01年4月下旬−5月中旬
第3次欧州旅行


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●第9日 01年5月8日(火) デュッセルドルフ→ケルン→デュッセルドルフ

 デュッセルドルフでのフリー日。天気は曇りである。頭痛がする。今日は同室のKOさんがオプショナルツアー(何と、6時出発!!)に出かけているので、独りで下に降りる。9時近かったが朝食は食べることができた。食後、ロビーにKK君、CKさん、SW君、KM君、AI君、HT君がいたので、このグループに混ざることにし、急いでカメラを取りに戻る。タクシーでデュッセルドルフ中央駅に向かう。22マルク、チップ込みで25マルク(1330円)渡す。ケルン方面はRE1という路線で、比較的高速の郊外列車が20分に1本程度走っている。RE1 入線長距離列車なども使えるが、それほどの距離でもないので、優等列車を選ぶ必要はない。一部の列車が5-15分遅れており、とっくに過ぎた時刻とこれからの時刻が入り乱れて表示されていて分かりにくいが、特にケルンで待ち合わせがあるわけでもなく、気長に待つことにする。RE列車が入ってきた。REとは、レギオナル・エクスプレスのことで、地域内快速とでも言おうか、2階建てのこぎれいな車両を使っていた。2等は2+2、1等は1+2の座席配置であるが、長距離列車ではないので座席そのものに格差はあまりない。我々は2等である。一見、電車列車に見えるが、実は機関車方式で、南行は電気機関車が押していく形である。運転台は南端の客車にもついている。ドイツを始め欧州の鉄道が、これほどまでに機関車列車に固執するのは何故だろう。REだと、固定編成なので何も機関車(客車の増減に自由度がある)でなくても良いように思うのだが。環境への配慮(エネルギー効率が良い)か、客室騒音の低減か、理由はいろいろあろう。日本は、地盤が堅くないので、重い機関車を高速で走らせることが難しく、動力を分散した電車列車が発達したという経緯がある(オランダも郊外列車は電車だ)。ともあれ、この列車は客車に動力がないので、モーター音はしない。静かである。座席はドイツ風で、固い。2+2人のボックス席と2人の席が並んでいる。車内は空いていて、KM君と、ボックス席に座った。彼のカメラはEOS kissと標準ズームレンズであるが、今回の旅行のために50mmF1.8を購入したとのこと。前回、米国公演で、リヴァーサルフィルムで内臓フラッシュを使ったら真っ暗な写真が出来てしまい、明るいレンズの必要性を痛感したとのことだ。EFの50mmF1.8は安くてよく写ると評判だから、良い選択だと思う。

