第13日 01年5月12日−第14日(機中泊) ロンドン→成田→北上

 帰国の日である。昨夜、パッキングをしていなかったので、起きてすぐ猛烈に動かなければならない。大急ぎで朝食を取って、すぐに部屋に戻り、ざっとシャワーを浴びて作業にかかる。もう、投げ入れているに等しい。それでも、ドイツの現地法人と料理屋のオヤジにいただいたグラス、故障した40mmF2は丁寧に梱包し、小さなカメラバッグに入れて、周囲は下着類で固めてスーツケースにしまった。
 集合時刻に遅れること3分、地階に下りた。荷物が異常に重い。30kgくらいあるのではないか?、確か、エコノミーで預けられる上限は30kgだったような気がする。空港で詰め直しになるのは恥ずかしいが、考えてもしょうがないので、バスに乗った。慌てて作業したので、汗だく。帰国の感慨に耽るでもなく、景色を見るでもなく、ぼんやりして息を整えていた。ヒースロー空港に到着。大事故を展示物と化した怪鳥起こして運航停止になったコンコルドが空港の前で展示品となっていた。32機しか作られず、100人くらいしか乗れないこの飛行機、格好はいいとしても、さすがにいまの世の中では、非効率に思える。

 天気は晴れであるがうすくモヤっている。バスを降りたらさっそく空港内に入るが、荷物が重すぎてスーツケースのローラーが壊れそうである。前回旅行ではプラハでこれをやらかし、たいへんな労力を要したので、ここまで来てそれはイヤである。大型のカートがあるので、それに載せて空港内を進むことにした。英国航空の「グループ・チェックイン」カウンターに並び、もう皆慣れたもので、列はさっさと進んだ。私の荷物はなんと、29.5kg。ぎりぎりセーフ。係員も苦笑いしていた。
 荷物を預けて身軽になったわけだが、ここでまた一仕事ある。職場へのお土産である。そのために、小さなビニール製の鞄をもう一つ持ってきている。これに、チョコレートなどを入れて帰るのだが、カメラバッグ、楽器、土産物、そして29.5kgのスーツケース、飛行機内はいいが成田から北上に運ぶことを考えると暗然とする。東京駅、成田エクスプレス(総武線地下)から東北新幹線へは、一番遠いのだ。気を取り直し、チョコレート選びにかかる。工場は「課」単位がけっこうな人数なので、小さい包みでは皆に行き渡らない。1課で250g、大きな課では500g、と買い物していたらチョコレートだけで2kgにもなってしまった。こうなったらもうなんでもいい、給湯室に私のグループ(当時5人)専用の紅茶コーナーも作ってしまえ、とさらに買い物をした。紅茶、軽いのはいいがかさばるのには閉口した。しかしチョコと紅茶くらいで音を上げているのは甘い方で、ある女性など、自分の体の半分くらいの体積のモノを背負っていた。ぬいぐるみか何からしいが..やはり、買い物力という点では、女性にはかなわない。荷物を持って巨大な空港内をウロウロするのは面倒で(出発ゲートが決まっていない)、例によってどこにも均等に近いと推定される一角で、座って待っていることにした。マクドナルドでアイスクリーム、これも日本にないやつで、ソフトクリームにチョコを砕いて入れてシェイクしたそれにしても巨大な飛行機だようなものを舐めながら、ベンチに座っていた。
 ゲートが決まると、幸いそこから近いところであった。もうゴールデンウィークが終わって1週間経つので、帰りは空いているかと思ったら、エコノミーは満席の模様。というより、時ならぬ団体様60人がいてこうなったわけだから、普通はもっと空いているのだろう。ビジネスクラスは3分の1くらい空きが見られた。機材は行きと同じB747-400で、行きの時は気付かなかったが、ビジネスクラスとエコノミーの間に、ワールド・トラベラー・プラスなる中間クラス席があった。ヴァージン・アトランティックのミッドクラスに対抗する、少し広めのエコノミー席である。ビジネスクラスは、ほとんどファーストではないかと思う広さで、座席がフルフラットになるらしい。最近、航空会社もいろいろ競争が激しくて大変なようだ。後で聞くと、ヴァージンではビジネスクラスにバーが出現したというし、少々やりすぎの感、無きにしも非ず。

ロンドン上空 ヒースローを飛び立って、しばらくロンドン市内が見渡さらば英国せた。昨夜行ったタワーブリッジも、かすかに見えた。スモッグがかかっているのか、景色はあまり良くなく、写真もあまり撮らなかった。ロシア上空に入るまでは起きていたが、すぐ夜になるのでカメラはしまい、眠ることにした。後日話を聞くと、元気な人たちはギャレーに入り込み、カップラーメンなどを勝手に作って食べていたそうである。いやまったく、おそろしい団体である。

 成田には午前の到着になる。体内時計は夜中で、実際は朝なのだからこれ北上着はつらい。毎度毎度こればかりは慣れないものである。疲れて話す気力もなし。第2便の到着を待つ人もいるが、私はこれからまだ500km以上の旅があるので、お先に失礼して、成田エクスプレス・東北新幹線を乗り継いで帰ってきた。東京駅の長い通路も疲れたが、最後の最後、自宅前が砂利の駐車場だということを忘れていた。ここが、旅程で一番の難所、であった。



終わり

★カメラ関係の話
 この時持参したカメラは以下。
メインはOM-3Ti。レンズは標準が40mmF2、途中故障して代役としてロンドンで50mmF1.8を調達する羽目になった。広角がshift24mmF3.5、集合写真でもシフトレンズは有効だということがわかった。望遠は100mmF2。米国公演では180mmF2.8も持って行ったが、今回は落とした。
 サブはコニカのHexar-RF。旅行直前に発売になったコシナ製のフォクトレンダー、ウルトロン28mmF1.9を付けて、最初は街中やパーティで気軽に撮っていた。途中でミノルタTC-1が故障したSW君に貸与、その後はほとんど使わず。
 フィルムは基本的にはフジのスペリア100(CN)、スペリア800(CZ)の2種のみ。2本ほど400の余りを持っていくが、あとは現地調達のコダック、ファルプヴェルト400(FC)、ロンドンで買ったスペリア・エクストラ800などを使っている。旅行後、皆に焼き増しをするので、ネガのみとしている。結局、1000枚以上焼き増しをすることになり、旅行後3ヶ月間、1日おきに何かしらプリントを依頼し、出来てきたプリントを配分して、というサイクルで生活していた。注文分の整理が終わらず、練習そっちのけで作業していたことも..
第3次欧州旅行機材
OM-3Ti+Zuiko 40mmF2,Zuiko shift24mmF3.5,Zuiko 100mmF2,Zuiko 50mmF1.8(現地調達),Hexar-RF+Ultron28mmF1.9

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