01年4月下旬−5月中旬
第3次欧州旅行


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●第12日 01年5月11日(金) ロンドン

 08:30起床。頭痛少々、体もだるい。朝食はまだ食べられるだろうか。慌てて降りてみたら食堂にはまだたくさんの人がいた。指揮の河地さんは今日帰国とのこと、すぐに次の仕事だそうで、誠に元気だ。さすがプロは違うな。
 今日はロンドンのフリー日で、夜に本ツアー最後のパーティがある。適当に美術館巡りでもするか、とSW君と13時、テイト・ブリテンで待ち合わせとして午前は全く自由行動にする。部屋に戻り、最後の洗濯と、荷物整理をする。11時ごろまでかかり、ようやく出かける。これでは、寄り道している時間はなさそうだ。まずは地下鉄セントラル線でボンド・ストリートまで、ここでヴィクトリア線に乗り換え、ピムリコへ。いずれの路線もガラ空きで、どうも、ロンドンの人は朝夕しか移動しなテイト・ブリテンいように見える。テイト・ブリテンはこの駅から5分ほど歩かなければならない。閑静な住宅地を抜けて、テムズに出ると、美術館だ。裏手から近づいたのだが、一部工事中で、黒く高い壁で囲まれている。そこにテイト・ブリテ募金箱ン・ナウ・オープンと大書されており、ああ、やっているのだなと分かる。正面に出るとテムズ沿いの大きな道路で、美術館前はバスやタクシーが一時停車するために大きくスペースが取ってあり、これ幸いとそこから写真を撮った。ロビイに入ると、中央に募金箱があって、小銭や小額紙幣がアクリル大きな容器に入っていて外から丸見えである。課外授業の子供たちがそれを見てワイワイ何か言っている。フランス語だった。一人一人名札を付けていて、セリーヌだとかルイだとか、フランス系の名前ばかりで、観光でないとすると、フランス人学校の課外授業ということかも知れない。それにしてもよくしゃべる。他にも、椅子持参で見学に来ている一団もあって、その熱心さには恐れ入るばかりだ。
 今日の目当ては月並みだが、ターナーである。ここは撮影禁止なので(部屋の入口にある説明文の一番隅っこに、小さく禁止と書いてある)絵の写真はないが、ここに来るきっかけとなったのは1枚のCDでターナーの絵が使われたCDある。英国、シャンドス(CHANDOS)というレーベルのメンデルスゾーン作曲「フィンガルの洞窟」、交響曲第1番、交響曲第5番「宗教改革」(演奏はヴァルター・ヴェラー指揮フィルハーモニア管弦楽団・CHAN9099)で、その表紙がターナー作「スタッファ、フィンガルの洞窟」なのである。これを見て、ターナーを実際に見てこようと思ったのである(ただし、このCDの絵はテイト・ブリテンにはない)。ロビイからすぐ右がターナーの部屋である。部屋はそれほど大きくなく、展示点数は多くない。それでも実物を目にするのは初めてなので、感激する。光と陰、水、雲、くっきりとした絵を好む人には向かないだろうが、私は気に入った。しかしターナー以外はというと、美術館全体が小さいので、展示が唐突に見えなくもない。絵と写真と前衛芸術と、まぜこぜの部屋があったりするのだ。しかし無料であるし、限られたスペースだから仕方が無い。募金箱に小銭を寄付して来た。13時になって、ロビイでSW君と落ち合う。売店に行って絵葉書と小さな画集を買う。今回、12泊14日の旅行で、自分の買い物は昨日の50mmF1.8レンズと、これだけである。そういう意味では、実に質素な旅行であったと言える。

 美術館を出て、テムズに沿って国会議事堂の方向に歩く。暑いくテムズ川らいの陽気である。2週間で一気に春が来たという感がる。空気はよどんでいて、遠景はぼんやりとしている。国会議事堂からグリーンパークへと転針。昼食にしたいが適当な店がない。大手町を歩いているようなもので、それは日本でも難しいだろう。そこらをウロウロして、サンドイッチ屋と酒屋を見つけたので、ターキーサンドとビール(1パイント、約570ml)を買って、グリーンパークに戻った。金曜の午後なのだが人出は多い。皆、芝の上にゴロリと横になっている。スーツの上着を敷物にして、シャツも脱いで横になっているのは、壮皆、日光浴しています観というより、いささかグロテスクにも見える。14時を回っているのだが、まだ昼休みなのだろうか。そういう我々は会社を休んでここにいるわけだが..寝転がる勇気は無く、芝の上にちんまりと座って昼食だ。ラガービールはキリっと冷えていて、ターキーサンドもおいしい。天気もよいし、気分は最高である。ほろ酔いで地下鉄に乗る。ホルボーンまで行き、大英博物館でSW君と別れ、私はまたもカメラ屋を巡回するものの、やはり情勢が変わるわけも無く、何も買わずにいた。少し眠いのと、帰りにラッシュに巻き込まれるのはいやなので、早めにホテルに戻った。日中暖かかったのでさっとシャワーを浴び、ひと寝入りする。

