09年4月下旬−5月中旬
第4次欧州旅行


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●第21日 09年5月14日(木) オスロ→フランクフルト→バーゼル

オスロ空港駅到着 5:40に起床。個室にMENYカフェ(軽食堂車)の朝食についての宣伝が書いてある(ノルウェイ語)ので、無料かと思って行ってみたら別料金だった。じゃ、要らないです..オスロ空港
 6:06に空港駅に到着した。肌寒いがそれほどでもない。コートは既に預け荷物の中に入れてしまった。フランクフルト行きの便は9:35発で未だ時間があるのだが、その前は6:35で、さすがに乗れる時刻ではない。このまま空港で過ごすことにする。昨日、携帯電話のショートメッセージでチェックインしていたのだが座席が気に入らないので、自動チェックイン機でそれを変更する。一番後ろの右手窓側。バゲージドロップをしてこれで1800円!、国際線ゲートのほうに向かう。出国審査のブースがあるわけではなく、係員が立っていてパスポートと航空券のチェックがあるだけだ。ゲート番号は未だ決まっていないので、あまり遠くに行くのは得策ではない。なるべく中央付近に居たい。手近の海鮮系サンドイッチを出す店で朝食。サーモンサンドイッチとコーヒーで118NOKもかかってしまった。でも美味しい。店を眺めるが買い物するほどの物件もなし。10年前の旅行で心残りだったNorsk-English辞典は改訂されちょっと大きくなっていて、あまり買う気がせず、今回も見送りとなった。

 しばらくすると携帯電話にショートメッセージがきて、ゲートが30番という連絡だった。このシステム、非常に便利だと思う。ショートメッセージは携帯電話番号宛に来るから、聞き慣れないアナウンスを待つより確実だ。
 30番の待合所に行った。国際線と国内線の間にあって、ゲートごとに大きな部屋のように仕切られており、時間帯によっては国際線か国内線のどちらでも使えるようになっている様子だ。今は国際線側のドアが開いている。空港の有料ネットにつないでメイルチェックなどしていた。
 搭乗時刻になった。機材はB737-600、SASではB737ばかり乗っている。座席は22F、例によってリクライニングできない椅子だ。オスロ、フランクフルトいずれも天気も悪いし、ずっと寝ていた。着陸態勢に入ったところで起きた。着陸は時刻どおりだったのだが、その後がいけない。延々建物の手前で停まって待っている。着陸したはいいが行き先がないのだ。20分くらい待って、動き出した先はバスへの乗り換え場所。バスは待機していたのですぐ乗れたし、後方タラップからも降りられたのでそこでは素早かった。が、またその先がいけない。バスが降車場の前で渋滞しているのだった。何か問題があったのだろうが、これで乗り継ぎとかにも混乱があるのだろうと思う。幸い、私はここから鉄道に乗り換える。

 Ffm Flug Fernb(第13日参照)への行き方はもはや分かっているからスムーズに行けた。最初考えていた列車は13:54だがその1時間前に乗れる。ついでに指定を取ってしまった。それにしても、自動券売機の問い方がおもしろいというか、静かな区画(携帯電話禁止)にしますか、とか窓側にしますか、と選択肢が出るのだが結果はいずれも駄目なのである。検索して候補から除いておいてくれてもいいと思うのだが。結局、空港駅からマンハイムまでは通路側、マンハイムからバーゼルまでは窓側となっていた。それで実際乗ってみるとけっこう空いていたりして、システムがよく分からない。
 窓の外は曇りだが明るい感じで、まず緑の濃さが違う。これはノルウェイから来たということもあるが、この旅行の最初にフランクフルトに来て感じた緑とも色が違っている。それだけ長い間いろんなところに行ったわけで、留守番をしている家族に感謝せねばならない。今日これからバーゼルに行くのは、そこの楽器工房にナチュラルトランペットを発注していて、それを受け取るためである。その代金と旅行資金、まったくとんでもない出費をしてしまったと思う。過去に揃えたカメラやレンズ類がこのために随分減った。この際それもいいだろう。

 マンハイムで少し古いタイプのICEに乗り古いタイプのICE換えた。列車は高速で走っているが、小刻みに揺れて乗り心地は良くない。また騒音も相当ある。振動でPCの画面が見にくく、目が疲れてしまったので作業はやめにする。天気が回復してきたから、外を眺めながらぼんやりしていよう。あまり写真を撮る気がしない。というのも、ICEの二重窓の構造による。2枚のガラスが離れていて、外側のガラスのこちら側に、自分の手が映り込んでしまうのだ。別に写真のためでなくても、景色を見るには適していない。座席と窓のピッチも合っていないし、どうしてこんなのにしちゃたんだろうと思う。
 気づいたら眠っていた。食堂車に行ってコーヒーを買ったら、なにやら片付けモード。まだ1時間以上あるのにと思ったら、自分が間違っていた。当初乗る予定の列車の時刻が頭の中にこびりついていた。実際は1時間早いのに乗っている。間抜けだなあ。

