09年4月下旬−5月中旬
第4次欧州旅行


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●第15日 09年5月8日(金) オスロ→ベルゲン

 やはりベッドが合わないようだ。激しく眠い。
 今日はベルゲンへの移動日。通称ベルゲン急行という列車で7時間の行程である。と書いて、気になったのはBergenの発音。ノルウェイ語は基本的にローマ字読みでいいと本には書いてあるのだが、どうも皆さん「ルゲン」とおっしゃる。頭にアクセントを置いているので、曖昧な発音ではない。列車の中でバルゲン、バルゲン、と何度も聞いたのでどうもベルゲンと書くと恥ずかしいような気分だ。でもまあベルゲンにしとこう。

 雨が少し降っているが傘を差さずにいても問題にはならないほどだ。そういえばこちらの人はあまり傘を差していないように思う。まずは荷物送り返し第2弾として、最寄の地下鉄駅のすぐ近くにあった郵便局に行く。例によって箱を買う。妙に高くて135NOKとか。窓口に行って、それを買う手続きをしながら、国際便でこれ使えます?、と聞いたら駄目だと。最初にそれを言ってくれと文句を言われた。どうやら、国内専用の料金込みの箱だったようで。道理で高いわけだ。それで国際用の箱は、かなり大きい。荷物を入れてもスカスカなので、プチプチも一つ買って、それでも足りないので局員が新聞をくれた。そして日本への料金は..480NOK(約7000円)..やめときゃよかった..

 おかげでまた荷物が軽くなり(財布も)、一路オスロ中央駅へ。10時に着いてしまったので列車は未だ入線していない。そこで他のプラットフォームの列車を眺めたりして過ごしていた。私が乗る10:33発の601列車は、いまノルウェイでも少なくなりつつある客車列車である。ベルゲン急行もシグナチュールという高速の電車に置き換わりつつあるので、この列車は貴重。シグナチュールとは、高速列車のデザインをした人のサインが車端にあるからとのことで、空港行きのフリートーゲットと同じく、先端を丸くした高速電車だ。さあ、乗り込もう普通車の座席
 601列車は10:10過ぎに後進で入線してきた。列車は前からコンフォート(1等に相当する車両)・普通車・普通車(家族用。子供室がある)・食堂車・普通車×3の7両編成となっている。切符は昨晩出力してある。字が細かくて分かりにくいのだが、私の乗る車両は446号車。すごい番号だがこれは車両の固有番号なのかもしれない。食堂車の1両後ろになる。座席は12番、大きな窓(座席2列分)の後方窓際、これはいい席だ。ちなみに窓側はVindu、と綴る。そう言われてみればなるほどと思える。座席は座り心地がよく、シートピッチも広いので快適ではあるが車内は電気機関車はスイス製わりと無機質なデザインである。客車列車といっても、新しいほ食堂のメニューが座席にも置いてあるうの車両なのだ。オスロではそれほど混んでいない。乗車率はせいぜい4割くらいだ。この列車は区間乗車が多いようで、特に最後のミュールダール−ベルゲン間はソグネフィヨルド観光の人たちの乗車があるので、かなり混む。10年前はそのミュールダールから乗り込み、車端部に立っていたのを思い出す。長距離列車は予約必須なので、予約しないと座席には座れないのだ。
 10:33定刻に出発した。オスロを出てからしばらくは徐行運転で、早速列車交換で停止。こんな近くで既に単線なのか、あるいはターミナルゆえなのか。郊外に出るとだんだん快速になってきた。オスロも緩やかなフィヨルドののどかで良い低地にあるので、列車は坂を登っていくことになる。オスロから30分程度のところで、早くも残雪もう少し天気が良ければと思うが見えるようになった。風景は右に左に、それぞれきれいに見える。晴れていたらなお良かったのだろうなあ。ともあれ曇っていてもきれいなので、通路を挟んだ反対側のおばあさんは食事中のおじいさん(通路側)を押しのけて写真撮る為に移動しまくり。実に楽しそうだった。
 そういえば、昨日民俗博物館で見た18世紀ごろの倉庫、沿線では普通に現役で使われている。むろん同じデザインで建て替えられているという可能性はあるが、木造家屋を大事にすることではノルウェイの人たちはなかなかの様子だ。