 30分ほどでケルンに到着。駅に入る前、ライン川の鉄橋を徐中央駅、しか書いてないが..行して渡っていくのが、風情があっていい。前回来た時は夜中独りで、鉄橋の音がぐわんぐわんと無気味だったのだが、シチュエーションの違いで感じ方が全く違うのが面白い。駅に入り、列車全体を検分して歩きたいが、単独行ではないので、それはやめておく。ケルン駅は7年前と変わっていない。構内が薄暗いのも変わっておらず、いまはISO100のフィルムしかないので、ちょっと撮影には不向きだ。至急、高感度を入手せねばならない。駅前に出て、KK君が、後で訪問する予定のモンケ(トランペットの工房)の場所を地図で確認しに行っている間、ランバーティンというカメラ屋に行く。ここはなんと、ケルン大聖堂の建物に引っ付いたような店舗のカメラ屋である。ここでコダックのISO400、ファルプヴェルト400(直訳すると、色の世界400)というフィルムを買う。フィルム・フュア・アッレ・フェーレ、どんな場合にも使えるフィルムか。海外のフィルムのパッケージに限らないが、大げさな表現は見ていてなかなか面白い。ついでに、店員にライカの某レンズの値段を聞いてみたら、4500マルク、免税手続きで3900マルクになりますよ、とのこと。それでも21万円、か。そりゃダメだ、元々買う気はないにしても。
 駅前に戻って、まずは大聖堂に入ることにする。2マルク払い、大聖堂の階段を上る。塔の螺旋階段は狭くて、急である。ドイツ人たちも団体で多数見学している。階段での上り下りのすれ違いがたいへんで、何度も止まりながら上って行く(止まった方がいい。息が切れる)。三脚は持ってこなくて正解だった。一旦広い空間に出て、そこから鉄の階段を上り、さらにそこから上層へはすれ違い不可能な狭い螺旋階段を上る。自分ひとりでも息が切れるのに、建築資材を運んだ人は、どうだったのだろうか。ようやく頂上に着く。撮影したいが、汗でファインダーが曇ってしまう。息を整えてから撮影開始。ライン川を渡って来るICE(ドイツの高速列車。名前はインターシティ・エクスプレスとそっけない)など、なかなか絵になる。
 下りは楽かと思うがそうでもなく、磨り減った階段は歩きにくい。間違うと転げ落ちそうだが、螺旋階段だからそんなに落ちないか、などとまたまた埒もないことを考える。途中、25トンもある鐘を見た。これ、本当に、まじめな話、そうやってここまで上げたのだろう。実に不思議である。12時近いのだがまさかこれが鳴る事はあるまいと思って、降りてきたら、本当に鳴り出した。慌てて戻る。近くのドイツ人たちも駆け上がるので、これはひょっとすると本物かもしれない。12回鳴るまでに上がらなければならない、こ、これはシンデレラか?違うだろ、と走りながらまた埒もないことを思いつく。そして、着いてみたら小さい鐘が鳴っていた。がっくり。すごすごと地上に戻る。ちょうどミサが行われていて、柵の手前までは観光客も行くことが出来る。きれいなオルガンの音が響いている。オルガンだけは後付けで設置したようで、そこだけ建材が新しい色だったが、それもいつか、馴染むだろう。3曲聴いて、写真を撮って出てきた。
ケルン大聖堂 大聖堂の塔から これが塔の先端にあるそうです..すごいわこれは ステンドグラス 大聖堂にて

 外に出て、昼食にする。近くのレストランで、ビールを飲みつつ昼食としたい。大聖堂が見えるオープンエアのレストランがいいなぁと思うが、どれも高くて、敬遠。結局景色は見えない普通のビアホール(大聖堂向かいの、アルト・ケルン)にする。日替わり(チーズを小さく切って揚げたもの)、シュニッツェルアルト・ケルンのビール、アスパラガスのサラダ、ソーセージ盛り合わせなどを頼む。ビールは0.2Lの細長いグラスに入ったものを10本くらい持ってきてくれるのだが、ピルスナーですっきりしながら味も濃くて美味い。ソーセージの芳醇な味とザワークラウトの酸味の対比も新鮮、シュニッツェルにタルタルソースも合っている。アスパラガス(現地ではシュパーゲルという)は白くて直径2-3cmの太いもので、ドイツ特産らしい。歯ごたえがあり、風味もなかなか。全ての皿がおいしく、量もあったので、グル盛りだくさんの料理を楽しむープで分けて食べるには丁度良かった。皆、意外にもビールはたくさん飲まず(普段は..すごいのだが)、満腹して店を出た。1人あたり30マルク弱、であった。
 フォト・ランバーティンの支店でTC-1が壊れて今は私のHexar RFを使っているSW君が現地調達を行う。リコーの35R(国内名はMF-1)である。コンパクトカメラとは言いがたい大きさだが、マニュアルフォーカス(正確にはゾーンフォーカス)が出来て、絞り優先露出、露出補正が出来るちょっとマニアックなカメラである。約1万円で、面白そうなので私も欲しいと言ったら、最後の1台だった。

