09年4月下旬−5月中旬
第4次欧州旅行


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●第17日 09年5月10日(日) ベルゲン→ソグネフィヨルド→ベルゲン

 今日はソグネフィヨルド観光の日だ。8:40にベルゲン駅を出発、ヴォスでバスに乗り換えてグドヴァンゲンへ、そこからフロムまでフェリー、フロムからミュールダールまではフロム線、ミュールダールからベルゲンまでは再びベルゲン線となる。これは10年前と同じルートである。フィヨルド観光は他にもいろいろな場所やコースがあるのだが、いろいろ資料を見ているとスタンダードのルートがやはり一番良さそうに思えた。ベルゲンの港からずっと船でソグネフィヨルドに行くのもあるが、体験者の話だと、ソグネフィヨルドが巨大すぎてフィヨルドらしくないことと、私が気に入っているスタルハイムを通らないのが惜しい。となると、やはり従来通りしかない。

ナルヴェセンのサンドイッチ そんなに朝が早いわけではないが、湯を沸かしたりしているのが面倒なので、ベルゲン駅のナルヴェセンでサンドイッチとカフェラッテを買った。店員のおばちゃんが「ナットシェル
(ソグネフィヨルド観光のパック名)なの?楽しんでいらっしゃい」というのでお礼を言って出てきた。
 乗るのは、ベルゲン線のローカル列車である。座席が2+3列となっているのは車両が広いからだ。テーブルがないのと、座面が跳ね上げ式で、軽いものを乗せると跳ね上がってしまうのが不便だ。何とかしてサンドイッチを食べた。残念ながら全然美味しくなかった。
 天気は曇りである。予報では明日からが晴れで、どうにも運が悪い。それでも午後になると雨が収まる可能性もあるから、それに期待しよう。ヴォスまでは1時間ちょっとの行程で、フィヨルドの景色はここでも楽しめる。これはゆっくり走るローカル列車の良いところでもある。ヴォスでは専用のバスに乗り換え。ここで、バスの運転手に細かい質問をしている人がいた。雨がぱらついていてイライラする。後ろから、「ステップを上がって話をしろ!雨が降っているんだぞ」と声がかかった。その通りだな。個人で1行程ずつ切符を買うわけではなく、ツアーに申し込む形式だから、そのときに十分話が聞けただろうに。
最初はローカル列車 ずっと曇り ヴォスに到着 バスに乗り込む

 ヴォスからのバスは新しくてきれいだ。シートベルトを締めるように言われた。10年前は言われなかったのだが、ノルウェイも法律が変わったのか。ヴォスを出てしばらくはわりと平坦なところを走る。ここは大きな盆地の中といったところか。途中で、あるキャンプ場に停車する。大きな滝があった。眺めは雄大で、雪解け水が溢れ出す様子がよくわかる。欲を言えばやはり、曇り空が惜しい。そういえば、このピクチャーストップは前にはなかったものだ。同じナットシェルでも、いろいろ変わっているのだろう。
鏡のような湖面増えていたピクチャーストップにて 景色は右手のほうが概ね良いと思う。これは前の旅行の経験で分かっていたので、今回のバスの中でも右に座っている。ヴォス付近は湖がきれいで、湖を使ったアクティヴィティが盛んなようだ。天気は悪いが、湖は鏡のように静かで美しい。一度ここでも泊まってみたいものだが。
 しばらくすると徐々に登りにさしかかる。いよいよスタルハイムへの道だ。あるところで幹線道路から逸れて、スタルハイムに向かう。たしか、5月に入ってからでないと、こちらの道路が開通していない。それも考慮して旅行の後半をノルウェイにしているのだ。開通したばかりといっても、周囲に雪の壁があったりするわけではないが。さて、いよいよスタルハイムホテルに到着、のはずがさらりと通過。な、なんで?どうやらここも変わったのか。ここでのピクチャーストップを楽しみにしていたのに。ホテルの庭からの眺めは本当にすばらしい。坂道を上った感覚があまりないのに、ホテルの裏に出るとあの谷の絶景が見られるという演出が良いのだが、今回のバスはそのままホテルの裏から道を下りだした。ここの九十九折からも景色は十分に楽しめるのだが、バスの窓越しでは写真的には好ましい条件とはいえない。それでも、最近のカメラにはブレ補正がついているからけっこう車窓からでもきれいに撮れてしまうものだ。でもやっぱり、自分の足で構図を決めたいと思うのである。
スタルハイムにて なおもしつこく撮る 道が進むにつれ、山が迫ってきた 雪解け水が滝となる