 列車は快適に進む。しかし、単線なので時々徐行や停止をして時間調整をしている。停止したのに交換列車がいない、なんてこともあったが、それだけ本数が少ないのだろう。ヘネフォスというところで停車し、接続列車を待つころからだんだん遅れが出てきた。ここで13分遅れてしまい、その後は列車交換が上手く行かず最終的には40分遅れるのだが、この時点ではそう食堂車へいうことは知らず、あることを考えていた。食堂車に行くかどうか、である。Kjottkaker(ヒョットカケルと読ヒョットカケルむのかな?)なるノルウェイ風肉団子がある。しかし120NOK、1800円。でも一度は食堂車に行っとかないとねえ。で、13時半まで考えて、行ってみた。遅い時間帯だと思ったのにむちゃくちゃ混んでいて大変。食堂といっても軽食堂で、料理でまともなのはこのヒョットなんとかだけで、あとはピザとかホットドッグ、サンドイッチの類、ケーキやお菓子だ。ピザとかは自分の席に持って帰る人が多かった。コーヒーはセルフサーヴィスで、大小2種類の紙カップにコーヒーメーカから注ぐ。私の前のおばちゃんはスイッチを連続で押してあふれさせていた。あふれたので、熱くて持てなくてしばらく悪戦苦闘していた。そうして、コーヒーやらドリンクなどを自分で取りつつ列に並び、最後にレジで料理を注文するというやり方だ。精算してテーブルに勝手に座っていると、しばらくして料理がきた。これは、美味しい。一瞬晴れる肉団子にグレーヴィーソースがかけられ、付け合せは茹でたポテトと、すりつぶした豆(甘みがある)、さらに何故かベリー系のジャム。豆は肉と一緒に食べても美味しいのだが、ジャムはどうにもこうにも。そこだけ残した。
 食事をするころからだんだん晴れ間が見え始めた。ノルウェイの天気は気まぐれなのだろうか。標高1000mくらいからはそこここに雪が残り、時々雪がちらついていた。沿線最高地点のフィンセではちょうど晴れて、絶景が見渡せた。スキーを担いで、犬を連れたおじさんが下車。犬と一緒にクロスカントリーとはすごい趣味だ。ここからミュールダールまでは絶景に次ぐ絶景。なるほどこれは人気があるのも納得である。私は右側だったが、左側のほうが広々とした風景が望めるようだ。ただし走行中はだいたい南側なので、雪原がまぶしいという難点もある。

山地のわりに川は平坦? ぽつぽつと家が見られる 外は冬の様だ いよいよ最高地点近く フィンセ付近にて
これほど雪景色を堪能できるとは 川(?)はまだ一部凍っている 絶景が続く 荒涼としているが、人家もけっこうあり ミュールダール駅にて

ベルゲン到着 そんなわけで、6時間くらいは興奮して楽しんでいたが、ヴォスを過ぎたあたりでだんだん退屈になってきた。退屈というのもあるが、列車が進んだり急いだりの連続ベルゲン駅になり、どうにもならないのに、イライラしているのだ。トンネルの中は直線なので遅れを回復しようとものすごい速度で飛ばして、トンネルを出て信号所で7-8分停止、なにやってんだか。18:30ごろにベルゲン着。結局8時間弱かかったことになる。ま、今日は着いただけで何もしないからいいけど。

 ベルゲンは雨だった。そして、ものすごく寒い。ホテルは、駅近くの、ホテルというよりはレンタルルームのようなところで、まずホテルの受付の人がいない。自動チェックイン端末で、事前に発行された予シティボックスという宿約番号と、自分の電話番号でカードキーが出てきて、その後は勝手に部屋に行け、というわけだ。シャワー、トイレが共同なのは少々つらいが、そこしか空いていなかったので止むを得ない。洗面台も共用なので、洗濯飾り気の全く無い室内はホテルの洗濯機でした。脱水しているからすぐに乾くのがいい。当たり前だが。

 ホテルの窓からグリークハレ(グリークホール)が見える。ホールは道路を挟んだ向かいなのである。しかしベルゲンフィルは完全にシーズンを終えたので演奏会はない。ホールのはじっこの部屋で、ハープの手入れをしているのが見えた。



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