 バーゼルSBB(バーゼルSBB駅に到着スイス国鉄)駅に着いた。前はライン川手前のバーゼル・バーディシャ駅で入国審査(列車車内で)があったのだが、今はない。SBB駅は15年前よりずいぶん立派になっていた。まずプラットフォームと駅の出入り口を結ぶ通路が、以前は地下道だったのだが、それが通行止めになっており、エスカレータ・階段を使って連絡通路に上がる形になっている。商店街も併設されて賑やかだ。スイスフラン(以下CHF)をキャッシングしたら100CHF札だった。また高額紙幣か。トラムの切符はたぶん買えまい(自販機は小銭か一部クレジットカード(日本では見かけない)のみだった!)。観光案内所に行って、デイチケットありますかと言うと、切符を買わずにホテルまでトラムに乗っていけば、ホテルでモビリティチケットをくれるよ、という。でも、そこまでタダ乗りというのが気持ち悪い。検札はないのだろうか。何しろ15年前に1泊しただけ、しかも夕方着いて早朝に出たという滞在なので細かいところが全く分からない。信用せず、100CHFを小売店で食べ物を買って崩して、チケットを1枚買ってホテルに向かった。
こんなエスカレータなかったなあ バーゼルSBB駅 駅前、蜘蛛の巣のようなトラムの架線

 ホテルはライン川を渡った先で、どちらかというとバーディシャ駅のほうが近い。ここではトランペットを購入して帰る予定なので、国境で免税の申請をする必要があり、バーディシャ駅に近いホテルを選んだ。それでもSBB駅からトラムで15分もかからないから、たいした距離ではない。ホテルはトラムの停留所の目の前で、すぐ分かった。ちょっと古いが、清潔なホテルだ。周りも静かだし、よい環境にある。早速荷物を解き、街に出る前にネット検索。本日、バーゼル交響楽団がハイドンの「天地創造」をやるようだ。これは行ってみたい。昨夜は夜行列車だったからシャワーを浴びて、それからホテルを出ることにした。
古いが清潔な印象 ホテルの鍵 おもしろい噴水 聖エリザベート教会、だったかな

シュタットカジノ・ムジークザール まずは会場がどこか、を知らなければならない。中心部の繁華街にあった。しかし会場名が「シュタットカジノ・ムジークザール」ってのがぎょっとする(市のカジノ・音楽ホール)。会場は写真の通り、古いホールである。安いところを選んだけど、結局65CHF、値段のわりに視界が.. 古いホールゆえか視界があまり良くない
 指揮者とかの情報はHPから転載。

Sascha Goetzel, Leitung
Ruth Ziesak, Sopran
Werner Gura, Tenor
Yorck Felix Speer, Bass
Chor des Theaters Basel
Sinfonieorchester Basel
 オケは普通のモダンオケだが、奏法は古楽器を意識していた。会場のすっきりした残響ともあいまって、なかなか素直な好演だったと思う。最初がむちゃくちゃ遅くて止まってしまうのではないかと恐れていたが、そのうちオケ全体が乗ってきたのか、ギクシャク感が薄れて安心できるように。レチタティーヴォのチェロが上手くてきれい。管楽器ではホルンがすばらしい。Flも1人追加となってアンサンブルする曲は良い響きを作っていた。ラッパはごく普通。最初のほうではちとこわごわ、って感じがあったが。
 ソロの人の声は会場がそんなに大きくないこともあってよく聞こえたし、合唱も38人とは思えないスケール感で良かった。ダイナミックレンジもすばらしい。オケは5プルトはいたと思うのだが(何しろ舞台が高くこちらは土間の最後列、見えない)最初を除きよくコントロールされていた。バスの人がレチタティーヴォを忘れて座っていたので会場から笑いが。おいおい。
 指揮者の人は汗かきで、また会場に空調がないのか、客席もかなり暑かった。2階席の何人かは演奏中もプログラムで扇いでいた。ある曲で区切りがつくと、指揮者が水を飲んで汗を拭き、べっとりしちゃったシャツをつまんだりすると客席から少し笑いが。もうお約束の光景なのだろう。それにしても指揮者、水もタオルもチェンバロの上に置いてたな。ソリストたちもコップに水を入れて足元に置いていた。倒したりしないかヒヤヒヤ。
 客席はライプツィヒに続きこれまた見事に高齢者ばかり。皆さん知り合いみたいで、開演前は握手やキスの嵐だった。そういや、やはりバーゼルだからか、後から来た人のために席を立つと、メルスィ、と言う人も何人かいらっしゃった。
 演奏会は休憩なしで、さすがに後半になると居心地が悪いのか、ほうぼうでギシギシと椅子の鳴る音がし始めた。古い椅子に板張りの床、姿勢を変えるとかなり音がするのだ。一人がやると伝播するようにギギギ、ギシギシとやっていた。
 これでほんとに、今回旅行での演奏会は終了。演奏会も、いろいろあって楽しかった。
夜の街を少し散歩 散歩中に ホテルに戻る


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