欲しいタイプで、しかも胃腸が弱いからそれなりにちゃんとしたホテルやレストランがいい、というわけで両者の好みは一致しない。旅行先もSは東南アジア、トルコなどが得意で私はヨーロッパ好き、果たして一致が見られるか、という懸念があった。一方、東芝フィルの飲み仲間で2年ほど前から海外に行こうと盛り上がってきたので、この際だからその企画と一緒にやってしまえば、旅行のタイプや行き先の希望の衝突も薄まっていいかと考えた。そこで、いつか飲んでいたときに話に上がったアフリカ方面はどうか、ということになったのだ。主としてサファリツアーで、動物を見て回るという内容になる。サファリとはスワヒリ語で旅の意味だからサファリツアーとはヘンな言い方だが、動物を見る旅と思っていいだろう。旅行先はケニアかタンザニアで、Sも私も未経験の地であり、これはすんなり決まってしまい、メンバーを募ったところ、総勢6人の旅になった。行き先は、(何となく)有名なケニアは避けて、タンザニアにしよう!、とこれもノリで決めたようなものであるが何せ我々は飲みながら話すことが多いから止むを得ない。そうだ、ここでメンバーを簡単に紹介しておこう。

KK君:トランペット奏者。冷静であるが、近年駄洒落が多い。最近は皆「がっくし」とか言いながらそれに徐々に染まりつつある。米国駐在経験があり、英語に堪能。
CKさん:KK君の配偶者である。ヴァイオリン奏者。酒豪である。飲む・飲まないに関わらず明るく楽しい人。自治体向け営業をやっていて全国を飛び回っており、旅慣れている。
YM君:ヴァイオリン奏者。管弦楽曲の作曲もする。ほのぼのと面白いお人柄が皆から慕われている。海外営業の経験者であり、英語には問題がない。
MY君:YM君とタイプミスしそうだな..ヴィオラ奏者。経験豊富な山男でもあり、いろんな装備をコンパクトにまとめて持参するのは驚き。米国在住だったので英語は得意。他にも語学はいろいろできるらしい。
S:私の妻、である。チェロ奏者。受験的な語学はからきしだが、度胸でしゃべりまくって何とかするタイプ。長い旅行も小さなバックパック1つで出かける。
私:語学はまあまあできるつもりだが、実際にはあまりしゃべらない(日本語も..文章書くのは好きだが)。旅行の荷物はカメラを中心に考えるので、たいてい重く、嵩張る。

 ところで、6人というのはサファリツアーには丁度いい人数のようだ。大型4WD車1台に乗れて、経費も6人で割るから比較的安い。2人などで現地で飛び込みでツアー会社に行くと、他の人を加えて人数が揃わないと出発しないとか、予定が不確定になってしまうことがあるそうだ。何週間も予定なく旅行できる人はいいとして、我々サラリーマンはなかなかそういう覚悟はできない。というわけで、事前に旅行会社に手配をかけることとした。日程は、9/22夜出発、10/3夜帰国。飛行機はUAE(アラブ首長国連邦)のエミレーツ航空である。他にもケニア航空、南ア航空、インド航空など候補があるが、直行便はなく、いずれも乗り継ぎになる。その中で、最も乗り継ぎがよくて便数が多くて日本出発が夜(即ちその日は出勤できる)という好条件はエミレーツしか満たせないのだ。ただし、便利であるということは混んでいるということでもあり、旅行会社からは早く申し込みしろとせかされた。事実、満席だったからこれは早く決めて良かった。問題は、アフリカ内の手配である。日本にもアフリカ方面を専門とする旅行会社が存在するが、試しに見積もりを取ってみたところ、3泊4日で18万円もする。いったいどんな豪華旅行かと思ってしまうが、中身を分けて(ホテル・車・航空機など)くれと言っても現地事務所に一任で答えられませんという回答。計画を作るのは非常にレスポンスがよくて感心していたが、価格はさすがに私でも高いと感じたので、この際現地の会社を探そうとインターネットでいろいろ見て、webがきれいで信用できそうな(根拠全く無し..)会社を探して見積りを出してみた。ウタリィ(Utalii)トラヴェル&サファリというところで試しに見積もりをお願いしてみたところ、4泊5日のサファリ、2泊3日のザンジバル島、タンザニア国内で飛行機を3便乗っても1260ドルである。これでも安いとは言いがたいが、国立公園内のホテルは数が限られていて安宿なんてものはないし(ほとんどが1人100ドル超)、航空会社の相場を見てもまあこんなもんでしょ、というところだし、各地も完全送迎付きだから安心だ。ついでに、この旅行会社が手配したわけでもないホテルまで送迎してくれちゃうというのだからここに決めてしまった。代金は海外送金で送る。前払いというのに一抹の不安もないではないが、えい、と送金。着手金と残金の2回に分けたが1回目が円安、2回目が円高で、皆から日本円で集めておいた予定額128000円にわずか+40円、芸術的な着地点であった(偶然だな..)。でも、こういうお金のところが差額精算などでごちゃごちゃしないのは偶然でもありがたいものだ。その他に必要なものはタンザニア連邦共和国のヴィザ、黄熱・破傷風の予防接種。面白そうなのでタンザニア大使館(用賀)まで行ってヴィザを取ったが、閑静な住宅地の一角にあるひっそりとした大使館では、職員が自分の車を洗車していたり、のどかなものであった。私がヴィザ申請に行った時は午前の部の申請者はゼロ、午後の部のトップであった。旅行会社からの電話が入っていたりしていたから、大半の人は業者に委託するのかも知れない。予防接種は黄熱が推奨で、タンザニアでは特定の国を経由する場合イエローカード(接種証明書)を要求するので、これは一応やっておいた方がいい。破傷風はビーチなどでガラスや釘などでけがをする場合を想定してやっておいた。接種のために東京検疫所というところに初めて行ったが、けっこう繁盛(?)していて驚いた。
 というわけで、事前準備も新鮮な体験で楽しく、そして忙しく(仕事と披露宴準備)過ごしていたが、出発の日はあっさりとやってきた。