 何時だか忘れたが、目が覚めたのでパーティに行く準備をする。準備といってもネクタイを締めるわけではなく、カメラの準備だ。もういいかげん疲れたので、今日の日中もヘキサーRFはホテルに置いていたのだが、パーティはさらに中望遠100mmF2を落とし、ストロボの電池も弱ってきたので、ディフューザも落とし、しかしパーティ後に夜景撮影もあるかと思い三脚は持っていき、やっぱり100mmも持っていこうなどと悩んでいたらけっこう時間を食ってしまった。
 外は涼しくなっている。部屋は西日で暑くてたまらなかったのだが。クイーンズウェイの中華料理屋がパーティ会場である。50ポンド、邦貨にして9500円の宴会とはどんなものか、楽しみである。店は間口が狭いが奥行きはある。しかしTPOのパーティ会場は他のテーブル席と空間が区切られておらず、大騒ぎすると迷惑になりそうだ。そして、会場が、狭い。定期演奏会後の2次会といった雰囲気で、カメラバッグ(三脚はもちろん)おいしいが..種類は最初から最後まで、同じ。を下げて歩き回るのは無理だ。これを部屋(という区切りはないが)の片隅に置いて、24mmとストロボを付けっぱなしにして持ち歩くことにした。料理が運ばれてくる。立食なので、皆最初は料理に殺到する。2巡目でいいや、と最初は撮影に専念。料理は、あんかけのチャーハン、これもあんかけの焼きそば、春巻、シューマイ、なんだか最初から炭水化物系が出てきておいおい、もう終わりの雰囲気かいと思うが、味はよろしい。空腹なのでおいしく頂いた。一通り食べたら次が来たので見たら、なんと、最初と同じもののお代わりであった。まさか、この4品で最後まで..その通りになってしまった。最後に杏仁豆腐は出てきたけど、食べ放題って言われても、そんなに食べられなかった。ちょっと、単調だったような気がする。しかし食事はともかく、皆よくしゃべり、楽しく過ごせたことは確かだ。

 パーティ後のメニューは、夜景だ。タワー・ブリッジを見に行こうという。KK君、CKさん、SW君、NT君と出かける。ホテル近くのバス停で所定の路線のバスを待つのだが、これがいっこうに、来ない。バス停に着く前に丁度出て行ったバスがそれっぽい数字だったので、夜だしこれはしばらく来ないだろうと考え、タクシーに乗る。ロンドンのタクシーは、乗る前に行き先を告げて、OKなら乗ることが出来る。いやなら、「ソリー」と言って、走り去る。そんなのでいいのかと思うが、いま停まったタクシーは走り去らず、乗ることが出来た。5人乗っても大丈夫、少し狭いが近いから我慢も出来る。しかし案タワー・ブルッジ外道が混んでいてタワー・ブリッジ近くに着いた段階で点呼の23時近く。テムズの岸の方に坂を降りて、適当なところで三脚を広げて、撮る。昼間と違ってくっきりとした風景で、実際よく写っていた。元来た坂を登り、ホテルに電話する。KK君が事務局の部屋につないで貰うべく言うのだが、部屋が違うと言われつないでもらえない。後で聞くと、その番号はドイツの現地法人の人が泊まっていた部屋で、要するに部屋番号を間違って教えられたらしい。つながれなくて、よかった。それにしても、結局事務局部屋はどこだったのだろう。点呼をしなくても誰も何も言われなかったので、機能していなかったのかも知れない。さて、それはともかく、帰りのタクシーがこれまた全然つかまらない。こんなところを歩いている人はいないので、タクシーも寄り付かないのか。ようやく通った1台を停めて、「ソリー」と言われずになんとかホテルに帰ってきた。25時近く。帰りも渋滞していて、疲れた。明日の出発のためのパッキングをする気力もなく、すぐ寝てしまった。


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