デッケルマウントのページ

Bessamatic-m
*

ベッサマチック-m,Skoparex 35mmF3.4 通称デッケルマウントの一眼レフ。ベッサマチックmは、このシリーズでは後の方、64年に出ている。レンズシャッター一眼レフであり、インスタントリターンミラーになっていないので、撮影後ファインダ像は暗転したままになる。このカメラは、シリーズでは異色の機体である。露出計が外され、全面マットのスクリーンを採用し、絞りとシャッターを独立で変える機構になっている。通常、デッケル機はライトヴァリュー(LV)を決めると、絞りとシャッターが連動してLVを一定にするよう動く。このカメラはその機構がないので、露出を意図的に変える作業がしやすい。シャッター自体は非常に静かであるが、ミラー動作のショックは小さいとは言えない。作動音はパコッという感じで、軽快。
 このカメラは大きく重いので手放してしまい、その後はM42マウントへのアダプターを使ってベッサフレックスなどで撮影している。きれいなスクリーンや正確な露出計が使えること、クイックリターンミラーであるのはメリットである。ただ、自動絞り機構は連動しないので、暗いシーンでは開放でピントを合わせて撮影時に絞る、などの手順が要る。

Retina IIIS

 このマウントはレンズシャッター式の一眼レフを想定しているが、コダックやバルダがレンジファインダー機を出している
(細かいことを言うと、これより前にフォクトレンダーのヴィテッサTやブラウンのスーパーカラレッテなどで使われたタイプのレンズもあるが、互換性はない)。一眼レフのミラーの分、長くなったフランジバックのために、ボディから突き出たマウント形状ではあるが、35/50/85mmのレンズが薄いので意外に大きな感じはしない(28mm、50mmF1.9や135mmレンズはどうしても長くなるので目立つ)。このカメラで使うには、レンズ側の距離計連動のカムの有無を確認する必要がある。広角と標準では最短撮影距離は90cmで、85mmや135mmはそれぞれの最短撮影距離になる。
 ファインダー視野は蛇腹のレチナシリーズのIIICなどと同様、明るくてくっきりとしていて見やすいが、二重像は中央部に小さくぼんやりとした円になっていて、ライカM型のような実像式ではないためあまりコントラストが感じられない。視野枠はレンズによって切り替わるが、35mmの枠は常時出ていて、その中で50/85/135mmの枠が切り替わるようになっている。パララックス補正もあるので、近距離の構図も失敗が少ない。
 露出計は空の影響を受けやすいのでカメラの上に手をかざしたりして対応している。この露出計との連動はマウント下部にある歯車を回しながら絞り値を露出計の針に合わせるやり方であるが、カメラ内の連動機構が紐であり、ここが壊れていることが多いようだ。また、露出計の感度を合わせる部分(ボタンのような部品)がなくなっている個体も見られる。
 わざわざ一眼レフ用のレンズを使ってRFを、というコンセプトの最大のメリットはシャッターリリース時の作動ショックが極めて小さいことであろう。ライカのようなフォーカルプレーンシャッターの機種よりも、リーフシャッターの方がブレは少ないし、作動音も静かである。コダック系のレンズしか着かない*が、活用して行きたいと思う。
(*: デッケルマウントと通称しているが、各社で識別箇所が設けられていて、互換性がない。この識別箇所を回避したマウントアダプターを使ってM42マウントやデジカメで使うのが一番汎用性が高い。)

 
クルタゴン Curtagon 28mmF4 (シュナイダー)
 デッケルマウントの中では最も画角が広いレンズである。いろいろ探して60cmまでの近接タイプを入手した。もっとも、近接したければM42マウントのレンズを探せば良い(28cmまで寄れる)のであるが、デッケルマウントアダプターを装着したら、M42レンズと交換しながら撮るのはやはり面倒で、デッケルで揃えた方が便利なのだ。
 描写は、中央部はシャープで、色もきれいに出るが、四隅は甘く、F8程度に絞っても怪しい感じが残る。発売年を考えれば致し方ないかと。
 