(拡大する写真には枠がついています。また文中にも写真へのリンクがあります。)


●第1日 04年9月22日(水) 羽田→関西→(機中泊)


 この日は出社した。飛行機は羽田から関西国際空港(関空)までだから家からも近くて便利だ。1730時に会社を出たが、休暇中の仕事の引継ぎは穴だらけでろくにできなかった。職場の人には申し訳ないことをした。家に帰って、シャワーを浴びる。JRの川崎駅から京急まで大荷物を持って歩くのは面倒なので、南武支線の八丁畷で京急に乗り換えようと思っていたのだが、遅れてしまってやっぱり川崎駅前を歩くことになった。Sがゴムバンド(髪を結わえる)を買いたいというので途中で薬屋に寄る。夕方はタイムサーヴィスで割引になっているから、店はたいへんな混みようで、小柄なSはすぐに見えなくなってしまった。店の外で5分ほど待つが、いっこうに出てくる気配がない。ひょっとするともう別の出口から行ってしまったかもしれないと勝手に判断し、京急川崎駅に向かった。しばらくしたらSが到着。レジが混んでいた由。駅に入って見ると、この列車が間に合うギリギリ、としていた列車関空までは国内線に乗ることが出来た。
 集合10分前の1920、羽田着。YM君が既にいて、しばらくするとMY君が来た。皆は職場から直接だから、仕事場にスーツケースなどを持ち込んでいたわけで、周囲との軋轢がなかったか、ちょっと心配である。さらにしばらく待って、KK君、CKさんの2人が到着。CKさんはこの日、出雲に出張だったから、羽田は2回目になる。移動ばかりの長い一日になるわけで、お疲れ様という他ない。チェックインはJALの12番カウンターで、チケットは最終地(ダルエスサラーム)までチェックインできて、荷物も預けられる。ただ、関空までは国内線なので機内持ち込みできる荷物の限度は小さくなってしまい、本来国際線では機内に持っていたいものも預け荷物になってしまうのはデメリットだ。もっとも私なんぞはカメラが手元にあればいいので、それは元々別にしてあるから問題はない。チェックインは6人まとめて、2列シート×3でお願いしますと言ったらたいへん時間がかかった。どうやら最初に6人並びで発券していたらしい。しかし希望通りになった。荷物も預けたし、さて出発ロビイに向かうかと歩いていたら係員が追っかけてきた。YM君の荷物の取っ手が壊れているので、それは最初から破損していたものだということを確認して欲しいというのだ。細かい話だが、実際途中で壊れたりしても補償されるものなんだろうか、と思う。預け荷物なんて、いろんなところで投げるような扱いを受けていることは既に知っている。航空会社もたいへんだ。

 エミレーツのアテンダントがいたので、関空からの便の食事を聞いてみたら、日本時間深夜1時ごろに最初の食事、だそうで、そんな時刻までお預けを食らうのはいやだから、手荷物検査を通ってすぐの売店でカレーを食べた。KK君はカツ好きなのでカツカレーを所望したらもう終わっていた。20時前なのだが、閉店準備をしているのであった。多くの人が利用しているはずの空港だが、夜は早いのだ。関空は24時間空港なのでどんな様子か楽しみだ。CKさんはそばを食べるのだが、猫舌なので早く食べられない。搭乗時刻が迫っているのでまずはゲートに、というと歩きながら食べていた。なかなかの芸当である。関空への便はエアバスA300で、満席であった。この便では窓側2列シートを確保できていないが夜間の飛行だしそれは必要ない。連日の仕事疲れのため、すぐに寝てしまった。
 1時間ちょっとで関空に到着する。国際線の乗り継ぎは、出国審査があるので一旦外に出る形になるが、分かりにくくはなくスムーズに動ける。そこらへんはよく考えてあると思うが、24時間空港、ということへの期待は外れてしまった。ガラガラで寂しい。売店も小さい。羽田で無理して食べておいて正解であった。夜の便は少ないようで、我々が乗る2320時以降は4便しかない。これではガラガラなのも仕方ない。需要が少ないから便が少ないのか、着陸料の問題か、両方なのかも知れないが、せっかくの空港がもったいない。今年ではや10周年なんだそうだ。そんなに経っているとは知らなかった。夜の便が多ければ、全国から乗り継ぎで利用する人が増えるような気がするのだが。
関空到着 もう10周年だったのか 客が少ない 深夜は4便か 持ち込めまへん!

 エミレーツのEK317便はA340-300という機材を使っている。外観は、大きくEmiratesとあって、それと同じ意味であろうアラビア文字があるがカラーはほとんどが白でシンプルである。機体はそんなに大きくはなくて、エコノミーは2-4-2の配列だ。シートは適度に固くて、頭の周りのサポートもしっかりしていてよろしい。各席に液晶モニタが付いており、映画の他にゲームも(他席との対戦も)できる。深夜発でドバイへは早朝に着くからさっさと寝てしまうのが楽でいいのだが、しばらくは興奮していてあちこちいじっていた。24時半ごろに食事。Sはうなぎ、私は肉にする。いずれもなかなか美味しいが肉は硬かった。しばらくすると中国に入る。内陸の地方都市だろうか、黄色っぽく、暗い夜景が見える。まだ7時間以上飛ぶので、ここらで眠っておくことにする。寒いので、毛布を追加でもらった。
EK317便 A340-300の機内 アラビア語の新聞 読めん..

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