 坂を下って、元の幹線道路に戻れば、終点グドヴァンゲンはもうすぐだ。ここは山が眼前に迫っていて迫力のある風景が楽しめグドヴァンゲンのホテルる。フェリーの出発までは20分ほどあるので、周囲を歩くことができる。スペイン人の団体客に写真を頼まれたので撮って差し上げる。なぜか背景は山ではなく橋。まあいいか。
 バス停の近くに、前に来たときにはなかったと思われる宿泊施設があった。塀も何もなく、いきなり部屋で、おそらくデモのためにカーテンが開け放たれていた。野趣あふれる内装で面白そうであるが、ソグネフィヨルドは観光ルートとしては出来すぎなほど交通の接続が良好なところでもあり、ここで泊まる人はそれほど多くないのではないかと思う。

フェリーに乗り込む グドヴァンゲンを出た。雨は時折ちょこっとだけパラパラする程度で、ほとんど降っていない。良かった。これから約2時間、船の中に篭っているのでは何をしに来たのか分からなくなってしまう。一番上のデッキに上がり、ほとんど2時間をここで過ごした。全然座らずに。日本人のカップルがセルフタイマーの設定に手間取っていたので撮ってあげた。お返しに私も撮ってくれた。今回の旅行で唯一の写真になるだろう。そのまま話でもするかとも思ったが、新婚さんみたいなのでお邪魔はしないことにした。
 途中、晴れ間も見えて景色は十分に堪能できた。船の放送は前より分かりにくくなっていたような気がするが、まあ説明なんて要らないわな、この景色には。
フィヨルドクルーズ開始 曇りなのは残念 晴れ間が! この切り立った感じがいい 山の頂上付近はまだ冬化粧
いくつも滝が見えた ソグネフィヨルドは幅が広い 午後には晴れるのが普通なのだろうか 今次旅行唯一の、自分の写真
狭い土地に住む ひなびた街 日が当たって実に美しい フェリーの開口部を子供に操作させる 博物館にありそうな建物

 フロムに着くと、ちょうど列車が出て行くところだった。とは言えこの1本後の列車が、本来乗る予定の列車だから問題はない。次の列車までには1時間15分の間が開く。というのも、このフロム線は途中ですれ違える箇所が1つしかない。そして全行程の所要時間は1時間弱である。従って、ケーブルカーのごとく、上りと下りが1本ずつ交互に同時に走ることになり、終点での時間は1時間くらい空くことになる。フロムでの景色も良いし、食事をしたり、土産物を買ったりで十分に時間を使える。また、新しくフロム線の資料館が出来ていた。これは鉄道建設の模様やその後の歴史、ミュールダール周辺の小学校の様子などを写真や物品で再現している。入場料は30NOKとあるが、フェリーに乗った(乗る)人は無料だそうで、しかし、観光客でここに来てフェリーに乗らない人も居まいから、実質無料なのだろう。といいつつ資料館の入口は立派な土産物屋になっていて、そこらへん抜かりはない。そして、私もやはり買ってしまったわけだが。
昔のベルゲン線の時刻表 昔の小学校の再現 郵便配達の歴史 ベルゲン鉄道の各時代の車両模型..欲しい.. 作業用車

 食事はする気になれず、アイスクリームを買って食べた。フロイエン山の頂上でアイスを食べていた子供にはやはり負ける。ここフロムはほぼ海抜0m、いまは暖かい。

フロム線 列車に乗り込む。車内は2+3列で、座面が跳ね上げ式になっているのは朝乗フロム線の車内ったローカル列車と同様だ。木目の落ち着いた内装に明るいオレンジ色の座席はなかなかしゃれている。ハイシーズンではないので、車内は空いていた。
 フロム線は上りが楽しいと私は思っている。下りに乗ったことはないので説得力に欠けるかも知れないが、有名なヒョース滝が最初に来てしまうよりは、上ったところで見えたほうが効果があると思う。そして、進行方向を見て、岩だらけの壁に敷設された線路を見るのも楽しい。下りではここは振り返って見ることになり、目に付きにくいのである。まあ、そんな能書きはどうでもよくて、この20kmの路線を素直に楽しむことにする。
唯一の列車交換場所 フロム線にて 道路も一応あるようだ 崩れた崖のところにこれから登っていく線路が 有名なヒョース滝
列車はゆっくりと、しかし力強く進む 沿線は荒涼としている 雪が降ったり止んだり

 ミュールダールからは一昨日と同じ601列車だった。今日は遅れはなかった。私の席は今度は左側の窓側席で、一昨日と違った風景が見られて満足だ。
ミュールダール到着 一昨日と同じ列車 いつまでも飽きずに景色を堪能 こういうところに住む人もいるのだな ベルゲンが近づくにつれ、雪は少なくなる

 ベルゲンに到着。日曜なのでホテル近くの生協は休みだった。スパーも休業、結局バスターミナルのバーガーキングまで戻り、ワッパーミールを買ってホテルに持ち帰った。


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