クルタゴン Curtagon 35mmF2.8 (シュナイダー)
 レチナレフレックス用の最後期のレンズである。最短撮影距離は60cm、前世代にあったフードをつけるバヨネット部分は省略されている。大きな前玉がレンズ先端にあり、収納時に傷をつける懸念があるので、コシナフォクトレンダーのレンズキャップをはめて持ち歩いている。描写はクリアでコントラストが良い。
 その後、レチナIIIS導入に伴って最短撮影距離90cmのモデルも手に入れている
(こちらはレンズ銘がRetina-Curtagonとなる)。以下の作例はどちらのレンズも含んでいる。これらの2世代のレンズが同じなのか、60cm近接の方が第2世代になっているのかは分からない。
 
スコパレクス Skoparex 35mmF3.4 (フォクトレンダー)
 カメラと同時に購入。40cmまでの近接タイプだ(旧タイプは90cm)。しかし、35mmレンズで近接がこれでは厳しい。それなら、一眼レフでなくRFでもいっこうに差し支えないような気がする。レンズはクリアな色再現で、樽型の歪曲があるが、シャープ。なお、後年M42で出る同名のレンズは別設計である。このシリーズ中では比較的安価で、玉数も多いので、探すのには苦労しないと思う。
Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4
Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4
Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4 Skoparex 35mmF3.4
 
スコパゴン Skopagon 40mmF2 (フォクトレンダー) *
 アサヒカメラ誌などによく寄稿している写真家の赤城耕一氏は自らを「35mm病」と称しているが、それに倣えば私は「40mm病」である。このレンズ、普通のガウス系のレンズの先にもう一つレンズを付けたような構成で、望遠レンズのような外観である。果たして、よく写るのか?..と思うが、よく写るレンズであった。最初に持っていたものは最短撮影距離が90cmと遠いので取りまわしはよくなかったし、フードをつけるとさらに巨大化するので、40mm好きだというのにあまり活躍せず、売却してしまった。最近50cm近接タイプを手に入れ復帰した。
(21年4月、作例をすべて差し替え)
 
ゼプトン Septon 50mmF2 (フォクトレンダー)
 通称デッケルマウントのレンズでも、最も美しい佇まいをみせるレンズだと思う。ゼプトンとは、7枚のレンズを使っていることから命名されているようだ。後期の、60cm近接タイプである。それでも、今時の一眼レフ用レンズに比べると、近くに寄れるとは言えない。ピント、ボケ、色が最高のバランスで得られ、素晴らしい描写をする。今後も活用することになろう。
Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2
Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2
Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2 Septon 50mmF2
 
レチナ・クセノン Retina-Xenon 50mmF1.9 (シュナイダー)
 コダックのレチナフレックス用のレンズだ。シュナイダー製。ゼプトンと双璧とも思える、美しいレンズである。ボケはゼプトンに比べると二線ボケっぽいところはあるが、ピントはシャープで、なかなかの描写だ。
 フィルターが60mm径で特殊であるが、レンズが鏡胴の深いところにあり、レンズにキズが付いたりはしにくいようだ。私が持っているレンズは、60cmまで寄れるタイプのものだ。
Retina-Xenon 50mmF1.9 Retina-Xenon 50mmF1.9 Retina-Xenon 50mmF1.9 Retina-Xenon 50mmF1.9 Retina-Xenon 50mmF1.9 Retina-Xenon 50mmF1.9
Retina-Xenon 50mmF1.9 Retina-Xenon 50mmF1.9 Retina-Xenon 50mmF1.9 Retina-Xenon 50mmF1.9 Retina-Xenon 50mmF1.9 Retina-Xenon 50mmF1.9
 
カラースコパー Color-Skopar 50mmF2.8 (フォクトレンダー)
 フォクトレンダーのデッケル機では最も多く見られる標準レンズだ。レンズが薄く、ピントリングが操作しにくいほどだ。シャープで良い描写。F2.8の4枚構成レンズにしてはボケも自然である。私が所有しているレンズは最短撮影距離が60cmのタイプ。もう少し寄れると嬉しいが、これでも短い方なのである。レンズシャッターSLRの宿命と思って諦めている。
C-Skopar 50mmF2.8 C-Skopar 50mmF2.8 C-Skopar 50mmF2.8 C-Skopar 50mmF2.8 C-Skopar 50mmF2.8 C-Skopar 50mmF2.8
C-Skopar 50mmF2.8 C-Skopar 50mmF2.8
 