 次はモンケの工房に行く。地下鉄で行くのだが、この駅が面白くて、プラットフォームが同じ線路に高低2種類ある。高いところに地下鉄が停車し、低いところにトラム(市電)が停まるのだ。つまり乗り換えの便を図っているのであって、これは慣れれば、使いやすいだろう。15分ほど乗り目的の駅で降りて、工房を探すが、ここに来るともう観光地ではなく、普通の商店街をうろうろする。ようやく目的の通りを探し当てる。工房は通りに小さな看板を上げているが、店は中庭のようなところにあって、遠くからは見えないところにあった。1階が店、2階が工房になっている。店と言っても、日本の楽器屋のように在庫がずらっと並べてあるわけではない。ほとんどが受注生産なので、店というものは必要ないのだ。店主らしきマイスター(職人の親方とでも言うのか、技術を習得したプロの職人)と話をする。工房を見てもいいというので、ありがたく見学させてもらう。10m四方くらいの工房に、3人の職人が働いている。最終仕上げを行ったばかりのB管が10本以上並んでいて、まぶしい。壁にナチュラル・トランペットがかけられていたが、今は作っていないとのこと、残念。作っているなら発注しようかと思ったのだが。何枚か撮って下に。店主の話によると、いまは年間80本程度で、全て、トランペットだけを作っている。ナチュラルトランペットは人手が足りなくて作っていられる状態ではない。価格は概ね30万円くらいで、ただし日本には代理店があるから(ネロ楽器)直接は注文を受けることはできない。ドイツ在住なら注文してもいいが、今注文して1年くらい待つことになる、とのことだった。しかし、30万円の楽器ばかりではないだろうが、年間80本では2400万円にしかならず、店主と職人3人では(他にもいるのかも知れないし)、とても成り立たないような気がする。修理業などもやっているとは思うが。KK君がロータリーオイルを購入して、店を出た。

 商店街に戻り、ケーキ屋で休み、地下鉄で市内に戻る。ここで一旦解散し、各自でデュッセルドルフに戻ることにする。ランバーティンをもう一度冷やかすが買い物はせず、駅に向かった。帰りもRE1に乗るが、混んでいる。最後尾にようやく空席を見つけ、座った。今日は午後から暑くなったので、エアコンの冷気が心地よい。うとうとしていたら、デュッセルドルフに到着した。今晩、19:30から金管のメンバーで、ツーム・シフヒェンというドイツ料理の店で宴席の予定である。それまで2時間は市内でカメラ屋を見て回る。しかしケルンより小規模の街であるから、店も小規模で、めぼしいものはない。デュッセルドルフ旧市街旧市街で写真でも撮るか、と歩いていたら、メインのレンズである40mmF2が故障した。レンズ内で部品が外れ、ヘリコイド(ピント調節のねじ)に挟まったようだ。ケルンで、OM用の35mmや50mmの安いものはあるにはあったが、別にいいやで買ってこなかったし、デュッセルドルフのカメラ屋はついさっき、閉店したばかりである。最悪である。仕方ないので、今日は24mmシフトで乗り切り、明日ロンドンで練習前に50mmF1.8あたりを探すことにしよう。強烈な西日と、いまの状況で暑く(熱く)なったので、マクドナルドでミルヒシェイクを飲んでいた。
 19時半丁度に店に着いたら、主要メンバーは既に来ていた。店内は混んでいて今すぐには無理だ、とのこと。ではオープンでいいハクセ、豚のすね足や、ということで通りに設置してあるテーブルを2,3台合わせて8人席を作ってもらった。係りのオヤジはしきりに狭いことを気にしていたが、小柄な日本人、しかも某居酒屋で毎回狭いところに座っている我々には、全然苦にならない。注文は、KYさんが仕切る。プロの歌手であり、ドイツ語が出来るのだ。まずは地元の黒で乾杯。料理は、ハクセという豚の塩いつしか夜に焼き(すね肉)、牛のテールをデミグラスソースで煮込んだもの、ソーセージ盛り合わせに、もちろん名物シュパーゲル(アスパラガス、白)。ハクセは、鶏肉のように食べやすく、豚肉らしさがなくて、塩味が良い刺激になってたくさん食べられた(実は、私は豚肉は苦手)。ビールは2杯目がヴァイセン(白)で、日本だと地ビールによくある、銀河高原ビールタイプの、少し甘めのフルーティな香りのするものであった。黒も白も、料理とのマッチングはすばらしく、大量に飲んでしまった。最後はシュタイン・ヘーガー(スピリッツ)で締め、ショットグラスが欲しいな(買いたい)と言ったら、係りのオヤジが店に内緒でいくつか持ってきてくれた。このオヤジ、なかなかの愛嬌で、飲んでいる我々も楽しくなる雰囲気をもっている。この人の機転と、KYさんのドイツ語に感謝するのみである。

 タクシーでホテルに戻り、部屋で2次会。というのも、現地法人からの差し入れを未だ飲んでいないのである。持って帰るにも、1リッターでは重いので、ここで飲んでしまうことにする。とはいえ、今日は一日、盛りだくさんの料理に美味しいビールを堪能したから、もうこれ以上はなかなか飲めない。何とか片付けて、自室に戻る。気持ちよく眠った。


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