カラーランター Color-Lanthar 50mmF2.8 (フォクトレンダー)
 フォクトレンダーの末期にレンズ固定式のシリーズでも多機種に搭載された、前玉回転式の3枚構成レンズだ。レンズが薄く、被写界深度目盛りの絞り連動機構はなく、絞り値が刻印されている。かなり絞らないと周辺は甘目で、近接時も甘い描写である。デッケルマウントではあまり市場では見かけない感じがする。元が廉価版で販売価格が安すぎ、店としても旨味が少ないのかもしれない。実際、たいへん廉価であった。
 
レチナ・クセナー Retina-Xenar 50mmF2.8 (シュナイダー)
 F1.9のクセノンに比べると非常に小型、薄型のレンズだ。最短撮影距離が60cmのものを選んで手に入れた。絞り開放では周辺が甘い感じはあるが、F4以降はシャープで均一な写りだ。色もくっきりしていて良い。
 その後、レチナIIIS導入に伴って最短撮影距離90cmのモデルも手に入れている。以下の作例はどちらのレンズも含んでいる。
 
レチナ・テレアートン Retina-Tele-Arton 85mmF4 (シュナイダー)
 シュナイダー製の中望遠レンズ。4群5枚のクセノタータイプで、標準レンズと間違えそうなほど小型に出来ている。最短撮影距離は1.8m、フォクトレンダーのディナレクスよりはマシだが、やはり遠い。ニュートラルな色合いでシャープな描写。
 このレンズはレンジファインダー機と兼用可能なので、レチナIIISでの作例もここにアップしている。
 
ディナレクス Dynarex 90mmF3.4 (フォクトレンダー)
 小型の中望遠レンズ。取り回しはいいか、というとこれは悪くて、最短撮影距離が2m。135mmの項で触れているが、ビハインドシャッター式のレンズシャッター一眼レフは、こういうところが不便になってしまう。色合いはほんの少し黄色味がある。ファインダー像が暗く、陽が落ちてくるとピントが合わせにくいのは残念だ。
Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4
Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4
Dynarex 90mmF3.4 Dynarex 90mmF3.4
 
テレアートン Tele-Arton 90mmF4 (シュナイダー)
 後期に出たレンズで、レンズ銘からレチナの文字が消えている。最短撮影距離は85mmに比べ10cm遠くなり1.9mだ。鏡胴などを共用し繰り出し量が85mmと同じなのかも知れない。クルタゴン35mmの後期と同様、レンズが前枠近くにあって傷がつきやすそうで、携行時はキャップをしないと不安になる。写りはくっきりとしていて解像もよく、すばらしい。
 
スーパーディナレクス Super-Dynarex 135mmF4 (フォクトレンダー)
 デッケル機はシャッターの口径が小さく、望遠レンズは繰り出すとシャッターに光線をけられるため、最短撮影距離が異様に長くなってしまう。このレンズの最短は4m。ライカでも、1.5mくらいまでは寄れるはずだ。一眼レフなのでピントと構図は正確であるが、この最短距離はいささか使いにくい。これより長焦点になると、もっと遠くなる。最大の350mmF5.6は、なんと28mにもなる。
 なお、このレンズは中玉の周辺にクモリがあるものを格安で購入したが、影響はなく、シャープに写る。色も濃く出て良いのだが、周辺光量は少し落ちる。
Super Dynarex 135mmF4 Super Dynarex 135mmF4 Super Dynarex 135mmF4 Super Dynarex 135mmF4 Super Dynarex 135mmF4 Super Dynarex 135mmF4
Super Dynarex 135mmF4
 
テレクセナー Tele-Xenar 135mmF4 (シュナイダー)
 カメラの露出計への影響を減らすために、鏡胴が黒くなった後期のタイプである。最短撮影距離は4m。ピント面はシャープで、ボケもきれいだ。良いレンズだと思う。
 
スーパーディナレクス Super-Dynarex 200mmF4 (フォクトレンダー)
 最短撮影距離はなんと8.5mにもなる。こうなると遠景を切り取ることに専念するしかない。レンズ全長が長い上に前枠は77mmとかなり巨大な見た目であるが、ヘリコイドはデッケルマウントの共用部品だから操作は手元になり、ハンドリングは良くない。画質は良い。近づけないのでボケを活かした写真にはなりにくいが、シャープでよく写る。
 
フォクトレンダーのページに戻る
 
トップページに戻る